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仮想通貨サギの被害で孤立した女性の“てん末”「目覚め」を説く人気カウンセラーを信じ行き着いた果て

女子SPA! / 2024年10月23日 15時45分

満たされない不満を「ディープステート(闇の政府)」などの仮想敵にぶつける、陰謀論者の心理にもよく似ているように思える。

そうして真希さんは熱心に関連書籍を読んだり、占いに通ったり、ネットで情報をあさったりと、スピリチュアルの世界へ没入していった。

当時ハマっていたものは、幅広い。龍神、宇宙存在からのメッセージ、波動を上げる方法、引き寄せの法則、宇宙銀行、スターシード、風水、神社参拝にトイレ掃除……手あたり次第、という印象である(それぞれの説明はここではしないので、ご興味ある方は検索してほしい)。

◆目醒の扉が閉じちゃう!

2018年、そのようにスピリチュアル情報を彷徨(さまよ)うなか、ネット上で注目を集めていたスピリチュアルカウンセラーA氏のこんな言説が、真希さんのツボを射貫いた。「目醒め」という概念だ。

その言説の一部を紹介しよう。

・人類はいま、急激に次の次元へ移行している。それは大いなる宇宙の意思による、進化である。しかしその世界へ行けるのは「目醒めた人」のみ。

・目醒めにはタイムリミットがある。2021年のとある節目に、目醒めの扉は閉じられるので、直前である今が最終チャンス。

・扉が閉じたあと、目醒めることができた人は、幸せな世界を生きることができる。

◆煽られ、選択を迫られる

筆者も試しに、その人物の本を読んでみた。このあたりが真希さんの心をくすぐったのかと想像できる部分は次のような内容だ。

・目醒めの準備に入っている人は、目を醒ますためにみずから困難を作り出し、可能性を引き出そうとする。

・光が強くなるぶん、闇もまた濃くなるからだ。それは好転反応なようなもの。困難を乗り切ることはデトックスのようなもの。光の世界に行くための変えるチャンスなのだ。

つらい出来事をポジティブに変換してくれそうな言葉がたくさん載っていた。A氏のYouTubeも見てみると、年齢不詳で柔らかな物腰の人物であった。静かに淡々と不思議な世界を語る姿が、どことなくミステリアスだ。

真希さんは、次のようにふり返る。

「2021年のタイムリミットまでに目醒めを選んだ人は天国のような人生を送り、目醒められず眠りを選んだ人は地獄のような人生を送る。そして、その選択は今後の人生において覆ることがない。となれば、自分も目醒めの世界に行きたい。それしか考えられくなっていきました」

もう二度と、苦痛を味わいたくない。今後の幸せを、約束されたい。そうした思いが強まっていき、仕掛け人であるスピリチュアルカウンセラーA氏の世界観にどっぷり浸っていった。

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