普通の青果店に大行列? OLたちが並んでも買いたい「八百屋さんのお弁当」 

週刊女性PRIME / 2019年5月24日 11時0分

10種類以上の豊富なお弁当は、いずれも野菜の主張が強い。値段も500円台~と手ごろ(一部店舗は平日のみの販売)

 市販のお弁当は安くすむけど高カロリーと野菜不足が……、そんな心配をよそに、首都圏の青果店で販売されている「八百屋さんのお弁当」が人気だ。ヘルシーでおいしい、なおかつリーズナブルな価格で提供できる理由のウラには、産地と都市を結びつける新しい“食農”の形があった──。

八百屋さんに行列ができる理由

今日は何にしようかな……。え~と、これください!

 東京・五反田の一角にある一見、普通の八百屋さん。お昼の12時になると、続々と人が集まりあっという間に大行列ができた。本日、特売日!? 大安売りでもしているのかな、と思いきや、並んでいるのは買い物袋をさげた主婦ではなくOLやサラリーマンばかり。なぜ、これほどまでに八百屋に行列ができているの!?

 実は、彼女たちが求めているのはお弁当。ここ『旬八青果店』は、全国各地でとれた野菜をふんだんに使用し、無添加調理で作ったお弁当やお惣菜を店頭で販売する、いま話題の八百屋なのだ

コンビニや他店舗で売られているお弁当よりも野菜をたくさん食べられるのが魅力。種類も豊富なので、野菜を飽きずに食べられるのもうれしいですね」と笑うのは、近辺で働く30代女性。

 たしかに、並んだお弁当を見ると、「5種の彩り野菜のキーマカレー」「ハモちくわののり弁」「アジのみりん干し弁当」など、名前からして身体にいい響き。口コミやSNSなどで人が人を呼び、今年4月にはメニューが大幅に増え、リニューアル。新メニューの「ほぼ1日分の旬八野菜がとれるエスニックヌードル」は、こんにゃく麺を使用し、1日に必要な野菜量約350gを摂取できるなど、野菜不足の人&ダイエットを目指す人にとっては、まさに“垂涎の的”といえる。

 また、お弁当を購入する人は女性ばかりでなく、冒頭で触れたようにサラリーマンもとても多い。

週2~3回ほど購入しています。ベルトの穴をひとつきつく締めることができるようになりましたし、健康も気になる年ですからね」とは40代男性。加えて「財布にもやさしいので助かっています」と続けるように、お弁当はどれも500円~700円台と、リーズナブルな値段も人気の一因となっているようだ。

低価格を実現する
産地とのWタッグ

“新鮮・おいしい・適正価格”。それが旬八青果店のモットーです。小売りだけでは伝わらない青果の魅力やおいしさを、お弁当、お惣菜という形で届けたかった

 と話すのは、旬八青果店を運営する株式会社アグリゲート代表取締役・左今克憲さん。

 現在、旬八青果店は東京・神奈川に16店舗を展開。もちろん、お弁当だけではなく、全国各地から集められたおいしい野菜を販売している。

 そんな人気を支える“モットー”を可能にする理由について「生産、物流、仕入れ卸、製造、販売まですべてを自社で一気通貫で行っているから」と左今さんは説明する。

 通常、町の八百屋といえば、販売(小売り)のみを行い、物流、仕入れ卸はJA(農業協同組合)や市場を介すことが一般的。ところが、アグリゲートではそれらに加え、独自の流通経路を構築することでコストカットを実現する。

「例えば、物流には乗せられない形の悪い“規格外青果”、いわゆる“ワケアリ青果”を産地から仕入れ、お弁当、お惣菜として製造することで、新たな価値を生み出せます。また、流通経路を複数作ることで、そのときどきでよりお値打ちな青果を効率よく仕入れることができ、適正価格で提供することができるのです」(左今さん、以下同)

 また製造においても、産地と“タッグ”を組んだ創意工夫が行われている。

「食材の知識や加工技術にこだわりを持つ、産地の食品加工メーカーさんに食材が新鮮なまま加工していただき、自社キッチンで最終付加価値をつけることで、毎朝、おいしく新鮮なお弁当を作ることができています」

 青果店がオリジナルのお弁当を製造することで、こんなにもメリットがあるとは驚き。地方と都市の経済と食生活の向上をマッチングさせる、新しい“食農”の形といえるのかもしれない。 ロスになる野菜に価値をもたらし、産地の経済まで回す。さらには、消費者である都会人の野菜不足まで補ってしまう

 この日、取材班も“イチオシ”だという「伊達鶏むね肉唐揚げ弁当」(税込み630円)を購入。福島県グリーンファームが育てた国産鶏のむね肉は、高タンパクかつ低脂肪ゆえ多くのリピーターを生み出しているそう。

 から揚げをひと口ほおばると、肉のうまみと肉汁がじゅわっとあふれ出す。そして、白米にゴロっとのったにんじん、かぼちゃの食べごたえ! 副菜も加えて約130gも野菜を摂取しているというからうれしくなる。おいしいのは当然ながら、野菜を食べたという充実感がハンパない!

 またお弁当と一緒に販売されている、青果たっぷりの「旬ムージー」を飲めば、1日に必要な野菜はお昼だけでバッチリ。なんだか午後からの仕事も頑張れそう。そうこう言っているうちに、店頭のお弁当は午後1時半を回ったころには完売していた。

都会に暮らしていると食に関してずさんになりがち。僕自身、起業前のサラリーマン時代はひどい食生活でした(笑)。それを変えたい。青果や産地に関心を持ってもらえるような、未来に“おいしい”をつなぐインフラを作っていきたいですね

 お弁当をきっかけに野菜に関心を持ち、青果を手にしていく人も多いという。おいしくてヘルシーでリーズナブル、そして青果と食農への理解が深まる八百屋さんのお弁当。オススメです♪

いまや八百屋はおしゃれ!?
野菜料理ビュッフェを満喫

 東京・新橋「新虎通りCORE」1Fにある「旬八キッチン&テーブル」は、朝はおにぎりや旬ムージーを、昼はお惣菜やお弁当が楽しめる、イートインスペースを擁したおしゃれな空間(もちろん青果も販売!)。

 そして平日17時以降&土日祝11時からは、90分制のビュッフェ(1620円/税込み)が楽しめるセルフバーに変身。野菜の味を活かしたバラエティー豊かな料理や、季節の果物を使ったデザートを味わえる。また、アルコール・ドリンク類のオーダーも可能(別途料金)なので、女子会にもピッタリ!

 東京のド真ん中で、ヘルシー野菜料理を楽しんでみる?

(取材・文/我妻弘崇)

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