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会話もなかった熟年夫婦が仲良しに激変。2人の“絆”が見えた出来事とは/結婚人気記事BEST

女子SPA! / 2024年9月7日 8時47分

 結婚のことを一切考えなくなった奈緒子さんは、仕事に励むようになったといいます。

「彼氏はできたりできなかったりでしたが、どうせ結婚しないんだからと考えると彼氏に対して執着心がまったく湧かなくなったんです。すると男性の趣味も変わってゆき、常に恋人と一緒にいたい人よりも仕事を第一とする男性を選ぶようになりました。

 クリスマスなどのイベントも気にせず、お互い仕事に励んでいたら私のほうも面白いほどキャリアアップしていったのです。気付いたら昇格し、貯金もどんどん増えていきました。このまま、一生結婚せず家を買うのもアリかもしれない……そう思っていた矢先に、母が突然倒れたんです」

◆突然の母の病気、その時に見た両親の絆

「母が倒れたのは不整脈が原因でした。幸い、職場で倒れてすぐに病院に運ばれたので命に別状はなかったのですが、大事をとって入院することになりました。急いで病院に駆け付けると、そこには今まで見たことないほど、うろたえる父の姿があったんです。

 母が無事だと分かると父は『本当に良かった……』とつぶやいて、母の手をずっと握っていました」

 父親が妻を心配している姿を見たのは初めて目にした奈緒子さん。その時は「戸惑った」というのが正直な気持ちでした。

「母の入院中も私が仕事帰りにお見舞いに行くよと言ったら、父は『お父さんが毎日来るから大丈夫だよ』と言ったんです。その言葉通り、父は毎日お見舞いに行っていました。退院の日、病院に母を迎えに行くと、まだ少し体にマヒが残る母に父が身体を支えるように寄り添っていて……それを見た瞬間、やっぱり夫婦なんだなぁと思いましたね」

◆夫婦の“絆”に憧れを抱くようになった

 お母さんが退院して1年、奈緒子さんの心境にも新たな変化が訪れたといいます。

「それまでの仮面夫婦と思っていた両親とは打って変わって、信じられないほど仲良くなっています(笑)。母は仕事を退職し、今は父と旅行に行く計画を立てているようです。

 私の心境にも変化があって、若い頃は周りに流されて外見や年収を基準に結婚相手を考えていたのですが、今は夫婦の絆を一緒に作れる人がいいなと思うようになりました。お互い仕事優先でイベントすら一緒に過ごさなかったけれど、辛い時にはいつも一緒にいてくれた彼氏と今度結婚することになったんです……!」

 結婚のために努力するのではなく、お互いが支えあって生きていく夫婦になりたい。そう決めた奈緒子さんの顔は幸せに溢れていました。夫婦の形は子供から見ても分からない、もっと深いものがあるのかもしれませんね。

<文/結城>

【結城】
男女観察ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:@yuki55writer

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