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『シャトレーゼ』はスイーツだけじゃない、「家族への想い」こだわり抜いた魅力

週刊女性PRIME / 2021年4月30日 20時15分

シャトレーゼ

 グループ総売り上げ高が2020年3月期で732億円。さらに昨年からのコロナによる巣ごもり消費の恩恵もありスイーツの販売が好調。店舗数はここ5年で100店舗増加し、現在国内では560店舗、海外8か国で95店展開。今、シャトレーゼの勢いが止まらない。

86歳会長が一代で築き上げた

「経営のモットーは“おいしいものを、お値打ちで。ひとりでも多くのお客様にお楽しみいただきたい”です」

 と話すのは、広報・原令子さん(以下、同)。

 そのシャトレーゼを一代で作り上げたのは、現会長の齋藤寛さん(87歳)。生家は山梨のぶどう農家であったが、弟がやっていた焼き菓子店がなかなか軌道にのらず、一緒にやることになったのが“菓子業界”に足を踏み入れたきっかけだった。

 兄弟とともに1954年に今川焼き風のお菓子「甘太郎」のお店を山梨県甲府市に出店すると、当時は手に入りづらかった砂糖や北海道産小豆などを原材料に使用。1日約1万個を売るほどの人気に。

 ぶどうと違って季節に関係なく、いつでも売れるお菓子の魅力にはまった齋藤会長は1967年、当時はまだ珍しかったシュークリームの生産を開始。小売店に冷蔵庫の設置が少なく、生ものは扱えないと敬遠される時代。それならば店に在庫を抱えず、すぐに売り切れる価格でと、当時では破格といえる“10円”で販売。1日50万個売れる大ヒットとなった。

ブレない信念を軸に経営を多角化

 さらに1985年には、より“高品質かつ低価格”の商品を多くの人に届けるため、工場直売店を設置。オープンするやいなや客が押しよせた。現在、自社工場ではケーキだけでなく、アイスクリームや和菓子など400種類以上の商品を製造・販売している。

 2019年からは銀座などの都心の一等地を中心にワンランク上のスイーツが楽しめる新ブランド「ヤツドキ」の展開も始まった。

 現在も精力的に会社運営の舵を取る齋藤会長は、経営はもちろん、趣味にも全力。80歳を超えてなお、ゴルフのフォーム改善に力を注ぐ。常に進化し続けるシャトレーゼには、齋藤会長のそんな情熱が反映されている。

 シャトレーゼは、スイーツ以外に、ホテル、ワイナリー、ゴルフコースを経営している。事業が違えども、背後には“すべてはお客様のために、よいものを安く”といった経営理念が息づき、スイーツ事業と一体となってファンを増やし続けている。

 シャトレーゼの底力がわかる、知られざる世界をのぞいてみよう! 

いろいろな事業を展開! シャトレーゼグループ
●ハイクオリティ&リーズナブルなスイーツ
●子連れにやさしい工夫が満載なホテル
●国内外で受賞多数のワイナリー
●プレー後はスイーツも堪能できるゴルフ場

健康志向で糖質オフ食品が脚光をあびる

 “美味しいものを、お値打ちで”を体現したシャトレーゼのスイーツ。それが実現できるのは、契約農場から素材を仕入れ、自社工場で生産する「ファームファクトリー」体制があるから。

「八ヶ岳山麓で、栄養と食物繊維豊富な牧草をたっぷり食べて育った牛から搾る濃厚な牛乳、契約農場と研究したお菓子に最適な卵など、原材料から吟味を重ねています。素材の品質は、地元山梨の自然の恵みあってこそです」

 製造は牛乳の低温殺菌から一貫して自社工場で行うことで、高品質に仕上げる。人気上位のスイーツには、その素材の美味しさをダイレクトに楽しめるものが並ぶ。

「ケーキのスポンジは、時間をかけて焼き上げ、卵の力を最大限に引き出したもの。販売数で上位に食い込む定番人気の『無添加 契約農場たまごのプリン』の原材料は牛乳、卵、砂糖のみです」

コロナ禍でも売り上げアップ

 いつ行っても新作スイーツが並んでいるのも魅力。

「毎月約15~20種類の新商品を発売しています。企画段階も含めると倍ぐらいの商品を企画しています」 

 '07年からはアレルギー対応ケーキ「乳と卵と小麦粉を使用していないデコレーションケーキ」を開発。アレルギーがある子どもも、家族みんなで一緒にケーキを食べる喜びをかなえた現在は、アレルギーに対応したアイスも販売している。   

