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100kg超えの鈴木亮平、生理が止まった大竹しのぶ「役者バカ」たちの驚愕エピソード

週刊女性PRIME / 2021年10月3日 16時0分

左上から時計まわりに鈴木亮平、三國連太郎さん、大竹しのぶ、千葉真一さん

 日本のアクション俳優の草分けである千葉真一が8月19日に亡くなった。千葉といえば、映画『魔界転生』にて炎上する江戸城の中で行った、若山富三郎との迫力ある殺陣が有名。炎の中で長丁場の撮影を耐え抜いた千葉の役者魂は今も語り草である。

 最近では、『全裸監督』シーズン2で村西とおるを演じるにあたり2年かけて脂肪のみ10kg増やした山田孝之、病弱な役のときは20kg落とし、西郷隆盛を演じる際は100kgにまで増量した鈴木亮平のストイックさも話題だ。

サプリをドイツから取り寄せ

 役者魂が如実に伝わる名優たちのこのようなエピソードは枚挙にいとまがない。映画『異母兄弟』に出演した当時34歳の三國連太郎は、老人の役を演じるため上下10本の歯を抜いたという。

 数々の映画やドラマを手がけてきた脚本家の竹山洋さんは「三國連太郎は怪優」だと語る。

「僕が助監督をやっていたあるドラマに、三國さんが犯人役として出演したんです。『どんなメイクをしてくるのかな?』と思っていたら、顔から身体から本当に人を殺したみたいな雰囲気を醸し出していました。逆に言えば、『三國さんとは絶対共演したくない』と拒否反応を示す役者もいた。ラブシーンなんか本気で来られるから、特に女優さんは嫌がる人もいたみたいですね」(竹山さん)

 役作りで歯を抜いた役者といえば、映画『楢山節考』で老女を演じるため40代にして自ら前歯を抜いた坂本スミ子や、チンピラ役を演じるために11本もの歯を抜いたり削ったりした北村一輝もいる。

 俳優の谷隼人さんは、“兄貴分”と慕う高倉健から言われた言葉を今も胸に刻んでいるという。

「『メロドラマをやろうがアクションものをやろうが、俳優は身体を鍛えていなきゃダメだぞ』と口酸っぱく言われました。冬の旭川の露天風呂の外を全裸で走らされ、その後、風呂場で腕立て伏せをさせられたことも。

 もちろん、健さんも一緒に腕立て伏せしていましたよ。昭和40年代の初頭にもうジムに通っていたし、撮影所に来る前は栄養剤の注射を打っていたし、ドイツから取り寄せたというビタミンCなどのサプリメントを毎日飲んでいた。いろんな薬を知っていたから『高倉薬局』って言われてましたから」(谷さん)

 高倉といえば、私生活を厚いベールで覆う神秘性も特徴のひとつだ。

「僕が休日にホテルのプールで身体を焼こうとしたら、『お前、金取れねえな』と高倉さんから言われたことがあります。そんなことをしたら、人に見られて『昨日、谷が隣でオイル塗って身体焼いてたぞ』などと言われてしまうから。

 健さんは身体を焼くためにわざわざハワイに行くし、食事はお客さんが全員帰った後に知人の店を貸し切り。自分を“映画館でしか見られない人”にするため徹底していたんです。健さんからは常々『役者は生き様を見せるものだ』と言われてきました。僕は、あの人が最後の映画俳優だと思っています」(谷さん)

「女優は魂が入れ替わる」

 高倉から薫陶を受けた谷さんも役者魂の伝わるエピソードを持っている。彼が主役を務めた映画『ワル』に、「お前の目は飢えた狼の目だ」と谷さんが言われる場面があった。

「自分を本当に“飢えた狼”にしておきたかったから、衣装合わせを含め約40日間は一切夜の営みをしませんでした。そのころはガールフレンドがいっぱいいたんですけど(笑)」(谷さん)

 今までの俳優歴の中で、谷さんが「いちばん芝居がうまい!」と断言する女優は小川真由美だ。

「『アイフル大作戦』('73年・TBS系)というテレビ映画で彼女と1年間ご一緒したんです。監督は深作欣二さんなんですけど、現場入りしたら2人の『台本のここが違う!』というやり合いが朝から必ず始まっていて。だけど、カメラが回ると抜群にカッコいい人でした」(谷さん)

 女優の恐ろしさは、竹山さんも骨身にしみている。

「私が脚本を書いたドラマの稽古があるからとNHKに見に行ったら、三つ指ついて座っている人がいるんです。『いい女がいるなあ』と思ったら、かたせ梨乃ちゃんなんですよ。びっくりさせようとしたわけじゃなく、脚本家が来るということで敬意を表してやったと思うんですけど、あんなふうにやられたら普通の人は太刀打ちできませんよ」(竹山さん)

 女性ならではの力を感じさせる存在としては、寺島しのぶという女優も欠かせない。

「寺島さんは不思議な女優で、美人で売っている人ではないけれど、役に入るとものすごく美しくなる。情念のある役をやると『なんていい顔してるんだ』と思わせてくれるんです。

 トム・クルーズはビルからビルに飛び移ったり、どんな映画にもスタントマンを使わず、全部自分でやる肉体的なアプローチの役作りをしますよね。でも、女性は基本的には肉体的なアプローチの方法をとらない。魂が入れ替わるというか、いきなり別人になる。そこに私としては女の怖さ、すごさを感じますね」(竹山さん)

