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「公的な立場は逆転」波紋を呼んだ雅子さまの帽子問題、近代初の体制で明るみになった“ねじれ現象”

週刊女性PRIME / 2024年7月25日 7時0分

8日間の訪英を終えて、帰国された雅子さま(写真は6月29日)

 雅子さまに関する、ある報道がにわかに話題となった。

物議を醸したご挨拶のルール

「7月5日、天皇、皇后両陛下はイギリス訪問からの帰国を報告されるため、上皇ご夫妻のお住まいを訪れました。こうしたご挨拶の際、女性皇族は帽子の着用がマナーですが、この日の雅子さまはお召しになっておられませんでした。それを受け、『AERA』は“ご挨拶のルールが緩和された”と報じたのです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 この報道が、ネット上で物議を醸してしまったのだ。

「この日、両陛下が挨拶に出向かれたのは午後4時ごろ。実は、午後4時を過ぎると海外の王室の慣例にならって帽子を着用しないこともマナーとなっているのです。このことから、ご挨拶のルールは緩和されていないとの指摘が相次ぎました。

 加えて、“天皇、皇后両陛下のほうがお立場が上なのだから、挨拶に出向かれる必要はない”との声も上がるなど、波紋を呼んだのです」

 この議論について、名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は次のように語る。

「両陛下のほうが公的なお立場が上とはいえ、上皇ご夫妻はおふたりのご両親ですから、両陛下が挨拶に出向かれるのは普通にあることだと思います。ただ、時には上皇ご夫妻が皇居に出向かれることで、批判が軽減されるのではないでしょうか」

 生前退位という近代初の試みで、公的な立場は逆転したものの、両陛下にとって上皇ご夫妻は目上にあたる。そんな状況下で発生する“ねじれ現象”はご挨拶だけではない。

「お代替わり後、毎年『菊葉文化協会』から発売される皇室カレンダーにおいて、上皇ご夫妻が3月と4月、天皇ご一家が5月と6月のページに掲載されました。年齢順に配置したのだと思いますが、“象徴である天皇ご一家が先に掲載されるべき”と、バッシングされたこともあります」(河西准教授)

批判の種となっている夏の恒例行事

 さらに、夏の恒例行事も批判の種となっている。

「上皇ご夫妻と天皇ご一家は、毎年夏に栃木県・那須町で静養されます。その順番を巡っても、批判の声が上がりました。お代替わり直後の'19年に、上皇ご夫妻が天皇ご一家よりも約1か月先に那須に滞在されたことが発端です。その後、コロナ禍が明けた'23年、上皇ご夫妻は4年ぶりに那須をご訪問。その際も、ご一家よりも先のご訪問だったため“遠慮がない”とさらなる批判を招いたのです。2度のバッシングを教訓とされているかと思いきや、今年の那須ご静養も、上皇ご夫妻のほうが先に行かれるようです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 前出の河西准教授は、上皇ご夫妻と両陛下の“序列”を巡る批判が嫁姑関係に影響をもたらすと警鐘を鳴らす。

「何かあるたびに批判されては、雅子さまもご静養のタイミングなどについて、気を使われてしまうでしょう。ですが、両陛下には欠かせない公務がありますから、ご静養の日程が限られます。上皇ご夫妻の場合、それらを避けて調整しておられるでしょう」

 元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、上皇ご夫妻との向き合い方にはトライアンドエラーが必要と語る。

「現在の皇室に関する制度のほとんどは明治以降に整備されたもので、退位特例法までは上皇についての規定がありませんでした。天皇と上皇の二重権威を危惧する声もありますが、法的な問題はなく、国民の心の問題といえます。上皇に関する前例はありませんので、天皇陛下が前例をつくっていかれるでしょう」

 慣例が未構築の今、奔放な美智子さまに雅子さまは翻弄され続けてしまうのか─。

河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている

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