〈学芸大附属世田谷小〉合格で「国立ブランド獲得」もお受験ママが素直に喜べない理由

週刊女性PRIME / 2019年12月30日 5時0分

お受験2.0

【小学校受験のお作法2.0】親子力を合わせ、厳しいお受験を乗り越えるためにも、先人たちのリアルな合格体験談はあらかじめしっかりと知っておきたいもの。しかし、幼児教室などで登壇する合格者の経験談は、幼児教室の先生たちのフィルターがかかった内容になりがち。実際にはいろいろな教室に行っていたのに「我が家は本当にこちらの教室のみでした」とコメントされることもあるそう。そこでここでは、お受験コンシェルジュ&戦略プランナーのいとうゆりこさんが、合格者のお母様たちにインタビューを実施。合格するまでの道のり、そして入学後の様子など“生”の声を伝えてくれます。あくまでもひとつの参考とされてみてくださいね。

東京学芸大学附属世田谷小学校に合格した女の子の場合

 東京学芸大学附属世田谷小学校に進学された女の子のお母様。しかし、悔やんでも悔やみきれない、ある後悔があるそうで…。

ご家族のスペック

・お父様:地方私立医科大学卒、勤務医
・お母様:地方私立大学卒、元銀行員
・お子様:一般的な幼稚園


――お受験をしようと思われたきっかけは何ですか?

小学校受験を決めたきっかけは、夫の大学の同窓会でした。その大学は、正直そんなに有名な医大ではないんです。夫はそのまま卒業した医大に研修医として残りながら、クリニックの非常勤などをしています。

 東大や千葉大、順天堂などに研修医として潜り込み、まるでそれらの大学を卒業した医者であるかのように振舞っているんですよ。同窓会は夫婦で参加するのですが、2浪や3浪、国試浪人した同級生たちが名門大学の研修医を経て、その名門大学の看板を掲げて開業して儲けている姿を見ると、医者のなかの格差社会を目の当たりにした気がしました。

 そんななか、そうした“勝ち組”を気取る同級生が“娘を超名門女子校に入れた”と自慢をはじめたんです。これを聞いたとき、私のなかで“ここが争点だ”と思い、“娘を同じ学校、もしくはそれ以上の学校に入れよう!”と、お受験を決意しました

――お教室にも行かれましたか?

はい、最初は何もわからなかったので、ネットで調べた『こぐま会』(幼児教育実践研究所)に2歳のときに入会し、その後『ジャック幼児教育研究所』にも入会しました。家庭でも毎日6時間、コツコツと『こぐま会』のテキストを続けた成果もあり、授業では常にトップでした。先生方からも、“縁故がなくても慶應義塾幼稚舎や雙葉小学校を目指していきましょう!”と、太鼓判を押していただいていました」

――最終的にどちらに出願されましたか?

「やはり超名門校を目指そうと、雙葉、学習院、慶應義塾の幼稚舎と横浜初等部に出願しました」

――結果はいかがでしたか?

「正直、何が悪かったのかわかりません。試験内容も子どもにヒアリングする限りパーフェクト、面接も先生方と話が弾みましたし、“不合格”となった理由が見つからないのです。

 いわゆるコネがないと名門校なんて受からない、という現実を突きつけられた感じです。実力重視と呼ばれている、白百合学園小学校や聖心女子学院初等科を受ければ良かったと後悔しましたが、すぐに国立にシフトチェンジしました

――私立の結果を受けて、国立を受験されたと。

「ええ、ただ国立なんて頭になかったので、抽選の要領もわからず、電話で『ジャック』の先生に簡単に説明を受けただけで挑みました。

 結果は、筑波大学附属小学校、お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校にはバッサリ切られましたが、東京学芸大学附属世田谷小学校をなんとか掴むことができたんです! 

 “国立”という超難関の合格を手にしたのですから、幼稚園のママたちは羨ましがっていました。しかし、『ジャック』や『こぐま会』のママたちにとっては、いくら国立といえども、筑波以外は“学習院以下”という扱いだったんです。いろいろと消化できない気持ちのまま入学することになりました

――入学されてみていかがでしたか?

入学してみると、附属である東京学芸大学附属世田谷中学校に進学する際、学年で2割程落とされます。さらに小学校からの内部進学の生徒数から計算すると、小学校の1クラスから5人程度しか、高校まで進学できないと知り、大変驚きました。

 附属とは名ばかりなんですね。私立に比べると金額的には安いので、みなさんその分を塾代に充てて中学・高校受験の準備をしているそうです。世田谷の中学に上がれなかった生徒は、タイミング的に区立の中学しか選択できないなんて話もあり……。

 とにかくみなさん塾に行くわけですから、中学受験ができるレベルの学力がないと附属にも進学できないのでは……という恐怖心から、娘も夏休みからすぐに進学教室『SAPIX』に入れました。

 学校自体も自由な校風だからなのでしょうか、授業内容も近隣の区立小学校とそこまで大差がないと感じますし、やたら教員研究があるため休校も多く、落ち着いた教育環境であるとは思えないまま、ただただ通学させるだけの毎日です。

 そして何より、中学・高校受験は小学校受験以上にお金も手間もかかるんです! いくら医者とはいえ、ただの勤務医。私はコーヒーショップでのパートもはじめました。やはりエスカレーター方式で進学できる、私立の大学附属校にご縁をいただきたかったです

――お受験に後悔があるということですね。

「ええ、当時『ジャック』の先生方からアドバイスを受け、第二志望もしっかり考えて、高望みではなく身の丈にあった学校にも出願すべきだったと本当に後悔しています。月日が流れても、まだ気持ちの整理ができません。

 最近、こちらの連載を読ませてもらいましたが、小学校受験をされる方々のスペックの高さや、縁故、戦略など、何も知らなかったんだなと悔やんでも悔やみきれません。

 もしこれから小学校受験をするママさんたちのなかに、私ども家族の体験が目に留まった方がいらっしゃったら、高望みの学校だけでなく、身の丈にあった学校をしっかりと把握して、おさえておくべきだと伝えたいです

<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design

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