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子育て世帯vs高齢者の「公園をめぐる対立」止めたい。杉並区“公園の新ルール”が話題を呼んだワケ

女子SPA! / 2024年10月3日 8時44分

逆に、公園の近隣にお住まいの方にとっては、子どもの声がうるさく感じられるかもしれません。でも、それだけ子どもの遊ぶ場所がなくなってきている、という現実にも気づいていただきたいです。『公園を利用する際は譲り合いましょう』という言葉を耳にしたことがあると思います。でも、実際にこの言葉の意味を深く考える機会というのはなかなかないので、新しい公園のルールの試行を機に考えていただければと思います」

◆利用者たちが、利用しやすい公園に育てていく

――今後、公園事業で新しく取り組みたいことがあれば教えてください。

大場「『新しい公園のルール』は現在、試行段階です。採用ではなく試行としているのは、その先を見据えてのことです。新しいルールを通じて、公園がみなさんにとって居心地の良い場所になれば、自然と行きつけの公園ができますよね。すると、自分たちでもっと公園を快適にしようという思いも生まれるはずです。

現在も、掃除をしたりお花を植えたりとボランティアで活動してくださる方々はいます。利用者が自発的になることで、さらに利用しやすい公園に育てていくことができます。杉並区内にはおよそ350箇所の公園があるのですが、決められた職員ですべての公園をきめ細かく運営していくのは、現実的に限界があります。ですので、利用者にも入っていただいて、自分たちで使いやすい公共の場にしていただきたいです」

◆家庭や学校、職場とは異なる“第三の居場所”にも

――自分たちの手で快適な公園に育てていくというのはすてきな発想ですね。

大場「公園はさまざまな年代の方が集まる場所です。子育て世代とひと言で言っても、よちよち歩きの子を持つ保護者もいれば、小学生の子を持つ保護者もいます。

公園での交流の機会が増えれば、世代を超えたコミュニティもでき、家庭や学校、職場とは異なる居場所ができます。そうすれば、みなさんで新しい活動を行うこともできますよね。そのためのステップの一つとして、現在試行中である『新しい公園のルール』をまずは本採用することが大事かなと考えています」

◆公園をめぐる、子育て世帯と高齢者の“対立”にストップを

――利用者にとっても、活動の場所が増えていきますね。

大場「そのためにはいろんな手段があると思います。杉並区が今行っていることが正解というわけではないので、そこは試行錯誤しながらすすめていきたいです。

また、SNSで公園での禁止事項が話題になると、“高齢者が子どもにルールを強要しているという”ニュアンスで反応されることが多々あります。実際、新しい公園のルールを試行した際、私たちのところにも『高齢者ではなく、子どもの立場になって考えてくれてありがとう』というお声をたくさんいただきました。

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