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《春ドラマ中間選挙》がっかり第1位は「記憶喪失ものへ途中参戦」“看板ドラマ枠”の凋落

週刊女性PRIME / 2024年5月27日 11時0分

(左から)篠原涼子、石原さとみ、広瀬アリス、長谷川博己、今田美桜

 この春スタートした連続ドラマもいよいよ後半戦に突入! 法廷ドラマの多さや記憶喪失ネタがかぶりすぎなどの話題で盛り上がる春ドラマ。そこで、前半戦を振り返りつつ、期待を裏切ったドラマ&高い支持を得たドラマをランキング。20代~50代の女性1000人アンケートの結果は、はたして……?

春ドラマ「がっかり」中間選挙

 今回のランキングを見ると、がっかりとハマった両部門にランクされている作品が多いことに気がつくだろう。ドラマウォッチャーの漫画家・カトリーヌあやこさんは、「今クールのドラマはさまざまな要素を入れ込んだ欲張りな作品が多くて、こういうドラマです、と一概に説明できないんです。こんな物語だろうなと想像しながら見始めても、そうじゃない展開になっていく。

 それに対して『思っていたのと違ってがっかり』となるか『想像を超える意外な展開』と面白がるかの違いが、このランキングに表れているような気がします」と分析する。

 まずはがっかり部門から。5位は“めるる”こと生見愛瑠が記憶喪失のヒロインをキュートに演じている『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)。

「キャストはいいけどストーリー展開が……。思ったよりトキメキがなかった」(東京都・28歳)など、ラブストーリーとして物足りなさを感じている人が多いよう。

「生きづらい日常から自分をリセットするというのは昨今のドラマのトレンドですが、この作品のめるるもそうで、その装置として記憶喪失が使われている。単純に3人のイケメンをめぐるラブストーリーが見たい人にとっては、その部分が余計なものに感じちゃう」(カトリーヌさん)

 4位は篠原涼子扮する書けない小説家とバカリズム扮する事件が解けない刑事のバディもの『イップス』(フジテレビ系)

「バカリズムっぽくない。もっとナンセンスな笑いが見られると思った」(広島県・47歳)、「事件への真剣さが感じられず、コメディーにもなってない」(東京都・46歳)など手厳しい声も多い。

「私自身、こんな感じだとは……というがっかり感が強いです。まず謎が解けなくなるという刑事のイップスがよくわからない。普通は銃が撃てなくなるとかですよね。マニアックなバディものと思いきや、2人ともそんな変人でもないし、事件自体もわりと普通で面白みがない。

 バカリズムさんらしくないというコメントがありましたけど、彼が脚本を書いているわけではないので、これは仕方がない。ただ、それに気づいていない人が多くて、変にハードルも上がっちゃってますよね」(カトリーヌさん)

 3位の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)はハマった部門では2位に入っていて、最も好き嫌いが分かれた作品。池井戸潤原作のヒットドラマのリメイクだが、がっかりの理由は「杏ちゃんのイメージが残っていて違和感がハンパない」(青森県・44歳)という意見に尽きるかもしれない。

「今田美桜さんはフレッシュでチャーミングなイメージが強いので、新人行員っぽく見えちゃうんですよね。でも杏さんが花咲舞を演じたのは28歳で、今田さんは27歳だから年齢はほぼ同じなんですよ。

 ただ、枠を土曜夜9時に移したのは失敗だったかも。やっぱり日テレの女性のお仕事ドラマといえば水曜夜10時。週の半ばにそういうドラマを見て、後半も頑張ろうみたいな視聴習慣があったはずで、それをなくしちゃったのはもったいなかった」(カトリーヌさん)

話題の記憶喪失ものの中からがっかり1位が

 2位にランクインしたのは『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)。間宮祥太朗が悪魔の主催するデスゲームに挑む知的エンターテインメントだが……。

「悪魔とか設定があり得なさすぎて入り込めない」(広島県・41歳)、「ゲームの内容が複雑。一度聞いただけでは理解できない」(東京都・44歳)など少年漫画を実写化する難しさがはっきりと出たもよう。

「ハマった部門には入ってないので、実質がっかり1位かも(笑)。内容的には名作『ライアーゲーム』を彷彿させますが、一番の違いはクセの強い面白い脇キャラがいない。なのに悪魔がいるからリアリティーがなくなり、逆に恐怖感が薄れちゃう。こういう系統の少年漫画は2.5次元舞台までだなと改めて思いました」(カトリーヌさん)

