「実写化だけはやめて」「コスプレ感」の声もあったが…『推しの子』実写化への評価が“絶賛”に転じたワケ
女子SPA! / 2024年12月17日 8時46分
さらに、最初に解禁されたキャラクタービジュアルとは違い、実際の本編ではコスプレ感を覚えるところはほとんどなかった。
WEBサイト「ドラマ&映画【推しの子】Behind The Scene」掲載の井元隆佑プロデューサーへのインタビューでは、「ウィッグの着用ではなく、皆さんに地毛を染めてもらうこと」を早々に方針として出して、「世界観を守りつつ、現実にいてもおかしくないキャラクタービジュアルを目指し何度も髪色や髪型、衣装においても協議を重ねながら取り組んだ」ことなどが語られている。
原作漫画は作画担当の横槍メンゴによるかわいらしい絵柄とキャラクターも含めて人気を得ており、だからこその生身の人間が演じる実写化はやはり分が悪かったといえる。それを覆すかのように、キャストの奮闘はもちろん、メイクや衣装や小道具など、実写というアプローチに合わせたビジュアルにこだわり尽くしたことも、間違いなく高評価の理由だろう。
なお監督のスミスはマキシマム ザ ホルモンやフレデリックのミュージックビデオや、漫画の実写ドラマ化作品では『ぼくは麻理のなか』や『ケンシロウによろしく』での実績もある。そのケレン味のある演出や、映像そのものの美しさに魅了された。
◆二宮和也がラスボスを演じる説得力
さらに、キャスティングそのものが絶賛されたのは、12月5日に7~8話の配信スタートと共にSNSでも発表された二宮和也だ。二宮が演じるラスボス的な役回りの「カミキヒカル」は、実写ドラマ版での登場シーンはまだごくわずかではあったが、その少ないセリフからも原作にあったサイコパス性が醸し出されており、本格的に物語に割り込んでくるであろう実写映画版への期待を高めることができる。
また、主人公の2人である「星野アクア」役の櫻井海音と「星野ルビー」役の齊藤なぎさもまた、役にピッタリなキャスティングおよび演技が称賛されており、2人ともがなるほど「齋藤飛鳥と二宮和也の子ども」に見えるほどのルックスの美しさと、絶対的なアイドルの資質を感じさせる様は、もはや奇跡的にも思えた。
◆新たな驚きと感動のあるアレンジも
脚本に原作者の意向が反映されていることも重要だ。井元プロデューサーによると、赤坂アカは脚本開発をはじめ、さまざまなタイミングで意見を言い、時にはメタフィクション的な表現を面白がって、自身からさかんにアイデアを出していたそうだ。前述した原作で問われた「原作改変」を、実写ドラマという媒体で示すことで、むしろ真正面から向き合うという構図もある。
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