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石丸伸二氏から“恫喝の張本人”と名指しの市議「彼は嘘の発言をした責任の重さがわからない」

週刊女性PRIME / 2024年7月18日 11時0分

石丸伸二氏

 7月7日の東京都知事選は、小池百合子氏が3選を果たしたが、事前の予想とは違った結果が話題になった。

「蓮舫さんと小池さんの一騎打ちになると見られていましたが、蓮舫さんの得票数は3位で、2位は石丸伸二さん。蓮舫さん陣営は石丸さんに負けるとは思っていなかったはず」(スポーツ紙記者、以下同)

 石丸氏は安芸高田市長だった時代から、SNSでの発信に力を入れてきた。都知事選でもSNSを駆使して若者の支持を集めた。

「しかし、選挙後に石丸さんはテレビやラジオ番組に出演して、コメンテーターらの質問に対して質問で返答するなど、会話が噛み合っていない場面が続出しました」

 乃木坂46の元メンバーで、慶応大学出身の山崎怜奈とのやりとりは、特に注目を集めた。

「山崎さんは、立候補者たちの公約に国政レベルの政策もあったことから“石丸さんがやりたい政治は都政レベルか? 国政レベルか?”といった質問をしました。しかし、この質問に石丸さんは“前提のくだりがまったく正しくない。小池さんのゼロ公約と自身の政策のどこに共通点があるのか”と、質問の趣旨を理解できていないようでした」

噛み合わなかった古市氏との答弁

 これだけではない。

「社会学者の古市憲寿さんが“石丸さんが批判する政治屋と自身が考える政治屋は、どう違うのか?”といった質問すると“もう回答している”と言い続けました。確かに、古市さんの質問の前に、政治屋の定義を石丸さんは語っていました。しかし、そうした政治屋と自分自身の違いは回答していなかった。こうした対応に、視聴者から石丸さんを疑問視する声が出ています

 このときの石丸氏の対応がSNSやメディアで話題に。コメンテーターに厳しい対応をとった理由をテレビ番組のインタビューで問われた石丸氏は、こう述べた。

「内心、おちょくってました。あ、ムキになってるなって」

 つまり、適切に意図を汲んで回答できなかったのではなく、コメンテーターを“からかっていた”というのだ。

そういった姿勢は市長時代から。メディアや市議と敵対し、SNSなどでその内容を発信していました。YouTube動画やXの投稿は拡散されて、一部では知られた存在でした」(前出・スポーツ紙記者)

 石丸氏は京都大学を卒業後、2006年に三菱UFJ銀行に入行。銀行員時代にはアメリカ・ニューヨークの為替市場で経済の動向を分析・予測するアナリストとしても活躍した。2020年に地元・安芸高田市の市長選に出馬。

腐敗政治を変えてくれる新たな風

「2019年、河井克行元法務大臣が選挙で市議などに現金を渡していた大規模な買収事件が発覚します。河井氏から現金を受け取ったのは100人に及びました。その中には、当時の安芸高田市長も含まれていました」(政治ジャーナリスト、以下同)

 当時、安芸高田市長だった児玉浩氏は、現金の授受を認めて辞任。そこで当選したのが当時37歳の石丸氏だった。市民は腐敗した政治を変えてくれる、新たな風を求めていた。しかし――。

「万が一にでも石丸さんが東京都知事になったら、首都である東京が大混乱に陥るのではないか……、そう不安な気持ちで見ていました」

 そう話すのは、安芸高田市の市政関係者だ。

「石丸さんは“安芸高田市を世界でいちばん住みたいと思える街にする”との公約を掲げていましたが、彼が発信して注目を集めたのは、安芸高田市の悪いところばかり。“外”から見れば楽しいかもしれませんが、市民としては恥ずかしい気持ちばかり。知人の中には、他県に行ったとき“安芸高田市から来たと言えない”と話す人もいます」(市政関係者、以下同)

