梅雨は「ひざ裏」を温める!イライラ、不眠を解消、ゆらぎの季節を乗り切るカラダの整え方
週刊女性PRIME / 2024年6月1日 8時0分
梅雨の時季になると、身体のだるさや頭痛などの不調を感じる人が多く、女性の6割、50代女性では7割が体調不良になった経験があるという調査結果もある。
「梅雨の時季は気圧が低い日が続くため、交感神経が刺激されてヒスタミンという発痛物質の分泌が多くなり、頭痛や肩こり、腰痛などの不調が現れやすくなります」
と教えてくれたのは、ボディバランス整体師の吉田佳代さん。独自の足ツボ療法や全身オイル整体技術を開発し、その施術には医師や看護師も通う。
ホルモンバランスの乱れで不調が加速
「低気圧による不調は、低気圧頭痛や天気痛とも呼ばれていて、交感神経が活発になりすぎ、自律神経のバランスが崩れることで起こります。特に50代女性は、女性ホルモンの急激な減少によりホルモンバランスや自律神経のバランスを崩しやすいため、梅雨の時季は余計に更年期のつらい症状が出やすくなります」(吉田さん、以下同)
さらに、湿度の高さも不調の原因に。
「湿度が高くなることで、余分な水分や老廃物を排出する身体の機能が弱まり、むくみやだるさにもつながります」
そんな梅雨どきの不調を解消するのに有効なのが、“足を温めること”。シンプルすぎて意外に感じるかもしれないが、あらゆる不調に高い効果があるという。
「足は全身を支えてくれる身体の土台。足を温めることで全身の血流が高まり、内臓の働きが良くなります。そもそも、冷えがあるのは病気や不調を起こしやすい状態。病気を防ぎ、健康でいるためには、身体を温めることが重要です」
不調のシグナル!足の冷えチェックリスト
□ひざの裏の中央を押すと痛い
□ひざの裏が硬い、または膨らんでいる
□左右の足の裏の色が違う
□身体が硬く、前屈が十分にできない
□汗をかきにくい
内臓の働きを助ける“足温め”の効果
足を温めることで、まず元気になるのが“肝臓”だ。
「肝臓の機能は主に代謝や解毒ですが、熱を作り出す働きも担っています。足を温めると熱を作る作業の助けとなり、肝臓の負担が軽減。その結果、身体の代謝や解毒がスムーズになり、むくみや頭痛といった不調の改善につながります」
また、更年期の症状も、ホルモンバランスの乱れや筋肉量の低下により、身体が冷えていることが原因のひとつ。
「更年期の女性が冷えを感じる部位は、多くの場合、足。ですから、まずは足を温めることが、症状改善につながるのです」
吉田さん自身も、かつて母親の病気などによる精神的ダメージや自律神経の乱れから身体の冷えがひどくなり、足がフラついて歩けないほどの不調を経験。
「当時、病気の母も私自身も、足湯を続けることで全身の痛みや不調が和らぎ、足のケアの重要性を実感しました」
とはいえ、普段の生活で足湯をするのは準備や片付けが大変だと感じる人も。
「理想的なのはひざまでつかる足湯の桶ですが、家庭ではなかなか用意が難しいはず」
そこで吉田さんが教えてくれたのが、ひざをピンポイントで温める方法。
ひざ裏は温め効果が出やすいポイント
「簡単なのは、ひざの裏にドライヤーの温風を当てる方法。部分的に温めることで、お灸と同じ温熱効果を得られ、早く効率的に冷えを解消できます。髪を乾かすついでなど、手軽にできておすすめです」
ひざ裏は、足を温めるうえで要となる部位。
「ひざの裏にはリンパ節があるため、温めることで血液とリンパの流れがよくなり、足全体が温まりやすくなるんです。
また、身体の熱の多くは筋肉が作り出しています。身体の中でも一番大きな筋肉である太ももに近いひざ裏から温めることで、太ももにダイレクトに血流が行き渡り、熱を作り出せるようになります」
さらに不調のサインも、ひざ裏で確認できるそう。
「冷えやむくみ、身体にゆがみがあると、ひざ裏のリンパ節が詰まってパンパンに張ってきます。また、腰痛がある人も、ひざ裏が硬くなっています。不調の自覚があまりない人も、ひざ裏が硬かったり、盛り上がっていたり、押して痛みがあったりする場合は、放置せずケアを心がけたほうがいいでしょう」
ドライヤーのほかにも、吉田さんがひざ裏温めに活用しているのが、手作り湯たんぽ。
「ひざの裏に当てるだけで、全身ぽかぽかになります」
また、足湯ならぬ“ひざ湯”もおすすめ。
「ひざ上までお湯につける方法ですが、深い容器を準備するのが難しい場合は、湯船に浅くお湯をためて、ひざ立ちの姿勢を取ってもOK。41℃ぐらいの熱めのお湯に5分~10分つかると身体全体が温まります。
ひざが痛い場合はタオルを敷くなどして、無理のない長さで行ってください」
効果がすぐに出てくるのも続けやすいポイント。
「1回行うだけでも、腰の柔軟性が上がって前屈しやすくなるなどの変化が実感できます。続けていくほどに効果は出やすくなりますよ」
特に体温が35℃台など低めの人は、血流が悪く、自分ではなかなかエネルギーが作り出せない状態のため、継続ケアが必要。
「最初は1日1回、毎日続けるのがいいと思います。汗をかきやすくなったり、猫背が改善されたりしたら、効果が表れてきているサイン。体温が36℃台に上がったら、少しずつ間隔を空けて、自らの温める力を呼び起こしていくようにしましょう」
暑さ対策や転倒防止も温め習慣で万全
これから夏にかけて蒸し暑い日が続くようになると、ついつい身体を冷やす行いや服装をしがち。しかし、夏の暑さを乗り切るためにも、温め習慣を身につけておくことが大切だと吉田さん。
「気温が高くなると自覚しづらいのですが、実は夏場も身体が冷えている人は多いんです。夏は暑い外気と冷房の効いた室内との温度差が激しいため体温調節がしきれず、少しの暑さで急に汗をかく一方で、足は冷えていたりします。
そういったことがあるので、身体のバランスを整え、厳しい暑さや温度差に対応できる身体をつくるためにも、ひざ裏温めを習慣にしていくといいと思います」
さらに、普段の生活の中でも、ちょっとした心がけで冷えを予防・改善できる。
「足の指を動かすだけでも血流がよくなり、冷えが改善。ひざ裏温めとともに習慣づけて身体の土台を整えておくと、高齢になってからも転倒しにくい足になりますよ」
ドライヤーでの温め方
ドライヤーの温風を、ひざ裏に1~3分当てる。やけどに注意し、熱いのが苦手な人や乾燥肌の人は、薄手の服の上から風を当てて。
ドライヤーを当てた後にひざ裏をほぐすと効果的。ひざ立ちの姿勢でひざ裏の中央に親指を置き、リンパ節をゆっくりと押すようにほぐす。
手作り湯たんぽの作り方&温め方
水で濡らして絞ったフェイスタオルを電子レンジ(500W)で1分温め、厚手のジッパー付き保存袋に入れる。熱ければ、さらにその上からタオルを巻く。
うつ伏せに寝て足にバスタオルをかけ、ひざ裏に湯たんぽをのせる。温かさを感じなくなったら外す。
教えてくれたのは……吉田佳代さん●吉田佳代ボディケアビューティクリニック代表。ボディバランス整体師。手技療法士。延べ約8万人の施術および指導実績を持つ。著書に『不調を解消するすごい足温め』(あさ出版)など。
取材・文/當間優子
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