 そして、がっかり1位に輝いてしまったのは、またしても月9作品。広瀬アリス主演の『366日』(フジテレビ系)

「またも月9で暗いラブストーリー。しかも記憶喪失かぶりって……」(埼玉県・48歳)、「ありきたりのお涙頂戴もので、HYの名曲『366日』の世界観も感じられない」(北海道・45歳)など重い内容と話の途中で判明した記憶喪失に不満の声が多数。

「月9は不動のがっかり枠になってしまいましたね(笑)。学生時代に好きだった人と再会するけど、彼は困難な日常を送っている。その現実と学生時代のキラキラを交互に描くという構成は名作『silent』と同じなのに、中身はまるで違う。

 心に響くセリフも美しい映像もなく、音楽はOfficial髭男dismではなく懐メロ感の強いHYの『366日』。それに加えて、まさかの記憶喪失ものへの途中参戦……これじゃあがっかりしちゃいます」(カトリーヌさん)

春ドラマ「ハマった」中間選挙

 続いてはハマった部門。5位は2作品が同票でランクイン。『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系)は記憶が1日でリセットされる脳外科医を杉咲花が演じる医療ドラマ。

「単なる医療ものではなくミステリー要素もあり、役者がみんなうまい」(京都府・35歳)、「これまでの医療ものでは扱われなかった脳関連の症例が興味深く、人間ドラマとしても面白い」(埼玉県・52歳)と数ある記憶喪失ものの中では好感度がずば抜けて高い作品だ。

「非常に良作です。記憶喪失も物語上の装置としてではなく医療的にきちんとした扱いをされています。杉咲さんの演技が素晴らしくて、朝起きると前日の出来事が書かれたノートを読むんですけど、そのたびにかすかに絶望するんですね。その表現がすごくリアルで、ほかの記憶喪失ものとは一線を画してる。めるるはこんなに悩んでないぞって(笑)。

 相手役の若葉竜也さんとのお芝居の相性もよくて、彼は映画畑の人ですけどこの役でブレイクしそう」(カトリーヌさん)

 同じく5位に入ったのは山下智久が気象予報官を演じる救命ものの『ブルーモーメント』(フジテレビ系)。「気象学を使った救命が新鮮だし、山Pがカッコいい」(熊本県・53歳)、「山Pと『コード・ブルー』好きにはたまらない」(北海道・50歳)と狙いは明らかで、それが満足感につながっている。

「気象学からの災害救助という題材が面白いし、やっぱり救命ものはカタルシスがある。山Pは『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』だとずっとクールだけど、今回は気象予報官として愛想を振りまいていたりもして、そのギャップもいい。

 この作品でも本田翼さん扮する恋人がなぜ亡くなったのかという謎があって、やはりその裏には巨悪がいるのか……(笑)」(カトリーヌさん)

人気の弁護士ものにハマったの声が集中

 4位はがっかりから1ランクアップの『くるり~誰が私と恋をした?〜』。「周りの男性陣がカッコいい。めるるも可愛すぎ」(北海道・46歳)、「男性陣の謎とヒロインの自分探しにも考えさせられる」(静岡県・38歳)とほかの記憶喪失ものよりは軽く見られる点が好評のよう。

「たしかに『366日』ほど重くなく『9ボーダー』(TBS系)よりはキュンとする。めるるは女性からの支持が高い女優さんですし、神尾楓珠、宮世琉弥、瀬戸康史とタイプの違うイケメンにそれぞれの謎を用意しているので、女性視聴者はモチベーション高く見られます(笑)」(カトリーヌさん)

 3位は石原さとみが検事を演じるドラマチックラブサスペンス『Destiny』(テレビ朝日系)

「それぞれが抱える問題がひとつにつながっていくのが面白い」(長野県・41歳)、「人間関係が複雑に絡み合っていて、展開が読めそうで読めない」(東京都・48歳)など物語に引き込まれている人が多い。

「がっかり部門でも7位に入っていますが、これに関しては初回の大学時代を演じた石原さとみさん、田中みな実さん、宮澤エマさんの美魔女感に引いちゃった人が多いのでは(笑)。

 亀梨和也さんの属性が殺人、放火、余命と回を追うごとに積み重なって、面白くなってきました(笑)。最終的には石原さんが法廷でカッコよくすべての謎を解き明かすのかな。それも含めて楽しみです」(カトリーヌさん)

