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秋ドラマの名演俳優ベスト5。“モラハラ夫”田中圭の振り幅も凄いけど、鬼気迫る演技に震えたNo.1女優は

女子SPA! / 2024年12月22日 15時47分

ミステリアスな雰囲気を醸し出していたかと思えば、過去に怯えたり、少女のように恋をしたりと、彼女の人生は目まぐるしく動いていきます。そんな激動の人生を懸命に生きる姿には、同じ女性として共感してしまいます。リナの幸せを願わずにはいられないのは、池田の演技力あってこそ。

池田は今年NHK BSで放送されたドラマ『舟を編む ~私、辞書つくります』では、主演を務めていました。本作は三浦しをんの大ベストセラー小説『舟を編む』の連続ドラマ化作品で、誇りと情熱をもって辞書作りに邁進していく主人公・みどりの演技も素晴らしかったです。

◆田中圭/『わたしの宝物』

触れずにはいられないのは、「托卵」をテーマにヒリヒリした展開がずっと続いていたドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)の田中圭。主人公・美羽(松本若菜)が不倫で身ごもった子どもを、そうとは知らないまま自分の子として育てる夫・宏樹を演じました。

もちろん田中圭がいい俳優であることは周知の事実ですが、本作では特に、目まぐるしい感情の振れ幅をひとりの役で表現する力が圧倒的。第1話はすんごいダメなモラハラ夫(筆者個人的には、好きな田中圭)で、妻の妊娠を知った2話でも「父親の役目はできない」と言い放ち育児しない宣言をしたのに、同話のラストでは娘・栞の誕生に感動して号泣。DNA鑑定で栞が自分の子ではないと分かれば、茫然自失で海に入るし。

結局、残念な夫だったのは第1話だけ。実に解像度の高いサレ夫を見せてくれました。このドラマでは宏樹以外のみんながあまりに自由だし、勝手だし……決して清廉潔白ではないけれど、個人的には「もはや田中圭にしか感情移入できない状態」でした。

◆安達祐実/『3000万』

そして今クール一番の熱演で視聴者を魅了したのは、NHK土曜ドラマ『3000万』の主人公を演じた安達祐実ではないでしょうか。1994年、1995年のドラマ『家なき子』(日本テレビ系)の「同情するなら金をくれ!」から30年、今度は3000万円をめぐるクライムサスペンスで、“ごく普通の主婦”を演じました。

家のローンや子どもの教育費でお金の心配が尽きない、安達祐実演じる妻・祐子と、夫の義光(青木崇高)が、交通事故の相手がもっていた3000万円をネコババしたことから物語は幕を開けます。

普通の夫婦が、目の前の大金に翻弄されて泥沼に引きずり込まれていく様子には最初から最後までハラハラさせられ、見応えのある作品でした。追い込まれていく恐怖や興奮、怒りや焦りなど感情の乱高下が著しかった主人公を、凄まじいリアリティで演じ切った安達。鬼気迫る彼女の表情が、人間の欲を何よりも象徴していました。

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この秋クールのドラマが良作ばかりだったのは、俳優陣の演技があってこそ! 最終回まで、楽しませてくれそうです。

<文/鈴木まこと>

【鈴木まこと】
雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201

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