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35歳のLDH俳優が“奥行きある”演技に到達したといえるワケ。「洗面所でのバックハグ」シーンもいい

女子SPA! / 2025年1月19日 15時46分

35歳のLDH俳優が“奥行きある”演技に到達したといえるワケ。「洗面所でのバックハグ」シーンもいい

岩田剛典instagramより

 岩田剛典が比嘉愛未と初共演、W主演のドラマ『フォレスト』(朝日放送)が、毎週日曜日よる10時15分から放送されている。画面(映像)、音ともに主演の岩田を実にこまやかに際立たせている。

 岩田は大きな謎を潜ませた役柄を演じ、登場人物たちの間でひそかに共有される「嘘」が、全編をスリリングに展開させる。その間、ひとつひとつの画面を点検するごとに、これまでの岩田剛典出演作が連動するように思う。

 LDH俳優をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、“フレーム内フレームの人”として奥行きがある本作の岩田剛典を解説する。

◆煙が少ない演出意図

『フォレスト』第1話冒頭、商店街を歩く幾島楓(比嘉愛未)が、焼き鳥の屋台に立ち寄る場面がある。何本も串が並んでじゅうじゅう音をならしている。でもどうもこの焼き鳥、あまり煙が立たないらしい。

 実際の撮影現場では、火をいれていないからなのか、よくわからないのだけれど、いずれにしろ、すぐあとの場面を見ると、煙が少ない演出意図がはっきりする。

 楓の帰りを待っている人がいる。クリーニング店「小林ランドリー」を営む店主・一ノ瀬純(岩田剛典)である。店内でアイロンをかけている彼をカメラが捉える。手元から蒸気が上がる。何度も上がる。この蒸気を際立たせるためのコントラストとして、上述した少ない煙のこまやかな演出が意図されていたのではないかと思う。

◆窓枠に縁取られる岩田剛典

 純が作る手料理が並んだ食卓を囲む楓は幸せそうである。楓の「ずっとこんな日が続くと思ってた」というモノローグに対して、純は「ずっとこんな日が続くはずないと思っていた」と意味深。アイロンを操る手元から上がった蒸気は、純の顔にフォッグフィルターをかけているようだった。

 純はその存在自体が、霧につつまれた謎の人物。大きな秘密をもった彼の役柄を映像的に説明していたのである。蒸気が画面上に充満しようというところで、楓が帰ってくる。作業場のすぐ目の前の窓を開く。

 霧のような蒸気はどこへ。基本的にさわやかハンサムなクリーニング店主である純の屈託ない表情が写る。カメラは窓が開いて閉まる外、楓が立っている側にある。窓枠に縁取られる岩田剛典……。

◆『あなたがしてくれなくても』との共通点

 主演ドラマとはいえ、こうも冒頭場面からいかにも岩田剛典的なワンショットが描かれるとは思わなかった。岩田が演じる役は、これまでの出演作品間であたかも連動しあうのが当たり前といった感じで類似することが多い。

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