「学生時代特有の空気」が怖かった…体育祭のフォークダンスで心がズタズタになった理由<漫画>
女子SPA! / 2024年8月31日 8時47分
三島由紀夫のような、文学おじさんみたいな喋りを展開していたんですけど、目立つせいか周りのおじさんに「お前、そんなこと言ってるようじゃダメだよ」と叱られてました。
そばで見ていて我慢できなくなって「私はそのままでいいと思いますよ、今そう思っているんだからいいじゃないですか」と口を出したのがきっかけで仲良くなりました。
連絡先を交換して、「今度遊びに行きましょう!」と最後ガッと握手をして別れたんですが、今でも仲良くさせてもらっています。彼は10個下ですけど、やっと築けた男の子との友情なんです。
◆自身と佐々田の違い
スタニング沢村:彼との友情によって、今まで嫌な目にあったり、私の中で課題を感じていたことが昇華された感覚がありました。出会った日の帰り道は、「すげーいい奴と友達になった!」とすごく嬉しかったです。その経験を元に小野田くんとのエピソードを描きました。
――沢村さん自身は「ノンバイナリー(男性・女性のどちらかに当てはめられることに違和感を感じる人)」であることを公表していますが、佐々田は「トランスジェンダー」なのでしょうか。
スタニング沢村:私は結構揺れているところがあって、ノンバイナリーでも、トランス男性(性自認が男性の人)でもいいかなと感じてます。佐々田は、私よりはしっかりとトランス男性よりだと思います。
◆男女で分けられる学生時代の辛さ
――佐々田が「男の子として生きていきたい」と思いながらも「それを毎秒毎分諦(あきら)めている」と感じていることが印象的でした。沢村さんも同じような思いがあったのでしょうか。
スタニング沢村:ずっとそうですね。自分が生きたいようには生きられるわけがないと思っていました。
――トランスジェンダーであることは、学生時代の方が辛さが大きいのでしょうか?
スタニング沢村:学生時代が私としては一番辛かった、というか、怖かったです。
これから先もずっと、私が今から出ていく社会は人間をあらゆる場面で男か女かのどちらかで居なさいという風に選択を迫ってくるし、その選択の中には自分の自認するジェンダーは無いし、どちらかと言えばこちら(男性)の側にも私は生まれなかった。これからどうしよう、という恐怖ですね。
「これ以上ジェンダー化された空間にいたくない、早く漫画家になって引きこもりたい」と思っていました(笑)。
◆体育祭のフォークダンスで心がズタズタに
スタニング沢村:特に体育祭のフォークダンスが嫌でしたね。参加はしたのですが、それはダンスのパートナーがクラスで一番の美少年だったからなんです。
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