82歳の男が71歳男性を撲殺、隣同士に住む “残された妻たち” の居づらさ

週刊女性PRIME / 2019年4月25日 17時0分

被害者の男性は発見時、側溝にうつぶせの状態ではまっていた

たまたま現場を通りかかった通行人の方が”バットで人を殴っている人がいて、頭から血を流している人がいるから早く来てほしい”と110番通報があった。4月12日午前11時42分のことです」

 と捜査関係者。警察官が現場に駆けつけ、通報者に事情を聞いたところ、「この家に入りました」と容疑者宅を指さしたという。

隣人撲殺事件

警察官が自宅に入ると、犯人は玄関内で座っていて、近くに血のついた金属バットが置かれていたため、“あなたがやったのか”と聞いたところ“私がやりました”と認めた。パトカーに乗せてそこで現行犯逮捕となった」(前出・捜査関係者)

 犯行現場は、大阪市茨木市の住宅地の路上。前出・捜査関係者が続ける。

「被害者は側溝にうつぶせではまっているような状態だった。いちばん激しく傷ついていたのは後頭部。後ろから殴ったようだ。うつぶせに倒れた状態で、なおも何度も殴ったとみられている」

 と詳細を明かす。殴り方には、かなりの恨み、怨念がみてとれる。

 白昼堂々の犯行で、最初から逃げる気はなく、ただ殺すためだけに家から持ち出した金属バットを振り回し、ことを成し遂げた事件。

 大阪府警茨木署は同日、被害者の無職・辻本義則さん(71)宅の隣に住む無職・中尾博行容疑者(82)を殺人未遂の疑いで逮捕した。その後、搬送先の病院で、辻本さんの死亡が確認された。

 両家は隣人同士で、坂道の上側に辻本さん、下側に中尾容疑者に住んでいた。辻本さんの隣に今から約20年前、中尾容疑者が引っ越してきたことが、事件のとば口だ。

 近隣の男性住民は、

「大きなトラブルとかは聞いたことないですね。だからびっくりしました」

 と帰宅した際に張られていた規制線を見た途端、異様な空気を察知したという。

 中尾容疑者と家族ぐるみで付き合いがあった男性は、容疑者が今年2月下旬、警察に相談したことを聞いていたという。

「はっきりした内容はわかりませんが、(相談したことは)知ってはいます。

 あそこの家の前は坂道になっているでしょう。だから洗車をすれば水は中尾さん宅側に流れるし、中尾さんの家の前というか路上の反対側がゴミ置き場になっていて、そこでのゴミの出し方とかで長年積もったものが爆発したんじゃないんですかね」

 前出・捜査関係者は、警察に相談があったことを認めたうえで、

落ち葉が家の前にたまっているのはアイツのせいに違いないとか、土ぼこりがかかったのもアイツのせいだとか、明確な被害根拠を示さない相談内容だった。なぜそう思うのか聞いてみると、“それはもう間違いないんですから”と言うばかりでかみ合わない。

 ご近所さんに相談することをすすめたが、金属バットで相手を襲うまでのトラブルが起きていたかというと、それはどうなのかなという感じ。警察が仲裁に入るまでのもめごとまでいっていなかったと認識している」

隣同士に住む、残された妻たち

 だが、中尾容疑者の中ではおさまらなかった。相手に原因があると思い込んだトラブルの不愉快さは日に日に膨れ上がり、やがて問題解決のために、怒りの感情を爆発させてしまう。

 古くから住む女性は、

「もうショックで何もお話しすることはできません。(事件を起こすような)そんな人ではありませんでしたよ」

 と気の毒そうな表情を見せる。前出の家族ぐるみで付き合いのあった男性は、

「中尾さん(容疑者)はまじめでおとなしい人でした。滋賀県出身で、夫婦も結婚50周年の金婚式で、近所の方とお祝いしていましたよ。人から憎まれるような人ではないんですけどね。普段の様子からすると、彼がこのようなことをしたということは信じられないですね」

 と、がっかり肩を落とす。

 中尾容疑者は、警察の取り調べで辻本さんについて「嫌いだった」と供述しているというが、殺意を抱くまでに至った心理状況は、まだ明らかになっていない。

 82歳の高齢の男が金属バットを振り回し、71歳の隣家の男性を撲殺した。それぞれの家には今も、残された妻が、かたや遺族として、かたや加害者の家族として暮らす。

 辻本さんの妻は、

「葬式が終わったところなので、取材にお答えできる余裕はありません」

 一方、中尾容疑者の妻は、

「何もお答えできません」

 と言うだけだった。

 隣同士を覆う気まずい空気が、「治安がいいということで住み始めました」(近隣主婦)という住民が多いその地域一帯を、重たく包んでいる。

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