独立が功を奏した元SMAP

 肉体的な角度から役作りに臨む男優と、役に憑依して入り込んでいく女優。ひと言で役者といっても、男女でアプローチの仕方はまったく違う。そういえば、大竹しのぶは20代のころにミュージカル『にんじん』で14歳の少年の役を演じ、入り込みすぎて生理が止まったことがあるらしい。

 岩下志麻は映画『極道の妻たち』で台詞覚えをしている際、友人からかかってきた電話に「わてや!」と答えてしまったそうだ。どちらも、役に憑依する女優らしいエピソードである。

 一方、大河ドラマ『八代将軍吉宗』('95年・NHK)で徳川家重を演じた中村梅雀は家重が運動機能と言語機能に障害があったことを知り、ろう学校を回ったという。

 また、お家騒動で意気消沈した家重を演じる際、数日眠らずに心身ともに弱った状態を作り出したとか。男優ならではのアプローチの仕方といえるだろう。

“江戸時代にタイムスリップする寂しさ”を理解するため、携帯電話を持たずにイギリスへ飛び、アパートで3か月ひとり暮らしをしてから『JIN―仁―』('11年・TBS系)の撮影に臨んだという大沢たかおも然りだ。ただ、男優にも例外がいる。

「水谷豊には人たらしの才能がある。パーティーなんかで会ったとき、今や大俳優なのにスタッフみたいにいろいろやってくれる。普段からコロコロ表情を変えるんですよ」(竹山さん)

 どちらかといえば、水谷は女優タイプに近い。肉体的なアプローチは特に見られないのに、『傷だらけの天使』('74年・日本テレビ系)から『相棒』('00年・テレビ朝日系)まで幅広い役柄を自由自在に演じられてきたのは、その気質が理由か?

 また、竹山さんが役者魂を感じ、称賛しているのはあの元アイドルたちだ。

「草なぎ剛さんと稲垣吾郎さんは、いい役者ですよね。アイドルであり、歌手でもあったから、みんなが求める存在になることに慣れてきているためか、制作側が求める像になることにためらいがないのでしょう。複雑な役を演じているときの彼らはとても生き生きとして見えます。独立したことが功を奏したのではないでしょうか」

 映画『天国と地獄』で、画面に映り込む民家を気にした黒澤明がその家を取り壊したというエピソードは映画界に今も伝わる武勇伝である。

「われわれは若いときからその話を聞かされていて、助監督たちは『自分がそんなことを言われたらどうしよう』と戦々恐々でした」(竹山さん)

 黒澤明が巨人ならば、『仁義なき戦い』監督の深作欣二も巨人である。

勝手に台詞を変えた“ショーケン”

「明日、撮影が朝8時からと予定されていたら、俳優さんたちはわざと深作さんをガンガンに飲ませ、酔い潰れさせて開始時間を遅らせようとするんです。でも深作さんは、8時にはいつも意気揚々としていたらしい。役者さんたちはまだ倒れているのに。

 みんな、『深作さんにはかなわない』と思ったみたいですよ。作品を作るとき、役者と制作陣はケンカしたほうがいい。言葉で殴り合ったり、態度で殴り合ったりしないと理解し合えないです」(竹山さん)

 竹山さんにも態度で殴り合った役者がいた。ショーケンこと萩原健一だ。自身が脚本を担当した大河ドラマ『利家とまつ』('02年・NHK)に明智光秀役で出演したのが萩原だった。

「ディレクターから『萩原さんが台詞のここを変えたいって言うんだけどダメでしょうか?』って電話がかかってきたんです。でも、一字一句直さないというのが脚本家の矜持だから断りました。で、上がってきた試写を見てみると、僕に言わずに自分勝手に結構直していたんです。

 そのとき、『ショーケンに会ったら言ってやろう!』と僕は思ったけど、別に怒っていたわけじゃなく、その芝居がすごくよかったんです。僕が書いた台本は、常識人の光秀が世の安定のために破天荒すぎる信長を討つ芝居だったけど、ショーケンが演じた光秀は声が裏返ったりと、かなり興奮した状態だった。

『なるほど、こういう解釈もあるんだな』という芝居をしていた。役に寄せるだけでなく、その役を活かすために、ときには制作陣を敵に回す気概を持つというのも役者魂なんだと思います」(竹山さん)

 三國連太郎や萩原健一といった男たちは、心の肉体を使って芝居する役者の代表格である。

「映画や映像ってただの絵ではなく、ある種の匂いがあるんです。ぶつかり合って、肉体で作らないとそういう匂いって生まれない。最近の映画やドラマは肉感的な面白さが薄れてきている気がします」(竹山さん)

 心の肉体、つまり魂がある役者の芝居をこれからも見続けたい─。

谷隼人さん
1946年、鹿児島県生まれ。1961年、子役としてデビュー。その後、日活のニューフェイスを経て、東映に入社。『キイハンター』『風雲!たけし城』などテレビでも活躍。女優・松岡きっことのおしどり夫婦としても有名。

竹山洋さん
1946年、埼玉県生まれ。テレビ局演出部を経て、脚本家となる。主な作品に、連続テレビ小説『京、ふたり』、大河ドラマ『秀吉』『利家とまつ』、映画『四十七人の刺客』ほか多数。1994年に第2回橋田壽賀子賞、2001年に『菜の花の沖』で第51回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2007年に紫綬褒章、2017年に旭日小綬章受章。


取材・文/寺西ジャジューカ

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