大谷翔平はホームランを打つなと? 打球直撃の少年に「お詫びしないのか」海外メディア論調に違和感
週刊女性PRIME / 2024年7月6日 7時0分
7月3日(現地時間は2日)のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で放った、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(30)の27号ホームランをめぐって論争が起きている。
7回に本拠地・ドジャースタジアムの右中間スタンドに飛び込む、飛距離約132メートルの特大ホームランを打った大谷。オールスターゲームにも出場するスター選手のホームランに周囲の大人たちが懸命に手を伸ばすも、ボールは“包囲網”をするりと抜けて着席していた少年の頭を直撃。
打球速度は約180キロ、まるでミサイルのような打球が当たった“患部”を両手で押さえてかがみ込む、見るからに痛ましい少年の様子が中継画面に映し出された。メジャーリーグでは観客に打球が直撃する“事故”は少なくはない。
2019年には、シカゴ・カブスの選手が放ったファウルボールが4歳の少女を直撃し、そのまま病院に搬送されるアクシデントが発生。その様子を打席で目の当たりにした選手は自分の責任を感じてか、崩れるように座り込んで涙。試合は一時中断に。
日本のプロ野球でもたびたび起きる事故だが、メジャーの球場はグラウンドと観客席の距離が近く、張られた防護ネットも最低限のことが多い。規格外のパワーによって放たれる打球は死者が出ることもあり、事故が起きるたびに是非と対策が論じられる。
もちろん打球を放った選手に非があるはずもなく、スタジアムに足を運んだ時点で“自己責任”とされる。時に訴訟問題に発展することもあるが、よほどの過失が主催側に認められない場合は棄却されるのが現実のようだ。
なぜ、全員がボールを見逃したのか
しかも今回は、予測が難しく危険性が高いファウルボールではなく、打球が飛んでくることが十分に想定されたホームランボールだ。それだけに試合同日に配信された『東スポWEB』では、米メディア『エッセンシャル・スポーツ』の記事を引用し、
《「ボールを見逃す人が数人いることは想像できるが、全員が見逃すのはおかしい。片手だけでも当たれば、あの子は野球のボールで打たれる拷問のような痛みを感じずに済んだかもしれない」》
ホームランボールに群がる周囲の大人たちが誰1人としてボールに触れなかった事態に、《「半径2席以内の協調性のないファン全員を永久追放」》との現地ファンの声も共に伝えている。
片や7月5日に配信された『CoCoKARAnext』の記事では、英紙『Daily Mail』の見解に触れている。アクシデントをひと通り紹介すると、
《「ドジャース球団に確認を取ったが、少年にオオタニからお詫びの品を届ける意思があるかの返答はなかった」》
同じく米スポーツメディア『TMZ Sports』も、《「子どもがいまどうなっているかは不明だ」》とした上で、
少年は“被害者”、ならば大谷は
《「被害に遭った少年さえ、探し出せれば、オオタニとドジャースから何らかのプレゼントが差し出される可能性がある。7億ドルの男がちょっとでも会って挨拶に来れば、少年もずっと気分が良くなるだろう」》
まるで少年への“謝罪”を前提とするような、ホームランを打った大谷を“加害者”とするような報じ方に違和感を覚えるが……。
「今の大谷関連のニュースに飛びつくのは海外メディアも同じです」と話すのは、海外スポーツ事情に詳しいスポーツジャーナリスト。
「まず“少年の無事を願っています”と言わせてください。とはいえ、ホームランが直撃するたびに記事のような“お詫びしろ”がまかり通っては、選手からのプレゼント目当てに真似する観客も出てくるかもしれない。そうなれば選手に“ホームランを打つな”と言っているようなもの。
それを踏まえた上で、読者の関心を集めるために書いた記事とも言えますし、それだけ海外でも大谷選手の一挙手一投足が注目され、ニュースすることに価値があるということ。それに彼のことですから、こっそりと少年にプレゼントしている可能性もありますね」
“世界のオオタニ”ならではの騒動だったようで。
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