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斎藤工の色気は健在!『昼顔』から10年『海に眠るダイヤモンド』での“色気の自家発電力”がすごい

女子SPA! / 2024年12月15日 15時47分

庵野秀明脚本、樋口真嗣監督の「シン・ウルトラマン」でウルトラマン役として主演したり、その流れで庵野監督の「シン・仮面ライダー」にも重要な役で出たり、この数年、女性客以外にも彼の魅力に気づいた人も増えたのではないだろうか。コロナ禍では、ミニシアターを救う活動も積極的に行い、自身が監督する映画では、子どもを持ったスタッフのための託児スペースを設けるなど、映画と社会の関わりにも目を向けている。

「海に眠るダイヤモンド」は先述のリナとの場面で、久しぶりの恋愛パート要員としての登板という印象を感じさせたが、斎藤には十代の頃、沢木耕太郎の「深夜特急」に憧れてバックパッカーとして海外を放浪するような、骨太でロマンチストな面があるので(23年にはラジオドラマ「深夜特急」で沢木耕太郎役をやった)、「海に眠るダイヤモンド」の進平のような、戦争帰りの影のある、かつ、女性を引き付ける色気あふれる人物というのはドハマリだった。

自然にダダ漏れなのか、すごく頑張って演じているのかよくわからないが、色気の自家発電力は相当のものである。

◆色気だけでなく、生命力の輝きを演じて見せた斎藤工

「海に眠る~」の番宣で出た「Astudio」(TBS系)で「中年になってから伸びしろないし」という斎藤特有の自虐的な発言をしていたが、伸びしろ、十分あると思う。

少なくとも色気の伸びしろを見せつけてくれた。いや、それだけではない。

この10年やってきたいろいろな役や体験が総動員されて、戦後、炭鉱員として生きてきた人物の様々な面を感じさせるいい演技をしていると思う。

リナと子どもを作り、幸福な生活をおくっていた進平が炭鉱事故で取り残され、酸素不足から幻覚を見る。亡くなった栄子の幻に、死の淵(ふち)に足を踏み入れそうになるも、リナと子どものことを思って生の世界に戻ろうとする。そんな生と死の間(はざま)を行き来する姿は見る者の心をざわつかせた。

恋愛パート要員ではなく、斎藤工は、戦争や自然災害で、大切なものを奪われながら、それでも生きていこうとする生命力の輝きを演じて見せたのである。

◆プロデュースしたドキュメンタリー映画での感受性

そんな斎藤工が、齋藤工名義でプロデュースしているドキュメンタリー映画「大きな家」(竹林亮監督)が公開中だ。これは、児童擁護施設の子どもたちの姿を丁寧に撮ったものだ。

映画の公式サイトで斎藤は「約4年前に1日限りのイベントのスタッフとして訪れたとある児童養護施設の子が、帰り際に何とも言えない表情で私達大人を見ていました。『貴方もまた、もう二度と来ない大人なんだね』とでも言わんばかりのその目が忘れられず、時折、個人的に施設にお邪魔していました」と語っていて、それをきっかけに映画が生まれた。

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