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「役者が役作りしたらおしまい」竹中直人が5度目の秀吉役、28年前の大河が「確実に転機」

週刊女性PRIME / 2024年8月2日 8時0分

竹中直人 撮影/齋藤周造

「こんなにたくさんの歴史上の人物がスクリーンに登場するんです!きっと、とんでもない映画になってるんじゃないかな!」

 とは、7月26日に公開された映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』で豊臣秀吉を演じている竹中直人

 舞台は'20年の日本。コロナウィルスによって首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣は急死。大混乱の中、政府はAI・ホログラムによって歴史上の偉人たちを復活させて組閣。総理大臣に徳川家康(野村萬斎)、官房長官に坂本龍馬(赤楚衛二)、経済産業大臣に織田信長(GACKT)ら。秀吉は財務大臣。それぞれがそのカリスマ性をいかんなく発揮するが、この活躍の裏には黒い思惑が……。

「役はいつも二の次」

 竹中の秀吉役は今作で5度目。CMやコント番組も含めるともっとになるが、主演した大河ドラマ『秀吉』('96年)があまりにも有名。本作のオファーを受けたときには、

「武内英樹監督とはドラマ『のだめカンタービレ』('06年)で出会い、それ以降何度かご一緒していますが、最近はなかなかお声がかからなかった。“久しぶりに武内監督とお会いできる”が最初の思いでしたね」

 役柄を知る前に快諾したという。

「役はいつも二の次です。それに僕は、どんな作品でもスケジュールさえ合えばすべて受けます」

 大御所なのに? 思わずそう尋ねると、

「その感覚は自分の中に一切ないです。それは人が決めることだと思います。仕事は選ばないですね。再びの秀吉役でも、僕の過去の秀吉を見ていない人にとっては何でもないこと。演出家や脚本、共演者が違えば、また違う秀吉になります」

「常に水のようにいたい」

 自分以上に秀吉がハマる役者はいない。そんな自負もあるのでは?

「そんな……ないですよ。役者は周囲の人が好き勝手に決める仕事だと思います。香川照之くんが『利家とまつ~加賀百万石物語~』('02年)で秀吉をやるときに“竹中さんの【心配御無用!】を使わせてください”とわざわざ電話をくれたときはとてもうれしかった。『どうする家康』('23年)でのムロツヨシくんも“どんな秀吉を演じるんだろう?”って気になって見てみると“なんと! めちゃくちゃ嫌な秀吉をやってるじゃん!”ってびっくり(笑)」

 とはいえ、やはり秀吉には特別な思いがあり、縁をすごく感じると語る。シンプルに、豊臣秀吉をどんな人物と捉えているのだろう?

「僕は捉えないんですよ。結局、役を見るのは監督。最終的には観客。 役者はただセリフを言えばいい。どの現場でも、監督の望んでるものにどれだけ近づけるか。それだけです。役のことって本当に考えないんです。僕は“役者が役作りをしたらおしまいだろ”と思っています。固まってしまうからね。常に水のようにいたいです。監督の思いに従って動ける役者でいたいです」

 竹中が初めて秀吉を演じたのは、先述の『秀吉』。39歳だった。

「プロデューサーの西村与志木さんが、上司の猛反対を押し切ってキャスティングしてくださった」

 竹中の“心配御無用!”は流行語となり、平均視聴率30.5%をたたき出した。平成以降の大河ドラマでは最高の数字だ。

「西村さんは“相当マニアックな大河になるかも”って言ってたのに、 視聴率を取っちゃった(笑)。懐かしいな……。そして、急にみんなが優しくなった(笑)。“よく知らない変なお笑いの人”みたいな感じだったのが、“この人、お芝居とかできるんだ”って。確実に転機と言わざるを得ないですね。世の中に認められた作品です

 秀吉に限らず、竹中は数多くの戦国武将を演じている。加藤清正、石田光成、織田信長、徳川家康……。

「でも、よく見られた作品の人物のイメージになりますからね。“金沢百万石まつり”('22年)の百万石行列に前田利家役で参加したときも、観客のひとりから“秀吉~!”と呼ばれて、“いやぁ~利家でぇーす!”と手を振りました(笑)

 竹中の芸能界デビューは『ザ・テレビ演芸』('83年)。かの有名な“笑いながら怒る人”でチャンピオンに。翌年にはピンク映画『痴漢電車 下着検札』に準主演。

「ちょうど顔まねでデビューしたてのころで、滝田洋二郎監督がそれを気に入ってくれて」

 俳優として、映画監督として。そのキャリアは40年に。“劇団 青年座”時代を含めれば、さらにだ。

「振り返るとあっという間でしたね。あっという間の1年が100個集まったのが100年って考えたら、人生が長いとは思えない。生きていること自体、あっという間」

【呼ばれたら行く俳優】でいたい

 しかしながら、竹中は歳を重ねても老ける印象がまったくない。

「やめてくださいよ。もう足腰ボロボロで、声もへなちょこになって。今、舞台(『正三角関係』東京芸術劇場プレイハウス、8月25日まで)をやっているんですが、へなちょこになってます。明日もまた演るんだなと思うと、ドキドキです」

 意外すぎる言葉が返ってきた。

「若いときからそれはまったく変わらないです。毎夜セリフを忘れる夢を見ますしね」

 それでも役者という仕事を選んでよかったかと尋ねると、

「いや、もうそれしかできないです! だからどんな仕事でも呼ばれたらすぐに行く俳優でいたい。“脚本読んでからね”って言葉は嫌いです。たとえ“この脚本、つまんねぇな”と思っても【呼ばれたら行く俳優】でいたい。それは変わらないな……」

龍馬役の赤楚くんがチャーミング

 本作の撮影で印象に残っていることを聞くと、

「観月ありささん(紫式部)がキレイだった。長井短ちゃん(聖徳太子)が可愛かった。長井さんは僕が監督した作品にも参加していただいていて、まさか一緒になるとは思わなかったからびっくり! 江口のりこさん演じる北条政子はすごくインパクトがあった。浜辺美波ちゃん(新人記者)も可愛かった。赤楚衛二くんも、なんてチャーミングな坂本龍馬なんだろう!って思いました。メイクを落とした素顔を見たらあまりにもピュアな青年で。そして酒向芳さん(日本党幹事長)! なんとも言えない佇まいでした……」

公開中『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
出演/浜辺美波、赤楚衛二、GACKT、観月ありさ、竹中直人、野村萬斎 ほか
(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会

 

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