「普通に、かっこよすぎ〜!」ロックバンドとのライブ姿にギャップ、“キモ芸人”にファン熱狂の理由
週刊女性PRIME / 2024年5月13日 17時0分
「かっこよすぎだろ!」
ステージ上で汗だくになりながら長い髪を振り乱し、一心不乱にギターをかき鳴らす、どこか貫禄のある男。その動画がSNSで拡散されると、それを見た人たちからは称賛の声があがった。その男とは、ピン芸人の永野――。
「5月5日、下北沢のライブハウスで人気ロックバンドの『ギターウルフ』と永野さんによるライブが開催されました。ギターウルフは1987年に3人組で結成されバンド。激しくもポップな曲調で、海外でも人気があります。永野さんは、2009年に初めてギターウルフのライブに行って以来の熱烈なファン。ボーカルのセイジさんと仕事をきっかけに親交を深め、今回のライブ開催に至ったようです」(音楽ライター)
永野といえば、
「ゴッホより~、普通に~、ラッセンが好きー!」
と、ひたすら画家クリスチャン・ラッセンの名前を絶叫する芸風が特徴。過去に『嫌いな芸人ランキング』で1位を獲得したが、それを逆手に“気持ち悪い”も売りにしてきた。そんな永野が今“カッコいい”と賛辞を浴びる。ついに時代が永野に追いついたということか――。
「今年で芸歴29年目。1990年代からピン芸人として活動していますが、なかなか売れず。最初に所属した事務所は『ホリプロ』でした。事務所の人も永野さんに光るものを感じたのでしょうが、一向に芽が出ず。トラブルばかり起こす問題児で、最終的に“おまえがいると後輩に悪影響を及ぼすから辞めてくれ”と言われて、実質“クビ”になったのです」(芸能ライター、以下同)
上記を逸した独自の世界観が生まれた背景
30歳を目前に永野はフリーになって、アルバイトで生計を立てつつ、芸人の活動を続けた。鬱屈した日々を過ごしたが、苦しき日々が永野を醸成させる。
「2007年に単独ライブを開催したことで、変化が訪れたそうです。定期的にイベントを開催するようになり、そこで常識を逸したネタを披露するように。独自の世界観を構築していったんです」
開催していたイベント名は『永野ちゃん決起集会』。そのイベントに足を運んでいたという女性が、当時の様子を証言する。
「午前1時ごろから始まって朝までオールナイトで開催されるときに行っていました。今は知られるようになったネタですが“富士山の頂上から2000匹の猫を放つ人”なんかをやっていましたよ。最後に『ヨドバシカメラ』のCM曲が流れると永野さんが“いつものやるぞ~!”と言って、会場の全員で輪になってグルグル回るんです。その行動自体の意味は不明ですが、会場全体が一体となって動く瞬間が楽しかったなぁ」
若い女性にも支持されていた永野だが、主なファン層は意外な人たちだった。
「妻のためにも売れなくては」の決心
「会場には40代ぐらいのオジさんも多かったです。永野さんのネタでストレス発散していたのかな。今は売れたので、なんだか遠い存在になった気もします……」(永野ファンの女性)
都会の片隅で行われたイベントに熱烈なファンは訪れていたが、当時は永野の存在は広く知られてはいなかった。
「永野さんはインタビューで当時のことを振り返り“死のうと思った”とも話していました。2014年には長年交際していた女性と結婚したことから“妻のためにも売れなくては”と、思いつめたこともあったようです」(前出・芸能ライター、以下同)
そんな永野に転機が訪れる。俳優の斎藤工から映画出演のオファーが届いた。
「斎藤さんは映画監督としても活動していて、以前からファンだったという永野さんに映画の出演を依頼。撮影のとき、斎藤さんにラッセンのネタを見せたら大ウケして、映画でも採用されたそうです。これがキッカケで、永野さんはブレイクしていくんです」
今では音楽について語る本を出版するなど、多方面で活躍中。以前は見向きもしなかった多くの人が、ラッセンよりも、永野が好きに――。
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