職場いじめで引きこもりになった37歳女性。廃人寸前で救いの手が…/びっくり体験人気記事BEST
女子SPA! / 2024年12月13日 15時45分
「いま思えば軽いうつ状態だったと思うので、提案通り心療内科に行くべきだったのでしょうが、見た目的にも気持ち的にも外に出る気になれなくて。当然、再就職活動する気にもなれなくて、なけなしの貯金を切り崩しての引きこもり生活が始まりました」
引きこもりなので服飾費や交際費はかかりませんが、問題は食費。料理に手をかける気力も失っていた安西さんが食費節約のために取った方法は、“安売り商品の大量買い”でした。
「重宝したのは業務スーパーの1kg600円ぐらいの冷凍から揚げと、近所のスーパーでたまに59円で特売されるハンバーガー。どちらも冷凍庫にブチ込んでおいて食べたいときにレンジでチンするだけだからラクだし、油っぽいからアラフォーには腹持ちも抜群なんですよ。最初はご飯にふりかけ、もやし炒めなどを食べていましたが、すぐにお腹がすくし面倒で……。野菜不足が気になるときはもやしをチンしてポン酢をかけ、その上にから揚げを乗せるというめちゃくちゃなメニューを食べてましたね」
そんな食生活で体調や薄毛が回復するわけもなく、気持ちもどんどん後ろ向きに。
「お金もないし美容にかける気力もないので、ヘアケア用品もスキンケア用品ももっぱら100均。全身キシキシしてる感じで潤いがなく、でもどうでもよくて、『このまま廃人になるかも』とまで考え始めてました」
そんなある日のこと、マンションに突然母親がやってきたとか。
「私は自分のこのヤバい状況を地元の親友にしか話していなかったのですが、その親友が『マジでヤバい』と心配して私の母に相談してくれたそうで……。実家は都心から1時間ほどですが、近所に兄夫婦が住んでいるので両親は孫の世話で忙しいし、出戻りは気まずいし、帰ることはあきらめていたんです。でも、『いったん帰っておいで』と言われ、疲れきっていたしありがたく帰ることにしました」
貯金残高を気にしなくていい安堵感と母親の手料理により、心身ともに徐々に回復していったという安西さん。
「兄夫婦にとってはやっかいな存在だったかもしれませんが、本当に助かりましたね。いまは派遣として社会復帰し、実家近くで一人暮らしも始めました。毛もすっかり生えそろったし、あとは婚活がんばるのみです(笑)」
「もし実家という“命綱”がなかったら……」と考えると恐ろしい安西さんのケース。何が起こるかわからないこの世の中、親は大切にしたいものです。
<文/鈴木うみこ イラスト/真船佳奈>
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