朝ドラ『虎に翼』“退場済みなのに”どんどん存在感を増していた35歳俳優。絵を見るたびに
女子SPA! / 2024年10月3日 8時46分
花岡の場合のキャラクター設定とは、まさに「法がそうなっているから」。その性格に忠実である様は、明らかに遺伝子が指示してヤミ米を食べないかのようだ。もし食べたらその人がその人ではなくなる。だったら余計食べない。
花岡悟という極めてアメリカ映画的なキャラクターは、古典的ハリウッド映画俳優のようにまったく無駄がない演技をする岩田剛典が演じるから、なおさらに意味があったように思う。
◆花岡らしい美しい身振り
花岡の頑なさは、食べないこと以外にも指摘できる。明律大学時代の彼が、女子部からあがってきた寅子たちを蔑視の眼差しで見つめる第3週第15回の初登場の瞬間から顕著だった。
うわべは紳士的でありながら、その実とんでもない女性蔑視をする、頑なな男性中心主義者。第4週第18回、学友たちとのハイキングで、口論になった寅子にこづかれ、崖から落下する衝撃の場面がある。両腕を後ろに振り上げているのに、なかなか落下していかない歪(いびつ)な画面は、アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』(1960年)で、探偵が階段から落下する場面のぎこちない動きとよく似ている。
この落ち方について岩田は「マトリックス落ち」と呼んでいる。9月27日の最終回放送に合わせて、Instagramのストーリー上にこの場面の撮影風景を投稿しているくらい、本人にとってはこの場面が花岡役のハイライトだったのだろう。でも筆者はマトリックスではなく、ヒッチコック的な古典落ちだと考えている。
女性蔑視の考え方は寅子との対話の中で次第に変わり、むしろ彼女に恋心を抱くようになる。裁判官の試験に合格(寅子に電話で伝える場面が特に古典的佇まい!)してレストランで祝杯をあげる第7週第32回。二人きりの時間。花岡は地元・佐賀に一緒についてきてほしい。でも寅子にその気配がないことを知る。
もう少しはっきり言えばいいのに。花岡は素直に言えない。でも素直な花岡は花岡ではない。帰り際、寅子に見せた後ろ姿で、右手をあばよとあげるしかない。花岡らしい頑なさの身振りが美しかった。
◆花岡役と符号する表情
まるで自分の性格に忠誠を誓うかのような花岡が、第49回で、ベンチに座って寅子と弁当を食べる場面がある。大学卒業後、それぞれ法曹界で職を得て、彼らはたびたびそうやって外で昼食をともにしていた。
久しぶりの再会。ヤミ米に手を出さずに耐える花岡の弁当は、小さな握り飯とさつま芋ひと欠片だけ。質素極まりない。寅子のほうは、闇市で買ったヤミ米を炊いた白米とつやっとした卵焼き。弁当の中身が全然違う。
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