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《スーパー南海地震 最悪のシナリオ》能登半島地震で懸念「首都直下地震」と「南海トラフ地震」2つの巨大地震で大阪万博中止の可能性「生き残るためには」

週刊女性PRIME / 2024年1月26日 7時0分

地震だけでなく津波でも甚大な被害をもたらした東日本大震災。南海トラフ地震では、それ以上の被害が予測されている

 能登半島地震の発生から3週間が経過した。石川県では最大震度7の揺れが襲った志賀町をはじめ、七尾市、珠洲市などで断水が続く。停電や燃料不足も解消されていない。道路の寸断で今なお孤立した集落もあり、被害の全容が見通せない状況だ。

元日に起こった能登半島地震

「災害のリスク評価を行う米ムーディーズRMSの試算によれば、今回の地震被害による経済損失は最大60億ドル、約8700億円に上ります。避難生活が長期化するなか、被災地以外の避難所に移る2次避難も進められています」(全国紙記者)

 国の調査では、石川県で2020年から30年の間に震度6弱以上の揺れが起きる確率は「0.1%から3%未満」となっていた。それにもかかわらず、なぜここまで大きな地震が起きたのだろうか。

 地球物理学者で武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は、こう話す。

「原因は、まだはっきりとはわかっていません。ただ、能登半島では'20年12月から群発地震が続いていました。今年の元日の地震も一連の群発地震の1つで、特別に大きな揺れとなった可能性があります

 マグマやガスを含んだ水が地下深くに入り込み、活断層を刺激して、地震を誘発したのではという専門家の見立てもある。しかし、

「水は何万年も前から地下に流れ込んでいて、昨日今日始まった現象ではない」

 と、島村教授は懐疑的だ。

マグマの上昇に伴い地震が引き起こされたケースも考えられます。能登地方は周辺に火山がないので不思議に思うかもしれません。しかし、火山帯がないところでマグマの上昇が見られたケースは、世界中で確認されています」(島村教授)

 一方、地形的な問題に目を向けるのは、立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授。災害リスクマネージメントを専門とする立場から次のように指摘する。

能登半島は有名な“地すべり地帯”。土壌がもろく、斜面がすべり落ちて崩壊しやすい場所なんです。しかも震源の浅いところで地震が発生したので大きな揺れとなり、地すべりを起こした。その結果、道路が波打つように隆起して、ずたずたに寸断されました。

 加えて日本海側では、干潮時と満潮時で潮の満ち引きの差が少ない。そのため海岸線ギリギリの場所に建てられた家が珍しくありません。当然、津波被害のリスクは高まります」

 群発地震の影響も見過ごせない。

3年あまり続いていた群発地震によって、建物がダメージを受けていたおそれがあります。さらに地震の前から人口が少ない過疎地で、耐震性の低い、古い建物が多い地域。強風対策で屋根に重い瓦を乗せている家屋も多くありました。そうした複数のリスクが重なり、被害拡大につながったのでしょう」(高橋教授)

首都圏が地震で二重に危ないワケ

 能登半島地震を受け、2つの巨大地震の発生が懸念されている。東京圏を襲う首都直下地震。それとマグニチュード(以下、M)9クラスといわれる南海トラフ地震だ。

 前出の島村教授によれば、

「地震には2つのタイプがあります。1つは海溝型地震。プレートが押されて変形し、ひずみが生じることで起きる地震です。東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震は、海溝型の典型です。

 もう1つは内陸直下型地震。プレートがゆがんだり、ねじれたりして発生します。今回の能登半島地震は、この直下型の地震でした」

 海溝型地震は被害の起きる範囲が広く、津波被害が甚大。直下型地震は人の住んでいる真下で揺れ、建物や家屋の倒壊を引き起こす特徴がある。

海溝型も、直下型の地震も起こりうる二重に危ない場所、それが首都圏です。首都圏の地下では3つのプレートが重なり合っています。こんな場所は世界でもここだけ。そこへ激震が襲う日は今日かもしれないし、もっと先かもしれない。ただ、必ずくることは確かです」(島村教授、以下同)

 '11年3月11日に発生した東日本大震災によって、首都強震のXデーは早まったおそれがあるという。

「東日本大震災は北米プレートを東南方向に大きく動かしてしまった。それにより各所にひずみが生まれ、地震が起きやすくなったことは確か。首都圏での大地震の発生が早まるかもしれません」

 歴史を振り返ると、海溝型地震は周期的に発生してきた。

「例えば1703年に起きた元禄関東地震は、1923年に発生した関東大震災の“元祖”だといわれています。このほかにも江戸時代には十数年に1度、震度6以上の揺れに襲われていましたが、ここ100年は極端に少ない。

 時間がたつほどプレートにエネルギーがたまり、それが満ちたときに起きるのが地震です。今のペースが続くはずがないので、いつか元の頻度に戻る。東日本大震災は、そのきっかけになるかもしれません」

