年金はどんどん減らされる! 老後破産しないためにできることは「死ぬまで働く」

週刊女性PRIME / 2019年5月2日 14時0分

※写真はイメージです

 少子高齢化は日本経済を衰退させるだけではない。年金財政も悪化させる。現役世代が支払う保険料で今のシニア世代を支えるという仕組みのため、少子化が進めば進むほど、年金制度の維持が難しくなるからだ。

年金が満額もらえなくなる可能性も

「現在、国民年金の場合は、満額でも6万4941円。平均では5万5000円ぐらいです。サラリーマンや公務員は、これに厚生年金がプラスされます。受給額は給与の額と加入期間によって変わりますが、総務省の調査では、夫婦2人で平均22万円といわれています。

 ところが25年後には、受給額が今より2割減になる、という試算が厚生労働省から出ています。いまの40代以下の人たちが年金をもらうころが心配です

 こう教えてくれたのは、経済ジャーナリストの荻原博子さんだ。

「さらに、年金の支給開始年齢を68歳に引き上げるおそれがあるうえ、満額もらえなくなる可能性もあります。『マクロ経済スライド』と、2016年に成立した“年金カット法案”(年金制度改革関連法案)の影響です」(荻原さん、以下同)

 年金の支給額を抑制するマクロ経済スライドは“(年金は)100年安心”の美名のもと、2004年に決定したもの。

 加えて、この仕組みを強化するため、2021年に施行される年金カット法案では、年金の支給額を賃金変動と物価変動の低いほうに合わせるように変えられる。年金の自動カット装置が仕掛けられたのだ。

「これらによって今後、国民年金なら年およそ4万円、厚生年金ならば14万2000円も減らされる可能性があるといわれています」

 それでも今、年金を受給している人ならば、それほど心配する必要はない。

「生活費を22万円必要としていた人も、年をとればとるほど食費などの負担は少なくなります。介護の不安も、寝たきりで『要介護5』になったとしても介護保険制度がありますから、月3万6000円の負担でOK。65歳以上の住民税非課税世帯ならば、支払い上限はさらに下がって2万4600円です」

老後も働くことがオススメ

 年金が目減りしていく将来に、われわれはどう備えればいいのだろうか?

「いちばん大切なのは借金をなくすこと。そしてしっかりと貯金することです。経済的知識の乏しい庶民が、投資はしてはいけません。老後の資金対策として、銀行や郵便局ですすめる投資信託の46%が“損”をしていると、金融庁が昨年3月に報告しています。あれから株価は相当下がっていますから、現在はもっとひどい状況でしょう」

 もし年金を増やしたければ、自営業の人なら付加年金に加入しよう。これは国民年金保険料に月400円をプラスして納めるというもので、10年間支払うと年2万4000円の加算額を死ぬまでもらえる。年金受給後、わずか2年で払った金額を回収できる計算なのでかなりお得だ。

「もし仕事を続けていくのならば、65歳以降に年金を受け取る“繰り下げ受給”を。1か月遅くするごとに0・7%が加算されます。上限の70歳まで繰り下げした場合、総受給額の損益分岐点は81歳。つまり81歳以降まで生きればお得ということです」

 だが、これらの取り組みより、老後の資金作りにもっとおすすめしたいことがある、と荻原さん。それは“老後も働く”ことだ。大和ネクスト銀行の調査によると、働くシニアの手取り額は月収5万~10万円未満が23・8%と最多。少ないとはいえ年金と合わせれば、生活に余裕が生まれる。

「働くことの魅力はお金だけではないんです。人間関係も生まれ、社会とつながっていられる。自由なお金があればイキイキと余裕を持っていられます。なにも、がむしゃらに働く必要はありません。時給700〜800円台の仕事でも十分でしょう」

 老後の職場としておすすめなのは、介護施設。多くの高齢者がお世話になるところだが、施設のよしあしは外見だけではわからない。事前に働けば実際の様子が見えてくるし、さまざまな情報が得られ、そこで働く人たちの本音や人柄もわかってくるからだ。

 シニアが働くうえで、気をつけたいことがある。

「夫が60歳以降も嘱託などで会社に残り、働く予定という奥さまもいるでしょう。その場合は要注意。年金と給料の合計が月28万円を超えると、65歳以前でも受け取れる厚生年金の一部がカットされてしまうのですが、実は、これを避ける裏ワザがあります。働く時間を正社員の4分の3未満にとどめてください。正社員からはずれて、社会保険に加入しないことです

 ただし、この在職老齢年金の廃止を国が検討中という報道も。今後も年金制度の変化には注意が必要だ。


《PROFILE》
荻原博子さん ◎経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。“家庭経済のパイオニア”として活躍。著書に『年金だけでも暮らせます』など

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