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「不安や恐怖を感じる暇がない」がん闘病中の森永卓郎氏、治療費月100万円と1日18時間労働

週刊女性PRIME / 2024年7月13日 11時0分

自宅でラジオの生放送やオンライン授業などを行えるよう、仕事部屋の機材はスタジオ並みに。

 昨年末にステージ4のすい臓がんを公表(その後、「原発不明がん」と診断)した経済アナリストの森永卓郎氏(66)。治療と仕事を並行し、医師に宣告された「余命」期間を過ぎても精力的に活動している。がん闘病の日々と治療に関するお金事情、人生の最期への思いなどを明かしてくれた。

がん闘病中も「1日の労働時間は18時間くらい」

「現在、私の病状は『原発不明がん・終末期』かつ『要介護3』の状態です。がん免疫療法薬であるオプジーボの点滴を月1回、血液中の免疫細胞を増殖させて身体に戻すNK療法を月2回、医師の訪問診療を月2回受けています。

 がん自体は一進一退というところですが、今は数十メートル歩くのが限界で、90分も働くと疲れてしまうため、そのあと仮眠をとらねばならない状態です」

 このように近況を語る森永氏。しかし体力が低下する中でも仕事には余念がない。「今の状態で稼働できるのはあと数か月かもしれない」と腹をくくり、仕事ではフルスピードで走ることを徹底しているという。

「(6月に発売となった)最新刊の『がん闘病日記』刊行後、現在10冊の書籍の執筆を同時進行しています。

 ラジオのレギュラーは6本、テレビは『がっちりマンデー!』に出演し、媒体連載は12本を執筆するほか、大学の授業が週3コマ、YouTubeへのゲスト出演が月数本、講演も月1回ペースで行っています。

 その他、農業、童話作家、落語家、ミュージシャン、私設博物館運営、マンガ原作作家、カメラマンの仕事もしています。平均するといまの1日の労働時間は18時間くらいでしょうか

 とても闘病中とは思えないバイタリティーだ。前回取材の際、今春には人生で初めて家族での花見を楽しんだとのことだったが、最近の家族時間は?

仕事のスケジュールがびっしり入っていて、旅行に出かける時間もありません。ただ、毎日妻と二人で食事をとり、毎日二人で買い物に出かけ、週に一度は温浴療法を兼ねて近所のスーパー銭湯に二人で行っています。

 子どもたちも忙しくて最近は家にはあまり来ないので、夫婦二人きりの生活になっています。これだけずっと妻と一緒にいるのは人生初の経験ですね。いまは要介護3の状態ゆえに家事から通院、着替えまで、生活のすべてを妻に依存。妻がいなかったら、とうの昔に死んでいたと思います

毎月100万円かかるも「がん保険は不要」と語るワケ

 ステージが進むにつれ、治療費も莫大になるといわれるがん。それゆえにがん保険も根強いニーズがある。だが森永氏は著書『がん闘病記日記』において、がん保険は不要と明言している。

「健康保険が適用される標準治療のなかでがんと向かい合うのであれば、【1】自己負担3割、【2】高額療養費制度、【3】医療費控除の優遇策により、がん保険は不要だと思います。

 必要になるのは、私のように原発不明などの特殊ケースと、どうしても延命がしたい場合だけです。私の場合、前述したオプジーボの治療は保険診療ですが、併用する血液免疫療法は自由診療で保険適用されず、個人でがん保険に加入していなかったため、毎月預貯金が100万円ずつ減っています」

 昨年11月に余命4か月との通告を受けるも、冷静に受け入れ、終活に取り組むなど前を向き続けてきた森永氏。何が折れない心の支えになっているのだろうか。

ちょっと上から目線に聞こえてしまうかもしれませんが、私は、老後の生きがいを確保するために必要なのは、『教養』だと考えています。

 例えば、休日にテーマパークに出かければ、誰でもエンターテイメントを満喫できますよね。楽しめるように作られているのだから当然です。しかし、1日楽しむには1人1万円以上のコストを負担しなければなりません。

 一方、大自然のなかで休日を過ごして楽しいかどうかは、その人の教養レベルに大きく依存します。雲の名前、鳥の名前、植物の名前を知っているかどうか。どこに湧き水があるのか、どこで魚釣りができるのか、どこに秘湯があるのか。それを知らなければ、楽しくないのです。それは人生も同じではないでしょうか。

 そういった、お金をかけずに生きがいを見つけられる教養さえあれば、老後でも人生を楽しめる仕事はいくらでもある。仕事といっても、お金を稼げることばかりではありませんが、私はむしろ今、そういう仕事に全力投球しているため、不安や恐怖を感じる暇がないのです

「がんというのは幸せな病気だ」と語る和田秀樹氏、小倉智昭氏の言葉を挙げ、森永氏もこれに同意する。その理由は、突然死することが少なく、人生の幕引きを整える時間を確保することができるからだ。

「私は、『いつ死んでも構わない』とは考えてはいません。しかし、いつ死んでも悔いのないように、楽しい仕事だけを続け、自分が正しいと思うことだけを言い続けています。私にとって悔いのない人生とは、真実を伝え続けることだと考えています。これはジャーナリストだった父からの『教訓』かもしれません」

 誰でも人生の最期を迎える日がやってくる。そのときをどう過ごすのが幸せなのか。愛煙家で知られる森永氏は、人生の最期を次のようにイメージしているそうだ。

「大自然のなかで、最後のたばこに火をつけて、肺細胞の一つ一つで味わいながら死ねたら、最高だと思います」

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