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佳子さま、ギリシャ訪問で期待される海外親善を父・秋篠宮さまの“原点”から紐解く

週刊女性PRIME / 2024年5月26日 21時0分

佳子さま

 秋篠宮家の次女、佳子さまが、5月25日から6月1日の日程でギリシャを公式訪問することが閣議で了解された。今年は、日本とギリシャとの外交関係樹立125周年で「日本・ギリシャ文化観光年」にあたり、ギリシャ側から招待されていた。首都アテネでサケラロプル大統領を表敬訪問し、125周年記念式典に出席するほか、聴覚障がい者施設や孤児院の視察、世界遺産であるアテネのアクロポリスにある古代ギリシャ最高建築といわれる、パルテノン神殿の訪問などが予定されている。

3度目の外国公式訪問の佳子さま

 佳子さまは昨年、外交関係樹立150周年の機会にペルー政府から、同国に招待したいとの申し出を受け、11月1日から10日間の日程でペルーを公式に訪問した。また、2019年9月15日から25日までオーストリアとハンガリーを公式訪問しており、ギリシャ公式訪問は、彼女にとって3度目の外国公式訪問となる。

 以前、この連載で紹介したが、

 秋篠宮ご一家は2003年8月7日から21日までの約2週間、タイを私的に訪問した。当時、佳子さまは8歳で学習院初等科3年生、初めての海外旅行だった。ご一家は首都バンコクにあるチトラダ宮殿にシリントーン王女を表敬訪問し、職業訓練施設「サポート財団訓練センター」を訪れた。タイの東北部に移動した一行は、ウボンラーチャターニー大学で行われた、秋篠宮さまの名誉博士号(農学)の授与式に臨んだ。

 国立公園を散策し、メコン川の景観なども楽しみ、さらに、プミポン国王と王妃を表敬訪問するなど、佳子さまはタイで充実した夏休みを過ごした。同年11月の誕生日会見で、秋篠宮さまは次のようにこの旅を企画、実行した意義などを強調した。

「外国に行って日本と違う文化に触れる、これは大変良いことだと思います。日本とはまったく違った文化に触れる、そこで日本との違いというものを感じることができると思います。しかし、一方で同じアジアの国で日本と非常に似ている点、共通している点ということにも気がつくのではないか、そうすることによって(略)、さらに日本の文化を理解する一つの契機になるのではないかと、そのように私は思いました」

海外親善の原点

 佳子さまにとって海外親善の原点ともいえるタイ旅行だった。

 それから遡ること18年前、19歳の学習院大学生だった秋篠宮さまは、学習院を中心とした友人や先生たちと初めてタイの調査研修旅行を体験した。1985年8月14日から24日の日程で、訪問先はバンコクや古都アユタヤ、スコータイ、チェンマイなど。秋篠宮さまと友人計13人ほどで、先生2人が同行した。関係者によると、アジアのどこかの国へ行きたいという話になり、王朝があり、歴史も古くて面白そうなタイはどうだろうか?という議論となり、「自分たちのこの目で、実際に確かめてみよう」と、タイへの調査旅行が決まったという。

 訪問前に東南アジア史研究の第一人者でタイの歴史にも詳しい京都大学名誉教授、石井米雄氏から話を聴き、8月13日、東京から大阪に移動。国立民族学博物館で専門家から講義を受け、伊丹空港(当時)からタイに向けて出発した。当時、日本大使館専門調査員でタイに詳しい赤木攻・大阪外国語大学名誉教授(元同大学学長)がバンコクで一行と合流し、案内役を務めた。

 タイでは早朝から活動を開始し、夕食後は深夜まで、その日訪れた場所などの感想や意見交換をするなど、「きわめてストイックな日々で、参加者たちのその後の人生に大きな影響を与えた旅だった」(関係者)という。終戦の日の8月15日の正午、秋篠宮さまが黙禱するのに合わせて全員で、戦没者たちに黙禱を捧げた。タイ調査旅行の思い出について秋篠宮さまは次のように語っている。

《アユタヤの手前にあるバンパインという昔の離宮に行きました。そこにはかなり大きなお堀がありまして、魚が泳いでいるのです。よく見ましたらテッポウウオでした。口から水鉄砲のように水を発射して、空中の虫を射落として食べる魚です。

 歩いているうちに橋があって、そのそばでパンを売っていました。魚のエサだと言うのですね。3、4斤もある大きな塊です。ちぎってあげようとしたら、そのまま投げ込めと言われた。そこで大きな塊を放り投げたら、下から何か出てきてひと飲みにパクッと食べてしまったんです。東南アジアにはこんなにすごい魚がいるのかと感心しました。それからタイに興味を持って仕事をするようになりました》
(筆者著『秋篠宮さま』より)

秋篠宮さまが成年時に答えたアジアへの関心

 国際親善の出発点となったタイ調査旅行から3か月後の11月30日、秋篠宮さまは20歳の成年となった。その直前に初めての記者会見が行われ、次のように答えている。

「夏にタイを訪ねてから、アジアに関心を持つようになりました。日本と文化、生活習慣が違っていて興味深い。アジアの国々を訪れ、さらに深く知りたいと思います」

 佳子さまは、まじめな性格でコツコツと努力を積み重ねるタイプだ。昨年のペルー公式訪問で、聴覚に障がいがある子どもたちが通うリマ市の公立ろう学校「ベートーベン初等特別支援学校」を訪れた際には、ペルーで使われている手話を使って挨拶をしたり、子どもたちと交流を深めた。佳子さまは、この日のためにペルー手話の動画を日本に取り寄せ、自宅などでペルー手話の勉強を重ねてきたという。こうした努力が実を結び、ペルーでは多くの人たちの心をつかんで訪問は大成功だった。

「ペルーもそうですし、それから、手話を使った公的な行事ということもお話にありましたけども、日本国内での公的な仕事、そういうものも併せて非常に一所懸命取り組んでいると私は思っています」(昨年11月27日の記者会見)と、秋篠宮さまも佳子さまを高く評価している。

 現在、佳子さまはギリシャ公式訪問に向けて、着々と準備を進めているであろう。ファッションセンスが注目されるのもうれしいが、佳子さまがギリシャの人たちをどのように魅了し、友好親善の成果を上げるのか。私は大いに楽しみにしている。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など

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