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「タバコは3箱買ってこい!」多摩川スーツケース遺体事件、容疑者“ヤンキー家族”の素性

週刊女性PRIME / 2024年6月4日 6時0分

左から西高舞容疑者、父の昌浩容疑者

 東京都大田区の公営団地近くの住民は振り返る。

普通の家族じゃない。アッチ系の人。母親はすれ違うと顔をそむけるし、息子も娘も挨拶をしない。娘はいつもダブダブのスウェット上下にサンダルを突っかけ、ヤンキーみたいだった。息子は少年時代から素行が悪く、3人ともそんな感じ。騒音は特にひどかったが、ヘタに文句を言うと逆ギレしかねないのでみんな我慢していた」

 その公営団地に住む一家こそ、神奈川県警が死体遺棄の疑いで5月25日に逮捕した無職・西高舞(32)と母親の無職・美保(51)、兄のアルバイト・昌吾(34)、そして父親で長らく別居中の派遣社員・昌浩(53)の4容疑者だ。

 舞容疑者の現在の交際相手で大阪府高槻市の会社員・岩城周平容疑者(39)を加えた5人で共謀し、昨年12月中旬ごろ、舞容疑者の元交際相手で東京都江戸川区の原唯之さん(46)の遺体をスーツケースに詰め、団地近くを流れる多摩川の河川敷付近に遺棄した疑いが持たれている。

被害者と金銭トラブルか

 遺体が発見されたのは昨年12月29日のこと。

「約2キロ下流の対岸で釣り人から“大きめのスーツケースがある”と通報があり、回収したスーツケースから手足を折り曲げられた遺体が見つかった。首に絞められた痕があり、死因は窒息で死後数日程度と判明。県警は殺人事件とみて捜査に着手し、遺棄現場近くの路上で顔を隠した3人の男がスーツケースを押して歩く防犯カメラ映像にたどり着き、裏付け捜査を進めていた」(全国紙社会部記者)

 スーツケースには重りがついていたが、漂いながら泥などが堆積する地点まで流れついたとみられる。

 母・美保容疑者は「やっていない」と容疑を否認し、ほかの4人は認めているという。

「原さんはニコニコ動画やユーチューブなどで生配信する“アウトロー系配信者”として知られ、指定暴力団の名前を口にするなど過激だった。リスナーの舞容疑者と昨年3月から交際を始めて同9月に破局し、舞容疑者から脅迫で訴えられ罰金刑を受けた。金銭トラブルもあったようで、原さんは配信で“なぜ父親が出てきてカネ、カネと言うのか”などと不満をぶつけていた。舞容疑者は“動画で私や家族を誹謗中傷されるのがイヤだった”などと供述しており、県警は詳細を調べている」(同・記者)

「迷惑な一家」

 約20年前、同区内から引っ越してきたときから父親の姿はなく母子3人だった。

 美保容疑者については、あまり見かけなかったとする声がある一方、舞容疑者に向かって「タバコは1箱じゃなく3箱買ってこい!」と怒鳴りつける姿も目撃されていたようだ。

「ヒラヒラのついた派手なシャツに、赤、黒、ピンク、紫などパンチのあるカラーを多色使いしたスパッツをよくはいていました。夕方過ぎに出かけていたので、夜のご商売かなと思っていました」(同団地の女性住人)

 娘の舞容疑者については、「明るく元気に挨拶してくれる娘さんです」(男性住人)

 と好感を示す声もあったが、気性は荒かったようだ。

 2年前の夏の出来事。

「舞容疑者が大きな段ボールをゴミ集積場に出そうとしたので“あなた、きょうは段ボール出す日じゃないよ”と注意したら、聞き間違えて“あんたとはなんだ! てめえ、あんたって言ったろ!”と、ものすごい剣幕で追いかけてきて、肩をつかんで“謝れよ”としつこかった。面倒くさくなって“はい、はい、ごめんなさい”と謝ると、その謝り方が気に入らなかったようで、私の自宅まで来てドアをガッとつかんで閉めさせない。怖くなって向かいの家に逃げ込んでも諦めず、ずっとギャアギャアわめいていた」(近所の住民)

 別の近隣住民はこう明かす。

「舞容疑者は金髪になってから化粧が濃くなって、出合い頭に思わず“わあ、すごい”と声を出してしまったんです。無言で“うっせえな”という表情でにらみつけられました。兄貴(昌吾容疑者)は真夜中に大音量で音楽をかけてパトカーを呼ばれたり、よその家のドアを蹴飛ばすこともありました」

 総じて「迷惑な一家」と断じる声も。その大きな要因が、周辺宅の生活や睡眠を妨げる騒音だった。

とにかくボイラーの音がうるさいんだ。壊れているのか、ジェット機が飛び立つような“ブワァー”っと響く大音量で、あの家に近づくと会話がかき消されるんだから。一晩に3回、1時間ずつ爆音を聞かされたこともあり、風呂の追い焚きにしては長時間すぎるので、室内音や声をかき消す何らかの目的があったのではないか」(団地の男性住人)

唯一よかったのは父の評判

 複数の住人によると、爆音ボイラーがひどくなったのは昨年末ごろという。

 容疑者宅にはもうひとつ気になることが。

「昨年の暮れ、あの部屋から甘い匂いが漂ってきたんです。香水ではなく芳香剤のような匂いでした。逮捕当日、部屋に刑事さんが出入りしてドアが開いていたときも同じ匂いがしました」(近所の住民)

 この匂いも複数の近隣住民が嗅いでいる。

 さらに今年3~4月ごろ、一家はベッドを捨て、玄関脇に大きなスーツケースを置いていたという。

「ベッドはすぐ廃品回収業者が引き取ったようでした。スーツケースは腰の高さぐらいあり、長旅に出るようなサイズでした」(女性住人)

 犯行に使用したスーツケースは事前に購入したものだった。のちに目撃されたのは予備だったのか、サイズが合わなかったのか。原さんのSNSには死後も生きているように見せかける投稿があり、偽装工作の可能性が高い。

 一家で唯一、評判がよかったのが千葉県船橋市で女性と暮らしていた父・昌浩容疑者。約3年前に同居女性が病死してひとり暮らしだった。

「別れた妻子がいるなんて知りませんでした。奥さん(同居女性)ががんを告知され、闘病を支えるために派遣の仕事に切り替えたそうです。外国産の愛車で病院の送迎をする愛妻家でした。亡くなってからは奥さんが世話をしていた犬や猫をかわいがって“この子たちがいるから生きていられるんですよ~”と、穏やかでやさしい方でした」(近所の女性)

 同居女性が亡くなってから白髪になり、一度も髪を切らず後ろで束ねるようになったという。パートナーを失った生活が続く中、一度は捨てた家族や娘を気にかけるようになったのか。

 美保容疑者以外の4人は殺害への関与を認めているとされる。離散家族の再結集は間違いだった─。

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