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有村架純、“やせガマンの美学”を体現した別れ。目黒蓮がよけいに悲劇的に見えた変化とは?/『海のはじまり』

女子SPA! / 2024年9月9日 15時45分

夏は悪い人ではないし優しいけれど、弥生が海のお母さんになってくれたら楽だと思ってしまったのも事実で、その思いやりの欠けたことによって、弥生は去っていくのだ。

◆夏の背中は最終回のようでもあった

夏は海をひとり引き受ける決心をする。「一番大切にします。ほかの何よりも絶対優先します。がんばります」と言うと朱音(大竹しのぶ)は「当たり前でしょ。そうじゃないと困ります」と淡々。

夏は弥生にがんばれと言われたらから「がんばります」と言っているのかなと思うと、やっぱり甘えているような気もしないではない。

重責を背負い、スローモーションで歩く夏の背中は最終回のようでもあった。このまま、別れて、夏は海と生きていく。という未来に余白を残す最終回のパターン。でも、まだ3話ある。冷めたことを言えば、あと3話分も残っている(最近の連ドラには珍しく12話まであるそうだ)。

この別れは起承転結の転で、ショックな展開にざわつかせておいて、さらなる展開が待っているはず。元サヤに収まるのが無難なだけれど、弥生が似た者同士の津野や、さらなる年下男子・大和(木戸大聖)と新たなつきあいをはじめる可能性もないこともないかもしれない。

それにしても、こんなに海想いになってしまうと、海が成長して彼ができたら夏はどうなっちゃうのだろう。

<文/木俣冬>

【木俣冬】
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami

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