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母がマルチ商法で買ったサプリを姉がこっそり捨てたら引っぱたいた…「うちはおかしいのかも」マルチ2世の苦悩とは

女子SPA! / 2024年12月4日 8時45分

クリニック待合室の椅子に座る3人。さらに周りには、会員らしき人たち数名が横並びに座っていた。そして頭上のモニターで、マルチ商法を紹介する動画が流れてくるのを視聴する時間。権利収入がいかに大切で、マルチ商法で財産を築くことができる!という内容だった。

「あーこういう感じなのか……と思うと同時に、気持ちわるっ!となりましたね。動画を視聴したあとは、Aさんのプレゼンタイムにつづいて、ひとりずつ感想や夢を語らせられる時間となりました。その後強引に会員にならされるなどはありませんでしたが。

ちなみに、A夫妻の家の近くに偶然知人がいるのですが、その近所ではA夫婦を中心としたコミュニティは、マルチ村と呼ばれているそうです」

◆息子の友人、妻もターゲット

それ以外でも、母は隙あらばライオさんの周辺に目をつける。大学時代は、友人を実家に誘うよう呼びかけられた。目的が見え見えなので、当然断る。

結婚した際も、妻とは連絡先を交換させなかった。

「『料理習いに来ない?』とか言って、妻を誘うのがもう目に浮かびますよ。それって間違いなく、勧誘までがワンセットですからね。母から妻には、必ず自分を通して連絡してもらうようにしています」

誘われても、失礼のないよう断ればいいだけでは?と思う人もいるだろうか。そうはいかないのが、マルチ沼。

単なるものの売買と異なり、断ったが最後、勧誘者は自分の存在を否定されたかのようにとらえ、敵認定してくるケースが多々報告されている。極端な白黒思考である。

「母は、父方の祖父母ともそれで険悪になってるんです。僕が物心ついたときから、母は祖父母の悪口を言っていた印象があるんですが、かつては良好な関係を築いていたそうです。

ところがあるとき、母がマルチの空気清浄器をすすめ、祖父母がそれを断った。そこから、急に毛嫌いするようになったようです。しかし当時はそんなこと知る由もありませんでした」

ライオさんの学生時代、やはりマルチがきっかけで両親は離婚した。

「父が無職になった時期があり、母が一緒に活動しようと連れまわしたんですよね。でも父はハマらず、そこから修復不可能になり、離婚となりました」

ライオさんの母には金銭トラブルもあり(これはまた次の回であらためて)、現在は母と一定の距離を保った付き合いを死守している。

◆わが子の人生は、二の次

「それでもちょくちょくLINEが届きますが、3回に1回はマルチの話。栄養は大事だ、という動画のシェアや、マルチ仲間のグループLINEで共有されたであろう、よくわからない格言みたいなものも転送されてきます」

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