イライラやマイナス思考の原因は“睡眠不足”かも! 心身が整う「不眠解消&快眠術」

週刊女性PRIME / 2020年3月18日 20時0分

※写真はイメージ

 3月18日は「睡眠の日」、春は眠くなる季節だけど、家事、育児、仕事、ダンナやペットのお世話……さらに自分の美容と健康……ミドル世代の女性はやることが多くて寝てなんていられな~い!

「その忙しさ、睡眠不足のせいかもしれませんよ」

 と教えてくれるのは、快眠セラピストの三橋美穂さん。

睡眠が足りない日は、ほろ酔い状態と同じ

 厚生労働省の調査によると、40代~50代は睡眠時間が6時間未満は約半数。人間のベストな睡眠は7〜8時間といわれているなか、ミドル世代は万年、睡眠不足……。

 忙しいから、眠る時間が足りなくなるのでは?

「米国ペンシルベニア大学で行われた実験では、“6時間睡眠を10日間続けた人は、1日、徹夜した人と同レベルまでパフォーマンスが下がる”という結果が出ています」(三橋さん、以下同)

 パフォーマンスが下がった状態で日中の活動を行っているから、忙しくなってしまうのだ。

「オーストラリアで実施された実験では、起き続けた時間が長くなるにつれて脳機能が低下し、注意力は酒酔いレベルまで落ちるという結果が出ました。睡眠時間が6時間を下回ると、ほろ酔い状態で仕事をしているようなものなのです」

 睡眠不足による脳機能の低下は、自律神経やメンタルにも影響して、イライラしたり怒りやすくなって、夫や子どもにあたってしまう原因にも。

「睡眠不足が続くとカップルがケンカをしやすくなるという報告もあります。ネガティブ思考や不安やイライラなどのマイナス感情は、本人より脳に問題があるので、その場合は眠ることが最善策です」

 睡眠はパフォーマンスやメンタル状態だけではなく、健康にも影響する。

「睡眠時間が理想的な7〜8時間の人は、肥満、高血圧、うつのリスクが低いということが報告されています」

 深い睡眠がとれていれば、睡眠時間が短くても大丈夫と聞くけど……。

「確かに深い睡眠は重要です。しかし、浅い睡眠も重要だということが近年の研究でわかってきました。どうやら深い睡眠と浅い睡眠のバランスが快眠につながるようです」

 ベストな睡眠時間は人によって異なるともいわれているけれど?

「短時間睡眠でも100%のパフォーマンスが出せるショートスリーパーがいますが、残念ながら1%未満。これは遺伝子レベルで決まっています」

 多くの人は1日7~8時間眠らないと、仕事も生活も健康もうまくいかないのだ。

「眠るのがもったいない、そう考えてしまうのは、すでに睡眠が足りていない証拠。十分な睡眠がとれていれば、脳は肯定的に働き、時短活動ができるようになります」

 忙しくてバタバタしている人ほど、日中の活動と同じくらい、睡眠活動を重視することが大事に。

まずは就寝アラームをセットして眠る時間を決めましょう。私はアラームが鳴ったら、すべてのことをやめてお風呂に入るようにしています。作業が中途半端になるのは気になりますが、朝行ったほうが短い時間で行えるのです」

 睡眠時間の優先度を上げて、タイムマネージメントをすることが大切なのだ。

夫婦が同じベッドで寝る常識はもう古い

 とはいえ、単に睡眠時間を7〜8時間にすればいいという問題でもない。現代人は不眠に悩む人も少なくない。民間のショップジャパン睡眠に関する調査では「30代・40代の働き世代男女85・1%、女性のみでみると90%の方が睡眠に悩みを抱えている」という結果も。

不眠に悩む人は4~5人に1人といわれています。

 睡眠時間は7〜8時間が適切とされますが、どうしても眠れなかったり、やむをえない事情があるときは、昼間20~30分の仮眠をとって補いましょう

 睡眠の質を上げて7〜8時間眠ることが理想的で、時間だけでなく睡眠環境を整えることも重要なのだ。

 眠る前のカフェイン摂取や飲酒、スマホが厳禁なことは周知のとおりだが、ほかにも新情報が続々と発表されているのでチェックしておこう。

 まずは眠るときの照明、今までは薄明かりがいいとされてきた。

「睡眠中も視覚中枢は働いているので、電気をすべて消した状態が理想です。豆電球程度の明るさの部屋で寝ていると、肥満リスクが1・9倍増え、脂質異常症の割合も増えるという奈良県立医大の調査報告があります」