 さらに客層に厚みをもたせているのが糖質カットスイーツの存在だ。シャトレーゼでは、業界でもいち早く'09年から糖質カットスイーツを販売。直近では’20年夏にリニューアルを行っており、通常のスイーツと遜色ない美味しさが評判。

「スイーツ作りで培ってきた『美味しさの追求』が何よりの武器。まだまだのびしろのある市場で商品開発が進んでいます」

 ダイエット中の人や糖尿病などの人から支持はあつく、糖質カットスイーツの売り上げは、5年間で売り上げを約7倍に伸ばしている('16年 4月~'20年4月~12月実績)。

 今年2月には、期間限定で糖質なんと86%カットした濃厚チョコショートケーキも販売され話題となった。

糖質カットしたピザやパンも好評

 また、家庭での食事が増えた巣ごもり時、好評だったのが、ランチにぴったりのパンや冷凍ピザだ。こちらも通常のものに加え、糖質を80%以上もカットしたピザやパン、玄米パンなど、おいしさはもちろん健康を意識した商品がリーズナブルに揃う

 こうした絶え間ない努力により、シャトレーゼはコロナ禍にも負けず売り上げを伸ばしている。

「地道な努力の甲斐もあって、多くのお客様にご利用いただいていることから、昨今企業の認知やイメージが上がっていることを実感します。今年の採用活動では、学生からの問い合わせ件数が例年に比較して1.5倍になりました

シャトレーゼワインがコンクールで金賞に

 “選ぶ楽しみ”の幅をさらに広げているのが、最近、スイーツの店舗で扱っている樽出し生ワインだ。空き瓶を持っていくと、その場でフレッシュなワインを詰めてもらえるというもの。このサービスには、シャトレーゼのスイーツ以外の事業が関連している。

「シャトレーゼは、山梨でふたつのワイナリーを経営しています。甲斐市にあるベルフォーレワイナリーでは輸入ワインをベースにしたリーズナブルなテーブルワインを製造。樽出し生ワインもこの工場で樽詰めされています。勝沼ワイナリーでは、自社農場や契約農家の葡萄を使用した山梨県産の本格的なワインを製造・販売しています」

 勝沼ワイナリーでは、山梨県産100%のワインを750ml/1430円~3850円で販売。有料で試飲も行っている。

「勝沼ワイナリーのオープンは2000年。コツコツと技術を磨き、2010年に日本ワインコンクールで『甲州樽発酵(2008年)』が金賞を受賞。以来、海外の賞も多数受賞しています

 このワイン事業には、齋藤会長の深い思い入れが。実家がぶどう農家であることから、菓子店を始めるとき、将来はワイン事業も手掛けることを父親と約束をしたという。

「当然ここのワインを使ったスイーツも開発しておりますし、スイーツ以外のファン層も広がる。ワイナリー経営で、新たな世界も広がります」

スイーツ売り上げベスト5

 大好評の糖質オフシリーズ。シュークリームからエクレア、ショートケーキ、アイスとスイーツの王道がラインナップ

●第1位、スペシャル苺ショート(324円)

 じっくり焼いたスポンジに、コク豊かで口どけのすっきりしたホイップクリームと全国の契約農家から届く新鮮苺をサンド! 

●第2位、チョコバッキー、バニラ(302円(6本入り))

 '18年3月発売後、わずか3年で累計1億本を突破! バニラアイスと不揃いチョコの食感がやみつきに。

●第3位、ダブルシュークリーム(108円)

 '89年から発売するロングセラー商品。北海道産純生クリームと濃厚なカスタードクリームの贅沢な味わい。

●第4位、プレミアムアップルパイ(399円)

 国産りんごとカスタードクリームを、リッチなヨーロッパ産発酵バターを折り込んだパイで包み、店舗で焼き上げる。

●第5位、パリパリチョコショート(345円)

 ベルギー産クーベルチュールミルクチョコレートなどを使用したクリームと、パリパリとした板チョコの食感が魅力。

“食”に力を入れる異色のゴルフ場

 シャトレーゼグループのゴルフ場は、現在全国18か所。

「きっかけは、齋藤会長の趣味の延長で、北海道のゴルフ場の買い取りと再生を手がけたことでした」 

 その特徴は、“食”への注力。併設されたレストランのランチメニューは、シャトレーゼのケーキがよりどりみどりのデザートバーがセットになっている。

「年配の男性は、ご自分でスイーツは買わなくても、実は甘いものがお好きな方も多いんです。ですから男女問わず喜ばれています。また、ゴルフ場はビジネスマンなど菓子にあまり馴染みのない方も利用されます。ここでシャトレーゼの味を知った、というお客様もいらっしゃいます

