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ギリシャ国民の心を掴んだ佳子さま、3度目の海外で見せた笑顔と自信の“根源”

週刊女性PRIME / 2024年6月23日 21時0分

5月25日、ギリシャ公式訪問のため、羽田空港から飛び立たれた佳子さま

「『イソップ物語』として知られるギリシャの物語集は今から約400年も前に日本語に翻訳されており、今回の訪問をきっかけに『北風と太陽』など、子ども時代に読んだ『イソップ物語』を久しぶりに読み返しました。古代のギリシャが今の日本にも息づいていることを感じます。

(略)私も貴国の多くの素晴らしさの一端に触れるとともに、ギリシャに暮らす方々とお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました。エフハリストーポリー」

佳子さまのギリシャ公式訪問

 秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは5月25日から6月1日までギリシャを公式訪問した。今年は、日本とギリシャとの外交関係樹立125周年などにあたり、ギリシャ政府から招待されたものだ。2019年のオーストリアとハンガリー、昨年のペルーに続き、佳子さまにとって3回目の外国公式訪問となった。

 報道によると佳子さまは5月26日、首都アテネの世界遺産アクロポリスの丘にある紀元前5世紀に建てられたパルテノン神殿を視察した。鮮やかなブルーの半袖ニットに白いパンツというギリシャ国旗を連想させる装いの佳子さまは、遺跡修復の状況などを、専門家の説明を受けながらじっくり見て回った。「きれいによく見えますね」と感想を述べながら、アテネの街並みや海の眺めなどを楽しんだ。

 翌日、佳子さまはアテネの国立ギャラリー(美術館)で開かれた両国の外交関係樹立125周年および日本・ギリシャ文化観光年の記念式典に出席した。水色の振り袖姿の佳子さまは前述のように、日本人になじみ深いギリシャの寓話集『イソップ物語』を取り上げ、さらにギリシャ語を交えながら挨拶した。

 1453年、ビザンツ帝国が滅亡した後、ギリシャはオスマン帝国(トルコ)の支配を受けた。1821年、独立を宣言し、ギリシャはオスマン帝国から独立するために戦い、1830年、独立を勝ち取った。報道などによると、サラミナ島にある、17世紀に建てられたファネロメニ修道院は、独立戦争当時、食料や弾薬などの提供を続け、ギリシャの独立に貢献したという。修道院内の壁画がススなどで汚れていたのを日本とギリシャの研究者たちが共同で修復した。

 修道院に到着した佳子さまを民族衣装姿の女性たちがきれいなバラの花びらをまいて歓迎した。彼女は驚いたようなしぐさを見せ、笑顔でこれに応えていた。その後、建物の中を視察した。佳子さまは天井まで続く壁画を見上げ、終始、感動した様子だった。

サケラロプル大統領を表敬訪問

 5月28日、佳子さまはアテネの大統領府に、サケラロプル大統領を表敬訪問した。ギリシャ共和国では初めての女性大統領は、真っ赤なパンツスーツ姿で日本からの賓客を歓待した。淡い黄色の振り袖姿の佳子さまは「温かいお言葉をいただきまして心から感謝申し上げます」と述べた後、天皇陛下から大統領に宛てた「日本とギリシャとの友好親善が深まることを願っております」などのメッセージを読み上げた。

 翌29日は、アテネにある国立ろう者施設を訪問した。出迎えた関係者たちに「お会いできてうれしいです」などと話し、ギリシャの手話を交えて挨拶した。聴覚障がい者の教育、職業訓練やその家族を支援するための施設で、佳子さまは、授業を見学しながらギリシャの手話などを勉強し、交流を深めた。この後、ケルキラ島を訪れた佳子さまは、美しい歴史的な建造物が続く旧市街を見学したが、その際、日本から同行した記者たちに「ギリシャでの日々を振り返っていかがですか。残された時間をどのように過ごされたいですか」と尋ねられると、次のように答えた。

「訪問させていただいた場所、それぞれにとても魅力的で。皆さまにも本当に温かくお迎えいただいて、本当にとてもうれしく思っております。このあと2日間も引き続きギリシャを感じながら過ごしたいと思います」

 以前、この連載で紹介したが、2019年9月、佳子さまがオーストリアとハンガリーを公式訪問した2か月後、父親・秋篠宮さまは佳子さまの訪問について次のように述べている。

「本人にとって良い経験になったと私は思います。行く前にはずいぶん時間をかけて、その地域の専門の人から話を聞き、また本を読んで下調べをずいぶんやっていたという印象があります。(略)もともとがまじめな性格なのかもしれないですね、よくやっているなという印象を、私は持っています。引き続き、そういう一つひとつを大事にするという気持ちを持っていってほしいなと思います」

ペルー公式訪問、秋篠宮さまの評価

 また2023年11月27日、誕生日を前にした会見で、記者から佳子さまのペルー公式訪問の感想などについて質問された秋篠宮さまは、

「ペルーもそうですし、それから、手話を使った公的な行事ということもお話にありましたけども、日本国内での公的な仕事、そういうものも併せて非常に一所懸命取り組んでいると私は思っています」

 と、答えた。

 今回のギリシャ公式訪問も事前に専門家たちからギリシャの文化、歴史やギリシャ語などを学び、関係する本や資料などをたくさん読み込み、準備を万端に整えて佳子さまは本番に臨んだ。その上で、佳子さまの優しさや思いやり、それに最高の笑顔がギリシャの多くの国民を魅了した。私は外国公式訪問3度目の経験が、これまで以上に自信と余裕を彼女に与え、それも今回の成功の大きな要因だったと考える。

 北風と太陽が、旅人の着ているものをどちらが先に脱がすことができるのか競争した。北風はビュービューと激しく吹きつけたが、旅人は「寒い、寒い」と余計に服をしっかりと押さえて離さない。次に太陽は、ポカポカと優しく照らした。さらに強い日差しを送ると、旅人はたまらず着ているものを1枚ずつ脱ぎ始め、川に水を浴びに行った。

 これは『イソップ物語』の『北風と太陽』の大まかなストーリーだ。現在の世界では北風のように力や武力にまかせて人々を屈服させる動きが目立つ。しかし、相手を感動させ、人の心を動かすためには力ずくではなく、思いやり、優しさ、そして愛情こそが大切なのだと再認識した。

 国際親善の場で活躍する佳子さまから、私は多くのことを教えられた。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など

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