 どうしても、明かりをつけたい場合は、間接照明などで直接、光が当たらないようにする。

 次は音。実は眠っている間も聴覚は働いていて、脳は反応しているのだ。

聴覚中枢も視覚中枢と同様に就寝中も働いていますので、耳栓をして眠るのがオススメです。聴覚が過敏な人や生活音が気になる人だけでなく、深く眠りたい人にピッタリです」

 隣で眠るダンナのいびきがうるさいのはもってのほか。別の部屋で眠るか、耳栓を必須にしよう。

「同じベッドで眠る夫婦もいますが、ぐっすり眠るためには1人1台のベッドで眠ることが基本です」

 夫婦は同じ部屋やベッドで眠るのが常識、なんて言っていたのは昔のこと。

「寝返りが制限されて眠りが浅くなります。ペットと一緒に眠るのも、よくありません」

 ペットは可愛いし温かいので、ついつい一緒に眠りたくなるが、同じベッドに眠るのはやめておこう。

「ペットの睡眠環境は人間と違うので、ペットのためにも一緒に眠るのは我慢しておきましょう」

羊を数えたら眠れなくなる

 快眠を得るためのベッドまわりにも気をつけることが。

ベッドの上には、枕以外何も置かないことです。欧米では本やクッションを置いている風景を見ますが、睡眠と関係ないものは寝室に置かないことが基本です」

 環境を整えても眠れないときは“羊が1匹……2匹……”と数えるしかない?

日本語で“羊”を数えていては眠れません! 英語で羊はsheepといい、息を吐く発音です。息を吐くと副交感神経が働き、身体がリラックスして眠りにつきやすくなります」

 眠れないときは、カウントダウン方法がオススメだとか。

アメリカの催眠療法士が考え出した方法で、100から始めて99、98とカウントダウンをする方法です。どこまで数えたか忘れたら100から数え直します。数えるときに呼吸をゆっくりするのがポイントです」

 眠れないときは、ダラダラとベッドの中にいないこともコツ。

不眠が慢性化しますので、眠れないときは寝床から出て、ゆったりと過ごし、眠気がきたら寝床に入るようにしましょう」

すべてに該当するのは不眠症!
1.週に3回以上の不眠症状(寝つきが悪い・夜中に何度も目を覚ます・早朝に目が覚める・眠りが浅くて熟睡感がない)がある
2.日中に眠気や疲労感があり、日常生活に困っている
3.上記の症状が3か月以上続いている

太め体形ならマットレスは硬めに

 見落としがちなのは、眠るときのウエア。

「締めつけ感のある下着やパジャマは厳禁です。睡眠に入るとき、深部体温が下がっていきますが、血行が阻害されると、深部体温の低下も妨げられるので熟睡しにくくなります

 パジャマにプラスするアイテムでオススメなのは腹巻き。

「冷え性や便秘ぎみな方は、腹巻きをするといいでしょう。足が冷える人は靴下もいいですが、足先は熱を放出するので、レッグウォーマーのほうがオススメです」

 さらに、眠っているときの姿勢が、快眠には重要。立っているときと同じ姿勢をキープすることが理想的。人間の首や背中はゆるやかにカーブしている。そのカーブが保たれる枕やマットレスを選ぼう。

「昔はせんべい布団がいいといわれましたが、現在は立っている姿勢が保たれ、寝返りがしやすい、硬さと柔らかさのバランスがとれているものが理想的とされています。腰が痛い方は、硬いマットレスを選びがちですが、硬すぎると腰の緊張が助長されます」

