「20代から漢方を愛用」ラーメンは年2回、健康美の冨永愛が期待するメンタルの支え
週刊女性PRIME / 2024年5月19日 19時0分
冨永愛 神奈川県生まれ。17歳でのデビュー以来、世界の第一線でトップモデルとして活躍。そのほかテレビやラジオ出演、イベントのパーソナリティー、俳優としても活動。国際協力NGOジョイセフのアンバサダー、消費者庁のエシカルライフスタイルSDGsアンバサダー、ITOCHUSDGsSTUDIOエバンジェリストも務める 撮影/山田智絵
ラーメンを食べるのは年に2回だけ、ピラティスとウエートトレーニングは週1回、加えてヨガも取り入れて、口にする炭水化物は酵素玄米を少々、さらに健康サプリを愛飲……と、日々ストイックに健康維持に努めている冨永愛さん。
その成果は、ご承知のとおり。40代に入ってからもトップモデルとして活躍を続けているだけでなく、女優としては『大奥』で徳川吉宗役を堂々と演じ、最近では、各種アンバサダーやSDGsの旗振り役としても引っ張りだこに。輝きは一向に衰えず、いつでも自信とエネルギーに満ちあふれているように見える。
「私、漢方薬との付き合いは長いんです」
しかし、そんな彼女にも、若いころから抱えてきた、あるお悩みがあった。それが、多くの女性にとっても悩みの種である“身体の冷え”だ。
「私たちモデルの仕事って、例えば真冬に夏ものの服を着て、写真を撮られなくちゃいけない。撮影現場の環境もまちまちで、温度調節が自由にできない。だから、身体の冷えには昔からけっこう悩まされてきましたね。手足の冷えもそうだし、それほど自覚がなくても身体の中心が冷えると免疫が下がるともいいますしね。だから、冷えは大敵なんですよ。モデルは何より自分の身体が資本。絶対、体調は崩せないので」(冨永さん、以下同)
そんなあるとき、仕事仲間から紹介されたのが葛根湯だったという。
「あのとき、まだ20代だったんじゃないかな。だから、私、こう見えて漢方薬との付き合いは長いんです(笑)」
17歳でデビューして以来、ニューヨーク、ミラノ、パリなど世界のランウェイを華々しく飾ってきた冨永さんを支えていたのが漢方だったというのは、ちょっと意外な事実かもしれない。
「葛根湯って、風邪のひき始めのときに飲むものというイメージだったんですけど、身体を温めるのにもいいし、実は首や肩のこりにも効くんですよね。だから、私にはおなじみの漢方薬です。私、首や肩のこりも、すっかり慢性化してしまっているので(苦笑)」
と、冨永さん。以来、自身で市販のものを買ったり、病院で処方してもらったり、漢方薬とは「いいお付き合いをさせていただいている」そうだ。
「漢方って、西洋医学が薬や手術で悪いところに直接作用するのに対して、自己免疫力を上げながら、根本的な体質改善をしていくものですよね。だから、私の好みにすごく合っているんです。セルフケアによって、免疫力、つまりエネルギーの底上げをするということなので」
さらに話を聞いてみると、お灸も体験済みだという。
「薬局でも売っているシールで貼るタイプのお灸ですけど、足の裏にあるツボの裏内庭、湧泉、失眠の3つに、ときどきするんです。いろいろ効用はあるみたいなんですけど、私の場合は、寝る前にリラックスするのが主な目的だったりします」
基本的にお灸はずっと自己流で楽しんできたという冨永さんだが、ナビゲーター役として出演するテレビ番組『NHKスペシャル 東洋医学を“科学”する』の中で専門家に話を聞く機会があり、驚いたことがあったとか。
「お灸って、あまり熱くなくてもいいそうですね。無理して我慢する必要はないんですって。私は熱いのがどちらかというと好きなんですけど(笑)、じんわり、あったかいな〜って感じるくらいで、十分効果があるらしいです」
さらに、愛飲している漢方薬についても発見があった。
「西洋の薬に比べると、程度はともかく、効果はゆっくりというか、長く飲み続けては
じめて効果が出るのが漢方薬だと思っていたんですけど、中には、飲んで5〜10分とか、半日くらいで効果があらわれるものもあるそうなんです。これは驚きでしたね〜。ブレンドする漢方の数や種類で、効果がいろいろ変わるんですって。あと、大腸の中にいる腸内細菌とも密接な関係があるんだとか。私、乳酸菌や麹菌とか、“腸活”のために発酵食品は意識的にとるようにしているんですが、ここにもつながりがあるとは。漢方とは長い付き合いだと思っていましたが、案外、知らないことってあるものですね(笑)」
近年、漢方や鍼灸など東洋医学の研究はますます進んでいて、その効能やメカニズムが科学的に証明されたり、新たな効用が発見されたりしている。中には日本を飛び出し、海外の治療現場で成果をあげているものもあるほどだ。
体調を崩した30代、東洋医学に望むこと
そして、冨永さんが期待を寄せているのは、中でもメンタルヘルスやホルモンのケアの面での効果だという。
「女性はメンタルバランスや免疫力などがホルモンに左右されやすいですよね。それを東洋医学が支えてくれるようになれば、と思います。どんなに不調でもすぐに薬だけに頼るのに抵抗がある場合もありますから」
例えば授乳期には、もし風邪をひいてしまっても強い薬は使えない。しかし、やさしく作用するような漢方やお灸であれば、比較的取り入れやすいだろう。
「不調のときに、病院まで行かなくてはいけない西洋医学にだけ頼るのではなく、自分でメンテナンスができる漢方が手元にあれば、なにかと忙しい現代女性にぴったりだと思います」
冨永さんは、30代のころに体調を崩したことで、自身の体力の変化に気づき、これまでの生活を細かく見直すという経験をしている。
そのときに感じた「ずっと20代と同じではいられない。これまでと同じ生活を続けていたのではダメだ」との思いは、今後も年齢とともに変化し続けていくであろう自身の身体と向き合うきっかけになった。
「40代になって、今度はプレ更年期といわれる年代に入ってきましたけど、相変わらず、冷え、首や肩のこりは続いています。耳鳴りやストレスが胃腸に響きやすいのも、悩みといえば悩みですね。それらが、今後、どう変化していくのか……。ホルモン検査なども受けて対処法は考えていますけど、そのひとつに、東洋医学をぜひ取り入れたいと思っています。とりわけメンタル面ですかね。メンタルを支えてくれる東洋医学がもっと身近にあれば、女性たちは心強いんじゃないかと思います」
NHKスペシャル 東洋医学を“科学”する
~鍼灸・漢方薬の新たな世界~
5月19日(日)21:00~21:49放送予定
鍼灸にはどんな効果が? 漢方薬が効くメカニズムは? モデル・冨永愛さんが専門家の施術や診断を通して東洋医学を体感! 世界各地の研究や臨床のドキュメントを交えながら西洋医学と東洋医学が出合うことで広がる新たな医療の可能性に迫っていく。
取材・文/八坂佳子
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