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子どもの奨学金を使い込んだ母。家族をバラバラにした元凶は?

女子SPA! / 2024年12月25日 15時44分

トップクラスの販売員が大スターのように歓声を浴びながら、成功に至った華やかなストーリーや、涙を誘う苦労話を展開するのがお約束の大集会である。

◆驚くべき行動力

自分もそのポジションを目指したい! こんなに仲間がいる! と奮起させられる会員たちの姿が目に浮かぶ。

「そして、マルチ商法でよくある“夢リスト”です。それで母は、『自分の両親と暮らすための、夢の二世帯住宅』を思い描くようになりました」

夢リストとは、活動のモチベーションを維持して、やる気を一層高めるために、夢や願望を書き出させるというワークである。

目標が明確になったライオさん母は、さっそくリストに書いたことを実行に移し、二世帯住宅を建てた。

そして、そのローン返済のために借金を背負うことになった。

◆マルチでは稼げない現実

本人が思い描くプランでは、よりマルチ商法に熱を入れ、しっかり稼ぎ、ローンの返済をするつもりだったのだろう。しかしそれはあくまで“予定”であり、無謀な計画でもあった。

「母は販売員活動のほかにも仕事を持っていましたが、家のローンに加えて、安くはない商品の継続購入。とても出費に見合う収入ではありませんでした。

そうしているうちにタイミング悪く、父の会社が倒産しました。父をマルチ活動に引き入れようと連れまわした結果、離婚。家計が破綻していきました」

ローン返済のために、しわ寄せがライオさん兄弟へと行くようになったという。

当時ライオさんは大学生。教科書などの大きな買い物が発生すると、「お父さんに払ってもらうから金額を教えて」と、母から指示が飛ぶ。

その代金が振り込まれると、すぐに母が引き出し、返済にあてるという流れができていた。

◆兄と弟が負担した総額は

「まるで自分が、金の仲介役になったかのような気持ちでしたね。僕らのお年玉や奨学金の一部も、ローンの返済に消えています。

当時兄はすでに社会人で、母に毎月7万円の送金をしていました。僕も大学を卒業してからは、たびたび母に無心されるようになり、言われるたびに10万円を送っていました」

そのときライオさんはすでに家を出ていたので、「金で母と直接のかかわりを避けられるなら」という気持ちからである。

なお、姉は子ども(母にとっての孫)を巻き込んだトラブルにより、母と絶縁している。

◆結婚を機に、考え直す

「しかしその送金も、僕の結婚によってむずかしくなりました。自分の収入は、家族の共有財産ですからね。妻にも、おかしさを指摘されました。

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