 東京都防災会議によれば、首都直下地震の「最悪のシナリオ」として、建物倒壊が19万4431棟、死者数は6148人と試算している。

なかでも東京の下町エリアは江戸時代に埋め立てた地域で、地盤がもろい。木造家屋の密集地も多く、地震の際に火災で延焼する危険性があります。消防車が通れないほど細い道も少なくない」

 経済への打撃も大きい。前出の米ムーディーズRMSの試算では、関東大震災級の首都直下地震が発生した場合、経済損失は48兆5000億円に上る。東日本大震災の約3倍に相当する被害額だ。

「災害は病人や妊婦、障害のある人など、いわゆる弱者に牙をむく。インターネットからの情報を得にくい高齢者への支援策も必要です」

南海トラフ地震で大阪万博が中止に!?

 首都直下地震と並んで懸念される南海トラフ地震は、プレートが跳ね上がることで発生する海溝型の地震だ。気象庁は、南海トラフ地震と能登半島地震との「関連はない」としているが──。

能登半島地震が直接的に影響するわけではありません。しかし、今回の地震により、南海トラフ地震の発生に向けて確実に次の段階に進んだといえます」

 とは、前出の高橋教授。一体、どういうことなのか。

「能登半島地震で太平洋プレートが北米プレートを押して、それにより北米プレートが東から西へ動きました。その結果、フィリピン海プレートの下で噴火が相次ぐなど、火山活動が活発になっています。

 フィリピン海プレートが太平洋プレートに押され、ひずみが生じ、ユーラシアプレートが跳ね上がる。そうして起きるのが南海トラフ地震です。

 しかも、ほかのプレートまで一気に動かし、広範囲に連動して巨大地震を起こす可能性がある。それを私は『スーパー南海地震』と呼んでいます」(高橋教授、以下同)

 スーパー南海地震の被害は首都圏から沖縄にまで及び、東日本大震災をはるかにしのぐおそれがあるという。

スーパー南海地震が起きると、日本列島はM9クラスの激震に揺さぶられることになります。国は“最悪のシナリオ”で死者数32万人と想定していますが、甘いと言わざるをえない。

 私の試算では、少なくとも津波だけで50万人が命を落とします。この50万人という数字は、海に面した場所で暮らす住民の1%が亡くなった想定で試算した、いわば最低ラインです」

 政府が1月15日に発表した想定では、南海トラフ地震の発生確率は「10年以内に30%、20年以内に60%、30年以内に70~80%」としている。

「その日が近づいていることは間違いありません。私は、'25年の大阪万博の開催は難しいのではないかと思っています。それまでに激震に見舞われるおそれが高い」

 スーパー南海地震が起きると、大阪湾も津波に襲われる。専門家によっては、地震発生からわずか10分で到達するとの指摘もある。

「大阪万博の会場は大阪湾に浮かぶ人工島です。東京でいう“夢の島”と同じように、もとはゴミ処理場として埋め立てた場所で、地盤がもろい。そのうえ会場へアクセスするには夢舞大橋を渡るか、夢咲トンネルを通る2つのルートしかないのです。

 大阪府は1日最大22万人の来場者を見込んでいますが、大地震が起きて道路が寸断されたら、大勢の被災者は孤立してしまう。運よく道路が使えたとしても大阪市内の液状化は必至ですから、逃げ場がない。万博後にカジノを誘致どころの話ではありません」

来たるべき大地震を生き残るには?

 自然現象である地震を防ぐことは不可能。だが地震や揺れの大きさが、必ずしも被害の大きさに直結するわけではない。高橋教授が強調する。

「地震と違って、災害は防いだり減らしたりすることが可能です。例えば災害時の避難対策として、高層ビルや耐震性にすぐれた建物の1階入り口を開けて、地域に開放するように決めておく。誰でも逃げ込める状態にしておくのです。

 そのためには、災害が起きる前の準備が肝心。住民や地域の理解を得られるよう、事前に同意や協力を取りつけておく必要があります

 自宅で今日からできることはある。島村教授のおすすめは、こんな方法。

ベッドの下に歩きやすくて底の厚い靴を置いておく。ガラスが割れても外に逃げられます。また、夜中の地震に備え、懐中電灯を枕の下やシーツの下に入れておく。これなら激しい揺れでも飛んでいくことはありません」

 災害は待ってくれない。地震大国だからこそ得られた知見と教訓を、今こそ生かすことが求められている。

この人に聞きました……島村英紀教授●地震学者、武蔵野学院大学特任教授。『地震と火山の島国-極北アイスランドで考えたこと』など著書多数。
この人に聞きました……高橋 学教授●立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授。災害史に詳しく、地震についてさまざまなメディアで解説。

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