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「上の人を呼んでよッ!」図々しすぎるクレーマーを黙らせた“まさかの人物”/2024人気記事top5

女子SPA! / 2024年12月22日 15時45分

「はっきり言って、結構迷惑なんですよね。でも、トラブルを避けたい雇われ店長は、開店前の店内で待たせてしまったのです。するとSさんは、当然のように準備中でもやってくるようになりました。それだけではありません。日に日に態度も要求も大きくなっていきました」

◆ほぼ食べ終えてるのに「肉が硬くて食べられない」

 ほとんど料理を食べ終えているにもかかわらず、「肉が硬くて食べられない。ほかの料理に交換してほしい」など、驚くような要求をしてくることが増えたのです。物腰がやわらかいのでオブラートに包まれてはいましたが、それはまるで陰湿なイジメのようでした。

「私がSさんについて相談しても、店長の反応は、いまひとつ。それなのに、『そっちでどうにか解決して』というような雰囲気を醸し出してくるのです。仕方なく、Sさんから料理についてクレームがあったとき、『もうこれ以上の要求はのめない』と、丁寧に断りました」

 すると、Sさんは豹変。「上の人を呼んで」「その態度の悪さも謝罪させてやる」と、人が変わったように冷たい声で言い放ちます。思わず、「どうしよう」と固まってしまった春奈さん。そのとき、事情を知っていたスタッフのひとりがスタスタとテーブルに近づいてきました。

◆普段は癒し系の女性店員が豹変!?

「そのスタッフは普段、ほのぼのとした雰囲気を身にまとった癒し系女子。アイドルのような彼女が次の瞬間、ものすごい形相でSさんを睨みつけ、声を潜めて『あっ? なんや脅しとるんか? ん?』と関西弁で捲し立てたのです」

 Sさんは、そのスタッフをきれいに二度見。そのまましばらくは唖然としていましたが、コホンッ……と小さく咳払いをし、「……ぁあ……っつ……、もう、いいわ……」と言うと席を立ち、レジでお金を支払って帰っていきました。

「この一件でSさんは店に来なくなり、いまは平穏な日々が続いています。また、Sさんに関西弁で迫ったスタッフは、女優を目指して頑張っていたが今後どうするか悩んでいたらしく、今回の件で自分の演技に自信がついたそうです」

 春奈さんは「今回は丸く収まってよかった」と言いつつ、「口調や態度が悪く恫喝まがいの人や因縁をつけて謝罪を求めてくるような人もいます」とも続けます。サービス業界で働く人たちが笑顔で気持ちよく働けるよう、私たちも自分の言動に気をつけたいものですね。

<文/山内良子 イラスト/ただりえこ>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。

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