 市長時代の石丸氏を、どのように見ていたのか。

「買収事件があって、石丸さんの頭の中には“政治再建をしないといけん”との思いがあったのでしょうが、彼は市民の政治不信を必要以上にあおっただけ。市長に就任当初から議会と対立し、それをSNSに発信して攻撃をする。2020年8月に、石丸さんから“恥を知れ!”と、吊るしあげられた武岡隆文市議は、誹謗中傷を受けて、精神的にそうとうつらそうでした

「市議から恫喝を受けた」などとSNS投稿

 武岡市議の“居眠り”は、後に無呼吸症候群による軽度の脳梗塞が原因だと医師の診断により判明している。そんな武岡市議は2024年1月に亡くなった。この“居眠り騒動”を皮切りに、石丸氏と議会の溝は広がっていく。

 2020年10月、議員の居眠りについて話し合った市議らとの意見交換会で、石丸氏は一部の市議から「敵に回すなら、政策に反対する」と、恫喝を受けたなどとSNSに投稿。さらに2020年11月の市議選期間中には、恫喝発言をした議員の個人名を投稿したのだ。

 石丸氏に、恫喝発言をした張本人と名指しされた、山根温子市議に話を聞いた。

「選挙期間中に複数回にわたって恫喝したのは私であるとの投稿は、選挙妨害以外の何物でもありません。私が選挙妨害であると自分の公式HPに記すと、石丸氏は弁護士を通じて“選挙妨害”という言葉の削除を要求したうえで、私に恫喝発言を認めさせようとしました。石丸氏の代理人弁護士とやりとりする中で、意見交換会の音声データがあることを伝えましたが、石丸氏は一向に恫喝がなかったことを認めようとしなかったのです」

 山根市議は、石丸氏と市を相手取り2021年6月に名誉棄損による損害賠償を求めて広島地裁に提訴。

「私は当初、石丸氏個人を訴えようと考えましたが、石丸氏が“市長という立場で投稿や発言をした”と話したため、市も一緒に訴えることになりました。市長という立場で嘘の投稿や発言をした責任の重さを感じてくれればと思いましたが、石丸氏はどうもわかっていないように感じています。裁判で石丸氏側は“恫喝された”の一点張りでした」(山根市議、以下同)

裁判所の判断は「恫喝はなかった」

 広島地裁は2023年12月、「恫喝はなく、あったと信ずるに足りる証拠もなかった」として、市に33万円の賠償を命じる判決を言い渡す。しかし、この判決を不服として市は控訴するが、広島高裁は1審判決を支持。山根市議の主張が認められた。これを受け、石丸氏は最高裁に上告したが、市は上告を断念した。

「最高裁は、法律の解釈などを審理する法律審です。恫喝の有無を判断する事実認定の争いは高裁までですから、市もこれ以上争っても勝ち目はないと判断したようで安堵しています。しかし、裁判所が賠償を命じたのは市だけであり、石丸氏個人への賠償は棄却されています。彼が公人という立場で行った行為の責任を考えさせるためにも、市は石丸氏に賠償を求めるべきだと思っています」

 最高裁の判断を待つべきだが、石丸氏が発信をした影響による被害は今も続いている。

恫喝したのは私だと石丸氏に名指しされたときから、誹謗中傷が始まりました。“被害者ヅラしても遅い、恫喝を早く認めろ”とか“身の程知らずのクソババア、早く死ね”といった心ない言葉のメールが届いたり、自宅に電話がかかってきたり。夜中に何十回も電話を鳴らされたことも。グーグルマップに自宅の位置が公開されたときは、いつ誰に何をされるかわからない恐怖がありました。こうした被害は現在も続いています

 コメンテーターを“おちょくっていた”と笑いながら話した石丸氏。だが、自分の発言が冗談ですまないほど、鋭利になっている自覚がなければ、人の上に立つ資格はない。

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