 あおむけでお尻が落ち込まない、つま先が外側に広がらない、横向きで肩が圧迫されないものがベスト。枕をした状態でチェックしましょう。

 また、体形によってもマットレスの選び方は変わる。

「太めの方は硬め、スリムな方は柔かめを選ぶといいでしょう」

 枕は高い、あるいは低いと首こり、肩こりの原因になり、いびきを引き起こす。枕をしないのも同様に首こり、肩こりの原因になるだけでなく、顔のむくみの原因になる。

「首のしわや二重あごやほうれい線の原因にもなりますから、女性は特に枕の高さを整えるといいかもしれません」

 枕は素材よりも形が大事だとか。

あおむけで眠るときに首がスッと伸びて、楽に呼吸ができる枕がいいでしょう。合っている枕で眠ると、まるで枕をしていることを忘れてしまうほどです」

 快適な睡眠が習慣化すれば、今よりももっとパフォーマンスを上げられ、メンタル的にも穏やかでいられるかもしれない。

「睡眠は明日の自分へのプレゼントだと思って、今日から快眠のための睡眠活動をスタートさせましょう」

三橋美穂/快眠セラピスト、睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。1万人以上の眠りの悩みを解決し、講演活動や執筆活動を行う。寝具や快眠グッズをプロデュースするほか、ホテルの客室コーディネートも手がける。著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか多数。ムック本『“日本人の頭の形”に最もフィットした「極」快眠まくら[やわらかタイプ]』(主婦と生活社)が4月17日発売予定。

インストラクター伝授! 快眠術

「睡眠は、日中のパフォーマンスを上げるための手段です。“疲れたら眠る”“枕が変わったら眠れない”といった受け身の姿勢ではなく、自分に合った睡眠を積極的につくっていくことが大切です」と、睡眠改善インストラクターの西谷綾子さん。

■人気アイドルも実践! ベッドにモノを持ち込まない

「眠るときに布団やベッドで本を読む、テレビを見る、スマートフォンを触る、音楽を聴く、読み聞かせなどの行動は脳の言語野、視覚野が働き、寝つきにくくなる原因になります。そういった行動はソファやイス、床の上などに場所を変えて、眠くなったら移動する。“布団やベッドは眠る場所”と脳に記憶づけて習慣化することが大切で、睡眠の質もよくなります」(西谷さん)

■起床時間を3回つぶやく

 目覚めがよくなる方法として自己覚醒法がある。

眠る前に起きる時間を3回つぶやくだけで脳が記憶して、起きる3時間前から血圧や血糖値を高めるプログラムを作り、自然と起きることができます。途中、起きた場合は、起床時間を3回復唱して眠れば大丈夫です」(西谷さん)

■起床4時間後のあくび

 7~8時間が理想の睡眠時間といわれるが、自分に合った睡眠時間を見つけることができる。「起床から4時間後は、もっとも頭が冴えています。その時間帯にボーッとする、あくびが出る場合は睡眠時間が足りない、もしくは質がよくないからです。いろいろ試して起床4時間後の状態チェックを2週間ぐらいやっていただくと、自分に合った睡眠時間がわかるようになります」(西谷さん)

■10秒間呼吸法

 心身がリラックスしている状態で副交感神経を優位にすると快眠につながる。オススメは眠る1時間前の風呂上がり後、目を閉じて行うとリラックス効果が高まる。

■百会(ひゃくえ)を押す

 自律神経を整え、疲労回復、リラックス効果が得られ質のいい眠りを後押しするだけでなく、朝の目覚めにも効果的で、イライラも解消できるミラクルツボ。

■睡眠ホルモンを作る

 睡眠ホルモン(メラトニン)は、トリプトファンが材料となり、脳内のセロトニンが分泌を促しメラトニンを生成する。「そのためには朝、トリプトファンが含まれている食材を摂取することが大事で、バナナや豆乳、納豆などの大豆製品、肉、魚などです」(西谷さん)

西谷綾子/睡眠改善インストラクター。ジュニア・アスリートフードマイスター。1986年4月4日生まれ。鳥取県出身。小学校からバスケットボールを始め高校時代にはインターハイに3年連続出場。モデルを経てスポーツタレントとして活躍。マラソン自己ベスト3時間1分32秒

取材/山崎ますみ

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