 とは、シャトレーゼ系列の東京国際ゴルフ倶楽部支配人・金子秀樹さん。ゴルフ場ではシャトレーゼのワイナリー直送の樽生ワインも詰め替え販売。また、シャトレーゼのスイーツのほか、レストランオリジナルのスイーツ、お惣菜のテイクアウトにも力を入れており、家族へのお土産需要に応えている。

ゴルフ場としては珍しく、レストランのディナー営業も行っています。ゴルフ場のレストランは広めですから、“密”をさけられる。ふだんなかなか利用されないお客様にもご利用いただいています」(金子さん)

コロナ対策も万全

 レストランの客席には去年の4月からアクリルパネルを導入。支払い時の非接触化を進めるなど、感染症対策にもいち早く反応し、取り組んできた。

 経営には、齋藤会長の信念がにじみ出る。

「会長からは、『従業員に対し、働いて協力していただいていると考えて向き合いなさい』と。『徳を養いなさい』とよく言われます」(金子さん)

 コロナ禍でもアルバイトの雇用は極力守り、感染症対策に取り組んだかいもあって、「密」を避けられるアウトドアスポーツとしてゴルフが注目される今、利用は好調だ。

「ゴルフ場という“場”を使い、食を通してご家族皆さんに楽しんでほしいんです

 と金子さん。老若男女問わず“オールターゲット”にお菓子を届ける場としても、ゴルフ場は妙案なのだ。

【甲斐ヒルズカントリークラブ】
 フラットなコースが特徴。プレー後は、クラブハウス内の天然温泉へ。プレー後の疲れを癒やしてくれる。
山梨県甲斐市団子新居1927-4、TEL0551-23-0222 セルフプレー10500円~ 

ファミリー層に大人気

 さらにシャトレーゼグループはホテル経営にも参入している。そのホテルは、山梨、長野、北海道と全国に3つ。なかでも北海道・札幌の「シャトレーゼ ガトーキングダムサッポロ」は、“家族に優しいリゾート”を掲げている。

 ホテルのレストランにはベビーカーを畳まず入ることができ、ベビーベッドや離乳食を備えており、幼児を連れていてもゆっくりと食事ができる。館内の広々としたプールには水深15センチの幼児プールもあり、「ここでプールデビューするお子様も多いんです」と、同ホテルのマーケティング担当の境建也さん。

 近年好評なのが、館内に3つあるファミリールームだ。幅3m40cmのベッドでは親子で川の字になって眠れる。このタイプの部屋は靴を脱いで上がる仕様のため、ハイハイする赤ちゃんも安心。身長計と体重計が備え付けられているので、子どもの成長を目で見ることができ、家族の会話も弾む。この徹底した家族向けの取り組みを始めたのは、'08年前後。

「幼いお子様をお持ちのお母様に旅行先でお困りのことを何十件もヒアリングしました。最初は手探りでしたが、口コミでファミリー層のお客様が増え、また、繰り返しご利用いただくことも多く、手応えを感じています」(境さん)

 もちろん、スイーツにも力を入れる。ランチビュッフェ、ディナービュッフェには、ケーキバイキングが含まれる。「ホテルのケーキのほか、もちろんシャトレーゼのケーキもお楽しみいただけます。“シャトレーゼのホテル”として、お客様からのスイーツへの期待は高く、裏切れません」(境さん)

宴会場で打ちっぱなし

 また、冬季は宴会場にネットを張り、なんとゴルフの打ちっぱなし場に。雪深い北海道で半袖で思いっきり打ちっ放しができると、ゴルファーに喜ばれているこの企画は、齋藤会長の発案によるもの。徹底したお客様目線の発想に驚かされる。

【シャトレーゼ ガトーキングダムサッポロ】
 料金は1泊2食付きで大人1人7600円と、手ごろ。ここでも“よいものを、お値打ちで”のシャトレーゼの信念が貫かれている。テンションがあがるリゾート感溢れる外観。ビュッフェは大人料金で2000円、和洋中からスイーツまでがそろう
●北海道札幌市北区東茨戸132、TEL011-773-2211
http://www.gateauxkingdom.com/

(取材・文/仲川僚子)

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