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「子ども産んだことないでしょ?」発言に負けない――31歳になった朝ドラヒロインが見せる気迫・葛藤の凄み

女子SPA! / 2024年9月11日 15時47分

このシーン、劇中では朱音と弥生という強い芯を持つ女性同士の衝突でしたが、メタ視点で考えると、大竹さんと、実力派に脱皮しようとしている有村さんの演技合戦としての見応えもあり、かなり引き込まれました。

◆後悔を滲ませながらも強さもやさしさも宿した声

第6話には、有村さんの演技で涙腺崩壊するシーンが……。

堕胎するつもりだった水季が翻意して、産み育てると決意した理由が描かれた回想シーン。

水季は中絶手術のために訪れた病院の待合室で、受診している女性たちが書き綴る「ご意見ノート」を見つけます。そこには、中絶後のとある女性の《どちらを選択しても、それはあなたの幸せのためです。あなたの幸せを願います。》という言葉があり、水季は心打たれて出産したいと思うように……。

このノートの女性は手術直後の弥生だったのです。弥生と水季は一切面識がないのですが、自身が綴ったメッセージによって海がこの世に生を享け、その海がいま目の前にいるという運命的な展開。

このメッセージは有村さんのナレーションで語られるのですが、後悔を滲ませながらも強さもやさしさも宿した声の演技、鳥肌ものでした。

この弥生というキャラクターは、もし有村さんがずっと清純派のままでいたなら、決してたどり着けなかった境地の役柄だったように思えるのです。

◆9月23日放送の最終話、弥生も報われるのか?

2017年の映画『ナラタージュ』では、既婚者の高校教師と禁断の愛に溺れるヒロインを熱演し、こちらでは濃厚なベッドシーンもありました。2023年に主演したNetflix映画『ちひろさん』では、元・風俗嬢役を演じています。

こうして清純派から脱皮し、大人の演技派俳優に“成った”有村架純さん。

終盤に突入している『海のはじまり』の弥生は、自分は海の母親になれないのではないかと長らく葛藤した末に、夏に別れを告げるという悲しい展開になっています。

9月23日(月)放送の最終話で、弥生はどんな結末を迎えるのか。彼女も報われるハッピーエンドになってほしい。

そう願いながら、あともう少し、有村さんの大人の演技を堪能していきたいと思います。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。

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