 2位の『花咲舞が黙ってない』もがっかりからのランクアップだ。「言いたいことも言えない世の中だから、見ていてスカッとする」(東京都・50歳)、「主演が変わっても爽快感は変わらない」(埼玉県・46歳)などやはり池井戸潤原作の銀行ものにハズレなしということか。

「わかりやすい勧善懲悪ものなので気楽に見られるし、今田さんと山本耕史さんの無鉄砲な若手とやるときはやるおじさん的なコンビもいい。まさかの半沢直樹の登場とそれを劇団ひとりさんが演じるというサプライズも面白かった。

 他局だから堺雅人さんは無理だし、ほかの俳優はやりづらい。そう考えたらベストな人選かも」(カトリーヌさん)

 そして、春ドラマのハマった1位に輝いたのは、長谷川博己が謎めいた弁護士を演じて話題の『アンチヒーロー』(TBS系)だ。

「単なる正義のヒーローではなく、どんな手を使ってでも信念を貫くのが面白い」(長野県・41歳)、「こういう怪しいハセヒロを待っていた! クセの強いセリフ回しと先の読めない展開も最高」(山口県・30歳)と長谷川のダークヒーローぶりと予測不能の展開に多くの人々がハマっているようだ。

「初回から主人公が普通じゃないアプローチで謎を解き明かし、彼が正義か悪かわからないまま、どんどん物語が進んでいく。これぞ連ドラの醍醐味って感じがします。

 北村匠海さんもうまいし、野村萬斎さんの飄々とした佇まいもいい。それぞれ何らかの理由があって、あの法律事務所に集められてそうで、じゃあ林泰文さんは? 大島優子さんは?って、どんどん疑心暗鬼になっていく。そんなふうに物語に乗せられていく感じもいいんですよね」(カトリーヌさん)

 今回のランキングはこのような結果になったが、それぞれのドラマはまだ折り返したばかり。大きな謎に向かって物語が収斂していく作品が多いだけに、結末次第でがっかりとハマったの評価がガラリと入れ替わる可能性も大。はたしてどんな結末を迎えるのか、楽しみに見守りたい。

がっかり春ドラマTOP10

1位 『366日』 88票
 フジテレビ系 月曜夜9時 出演/広瀬アリス
2位 『ACMA:GAME アクマゲーム』 71票
 日本テレビ系 日曜夜10時30分 出演/間宮祥太朗
3位 『花咲舞が黙ってない』 66票
 日本テレビ系 土曜夜9時 出演/今田美桜
4位 『イップス』 62票
 フジテレビ系 金曜夜9時 出演/篠原涼子
5位 『くるり~誰が私と恋をした?~』 55票
 TBS系 火曜夜10時 出演/生見愛瑠
6位 『アンチヒーロー』 51票
 TBS系 日曜夜9時 出演/長谷川博己
7位 『Destiny』 43票
 テレビ朝日系 火曜夜9時 出演/石原さとみ
8位 『ブルーモーメント』 40票
 フジテレビ系 水曜夜10時 出演/山下智久
9位 『Re:リベンジ‐欲望の果てに‐』 37票
 フジテレビ系 木曜夜10時 出演/赤楚衛二
10位 『東京タワー』 35票
 テレビ朝日系 土曜夜11時 出演/永瀬廉

ハマった春ドラマTOP10

1位 『アンチヒーロー』 106票
 TBS系 日曜夜9時 出演/長谷川博己
2位 『花咲舞が黙ってない』 88票
 日本テレビ系 土曜夜9時 出演/今田美桜
3位 『Destiny』 79票
 テレビ朝日系 火曜夜9時 出演/石原さとみ
4位 『くるり~誰が私と恋をした?~』 60票
 TBS系 火曜夜10時 出演/生見愛瑠
5位 『アンメット ある脳外科医の日記』 52票
 フジテレビ系 月曜夜10時 出演/杉咲花
5位 『ブルーモーメント』 52票
 フジテレビ系 水曜夜10時 出演/山下智久
7位 『おいハンサム!!2』 43票
 フジテレビ系 土曜夜11時40分 出演/吉田鋼太郎
8位 『イップス』 40票
 フジテレビ系 金曜夜9時 出演/篠原涼子
9位 『ソロ活女子のススメ4』 38票
 テレビ東京系 水曜深夜1時 出演/江口のりこ
10位 『366日』 37票
 フジテレビ系 月曜夜9時 出演/広瀬アリス

カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など

取材・文/蒔田陽平

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