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《93歳の料理系YouTuber》道場六三郎は今も現役!語った7つの“仕事術”とたった1つの“動機”

週刊女性PRIME / 2024年6月12日 10時0分

料理人・道場六三郎さん

 YouTube『鉄人の台所』ではさまざまな家庭料理を披露し、チャンネル登録者数は19万人に上ります。

 自身が経営する日本料理店「ろくさん亭」は連日満席で、時には自身が厨房に立つ特別な食事会を開催したり、調理器具を開発したり、介護食のメニューを考えたり……。仕事への意欲はまだまだあふれ出ているようです。

 その源はなんでしょう。道場六三郎さんにうかがいました。

「長く続けられたのは女房のおかげ」

 1月で93歳になりました。

 特に今年は「生誕祭」として、僕の店「ろくさん亭」で食事会イベントをやったんですよ、「ろくさんの人生を食べ尽くすコース料理」と銘打って。

 振り返ると、長い間料理人をしてきたもんです。18歳で知り合いの魚屋さんで初めて包丁を握ってから、金沢時代、赤坂等での修行時代、40歳で銀座で「ろくさん亭」をはじめて、テレビの仕事ーー中でもフジテレビの「料理の鉄人」は思い出深いねえ。89歳で始めたのはYouTubeの仕事、ほかにも商品開発とか学校での指導とか。いろいろやってきました。

 長い間こんなに続けてこられたのは、第一は、女房のおかげですね。ありがとう(天に向かって)。

 そして、今回のテーマは「仕事術」ということで、仕事で大切にしていることを整理してみました。あらためて考えたけれど、僕は若い時からあんまり変わってないね。大事なことをずーっと信じてやってきただけ。

 でも、この年齢になったからこそ気づいたこと、わかったこともある。それを踏まえて、仕事術をお話ししましょう。

仕事は丁寧に、早く! どうしたら早くできるか精一杯考える

 僕はせっかちだからね、若いときから、早くすることを考えながらやってきた。料理の仕事を早くする一番は「包丁をちゃんと研ぐこと」。研いでないときれいにきれなくて、時間がかかる。仕事が遅くなるんだよ。それじゃあ楽しくない。

 早くするためにはどうしたらいいか、次に何をしたらいいか、周りを見ながら考えて、いいと思ったことはどんどん取り入れる。そうすると無駄がなくなって、シンプルに合理的になる。料理がもっと楽しくなるんですよ。

無駄を出さない、命をいただく

 無駄を出さないのは、時間に加えて、水やサランラップの使用もできる限り少なくする。資源の無駄はしたくない。素材もです。「食材は全部使い切る」が僕の信条。

 素材には命があります。皮や骨など、捨てがちな部分にも命があります。それがあるから料理がおいしくなるし、食感が楽しくなる。

 例えば、セロリの皮やネギの根を唐揚げにする。鶏の皮はカリッと焼いて塩をふる。これらがいいつまみになるんですよ。骨からはいいうまみが出るからスープにしたり、あら炊きなどの煮物にしたり。捨てるところなんて一つもないんです。

 無駄なくいただくことで、命は成仏できる。僕は「成仏名人」なんですよ。

便利なものはどんどん使う

 これも仕事を早くするための道具だね。今世の中では「時短料理」が流行っているそうだけど、僕の料理は時短も時短。簡単ですぐできる。そうでないと続かないからね。だから、いいものはどんどん使う。

「料理の鉄人」がテレビで始まったのは、僕が62歳のことだったね。

 番組で「圧力鍋」を使ったのは、僕が一番早かったんじゃないかな。だって早く上手にできるでしょ。そんないいものは、どんどん使ったほうがいいんですよ。だから僕はYouTubeでも圧力鍋をよく使っていてね。「高圧男」なんですよ(笑)。

 家庭でも同じです。みなさんお忙しくて、家でゆっくり料理を作っている時間がない。だから簡単においしくできる技や道具はどんどん使ったほうがいい。僕が調理器具を開発するのも、そのためです。

料理は思いやり

 歳をとって気がつくこともあるんですよ。固いものが食べにくくなったり、大きく切ったものが口に入れづらくなったり。

 女房の看病をしていたときも、大きなものは口に入れられなかったから、小さいおにぎりを手のひらで丸めて作ったね。僕の場合は仕事を早くすることが信条だから、両手のひらにご飯を少しずつ乗せて、一度に2個作ってね。

 そこからだね、家庭料理の大切さを知ったのは。ご家庭で作られる料理には、「家族が健康で、幸せにいてほしい」という愛情が込められている。女房が僕や子どもたちに愛情たっぷりに家庭料理を作ってくれていたことを、やっと理解できました。

 この歳になって、僕がYouTubeで家庭料理を紹介できているのも、オリジナルフライパン「ろくパン」などの新商品開発といった新しい仕事をやれているのも、すべては女房のおかげ。女房に感謝だね。

いいことは、どんどんパクる

 93歳、料理人歴50年以上でも、まだまだ知らないことがあるんだねえ。日々勉強ですなあ。

 というのも、少し前のYouTubeで、YouTubeの視聴者さんと料理対決したんですよ。そこでいい調理法を教えてもらってね。それが「低温調理」という方法。素材を保存袋に入れて、湯煎しながらゆっくり素材に火を入れていく方法なんだけれど、これはいいねえ。

 早速それを活用させてもらいました。僕のローストビーフに取り入れたんですよ。60度をずーっとキープした湯の中につけておくだけで、ローストビーフはおいしくなる。簡単でしょう?これもYouTubeで紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

鉄人の台所#65

ゴルフは楽しい! 楽しいことをやる

 ゴルフ歴は60年以上になりますね。料理人の中でもゴルフを始めるのはかなり早かったね。週2回、今もずっと続けています。歳をとってだんだん足腰が弱くなってきても、ゴルフに行けば1万歩は歩くんです。タイガーウッズの真似をして颯爽と歩く(笑)。だから姿勢もいいでしょう?

 それだけ長く続けてこれたのは、ひとえに「楽しいから」。

 楽しいことは、笑顔にするし、元気もつくる。その日がどうやったら楽しくいられるか探し出すことも、元気の秘訣かな。そういう意味でも、YouTubeも楽しいですよ。

 実はYouTubeを始めたのは、ちょうど運転免許を返納したタイミングでした。運転も好きだったから、一瞬楽しみが減ったように思えたけれど、ちゃんと次の楽しみが用意されているもんだね。初めはお店の料理を伝えようとしていたんだけれど、「家庭料理を伝えたい」とひらめいて、そっちのほうをメインにしたら、反響が大きくてね。

 今は、冷蔵庫を開けて何ができるか考えたり、スーパーに行って安くていい食材を見つけたり、そこから新しい料理がひらめくのは最高に楽しいですよ。「生きがい」ですかね。

新しいことに挑戦。できることを見つけ出す

 実は、新しい仕事に取り掛かろうとしているんです。それは、介護施設での仕事介護施設で僕の動画を流して、僕のレシピの料理を食べて元気になってもらおう、というものです。

 93歳の僕にとって、施設にいる人はほとんど年下。だから僕の動画を見てみんな、「元気になろう!」「まだまだがんばれる」と生きる気力を感じてくれているようなんです。

 長く生きてきたからこそ、役に立つことがある。僕が世の中の役に立つことは、これからもどんどんしていきたいな。

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