“中年おじさんが美味しいもの食べるだけ”のドラマがなぜ面白いのか。61歳俳優、最大のヒット作のワケ
女子SPA! / 2024年10月22日 8時45分
◆食前食後のドラマを楽しむ醍醐味
そのあと、ちょっとややこしい顧客との商談(ここではコーヒーを飲む)を終えて、お待ちかねの食事場面となる。本作の最大の見どころがこの食事場面にあることはもちろんだけれど、醍醐味は実はその直前のちょっとしたドラマにあったりする。
その意味で筆者が特に気に入っているのが、Season3の第3話。舞台は静岡県賀茂郡。冒頭、伊豆急行線にゆられる五郎が車窓に広がる海を前にのびのびする。商談場所の最寄りバス停に到着した途端、3連符のリズムを刻む4拍子のピアノとギターの掛け合い爽やかな夏のバラードがバックミュージックとしてかかり、これが格別に気持ちがいい。
あるいは前後して第2話。今度は横浜で町中華に入り、裏メニューであるニンニクましましの麺料理パタンを食べる。がっつり系油麺を平らげた五郎の満腹の表情を見て、あぁこれはタバコ吸いたくなるよなぁと思ったら、「あのタバコ吸ってもいいですか?」と店員に聞く。煙をくゆらせ、店内での一服を楽しむ。食事場面あるいは食前場面より、むしろ食後の余韻が引き立つ神回だった。
という具合に食前食後のドラマを楽しむ醍醐味が、今回の特別編『それぞれの孤独のグルメ』ではリニューアル的にドラマ要素が拡張されている。
しかも第1話で立ち寄る店は町中華。目配せがきいてる。店主役が爆笑問題の太田光。食事場面の前、この店主と五郎がたまたま川で石切に興じるエピソードがある。何だかほっこりする食前場面。『孤独のグルメ』を見る醍醐味が凝縮されている。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
松重豊“井之頭五郎”がこども食堂をお手伝い 『それぞれの孤独のグルメ』平田満&斎藤汰鷹がゲスト主人公に
ORICON NEWS / 2024年11月2日 1時0分
-
持ち味薄れた?「孤独のグルメ」特別編への違和感 マンネリこそが持ち味のドラマだったが…
東洋経済オンライン / 2024年10月29日 13時0分
-
ももクロ・玉井詩織が『それぞれの孤独のグルメ』に、至福のサウナ飯でととのう新人熱波師を演じる
エンタメNEXT / 2024年10月26日 1時0分
-
玉井詩織、新人熱波師役で『それぞれの孤独のグルメ』ゲスト主人公に 松重豊“井之頭五郎”にも熱波送る
ORICON NEWS / 2024年10月26日 1時0分
-
松重豊以外も食べる! テレ東「それぞれの孤独のグルメ」に賛否両論…映画化区切りに“五郎さん引退説”も
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月24日 9時26分
ランキング
-
1「成田凌に失礼すぎる」大谷翔平MVP速報『あさイチ』トーク中断に大ブーイング
週刊女性PRIME / 2024年11月22日 11時26分
-
2元KAT-TUN・田口淳之介がホストデビュー 福岡・中洲での「出勤」にファン困惑「安売りするなと言いたい」
J-CASTニュース / 2024年11月22日 15時0分
-
3“うたのお姉さん”のだこころ「いい夫婦の日」に結婚を発表 お相手は「別の業界でお仕事をされている方」
スポニチアネックス / 2024年11月22日 14時43分
-
4今年も紅白出場ゼロ、STARTO社に足元見られたNHK…“揺さぶり”はジャニーズの常套手段
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月22日 12時3分
-
5桂雀々さん急死 早すぎる64歳 波瀾万丈の生きざまを笑いに 「上方落語の爆笑王」TVやドラマでも活躍
スポニチアネックス / 2024年11月22日 1時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください