「加トちゃんが若返ってる」妻・綾菜が命を守る!医者も納得、加藤茶 “真夏の健康法”
週刊女性PRIME / 2024年8月11日 11時0分
加藤茶さん(81)がどんどん若返っている!と話題だ。昨年の秋に茶さんがフォトエッセイを出した出版イベントでのこと。若々しくスッと背中が伸び、軽快な足取り、そしてユーモアを交えたテンポのよい会話は正直、80歳(当時)の姿ではなかった!
加トちゃんと苦労できる日々が幸せ
そしてそのイベントの映像を見たネット民たちが「え、加トちゃん、めちゃくちゃカッコいい」「受け答えも若い」「イケメンだし清潔感あるし、本当に素敵。すべて綾菜さんの愛とケアのおかげですよね」などと反応した。
年をとっていく夫を、カッコよくするなんてそうそうできっこない。それを綾菜さんはやり遂げているのだから、アッパレだ。
「結婚して14年目になったんですよ。結婚当初は遺産を狙っているとか言われたり。そんなバッシングの嵐の真っ最中の結婚2年目に、加トちゃんがパーキンソン症候群に罹(かか)って……。
看病をしながら、やせ細っていくのを見ているしかなくて。もう二度とあんな恐ろしい思いはしたくないから、介護や食育インストラクターの資格を取得したんです。70代の後半では腎臓を悪くして、人工透析をすすめられました。
そんな加トちゃんの健康管理は私が引き受けるという目的を持ってからは、それが生きがいになりました。だから、加トちゃんが元気そう、カッコいいって言ってもらえると、本当にうれしいんです」(加藤綾菜さん、以下同)
体重は65kgから48kgへ、血圧は200から130へと下がり体調は絶好調だ。
どんなときでもポジティブシンキング
病気になったとき、運動動作が緩慢になり、ろれつが回らず、寝たきりに。体重も38kgまで落ち、命の危険もあったそうだ。そんな状態でも、茶さんは舞台に立つことを考え、乗り越えた。
「病気なんだから、もう年なんだから仕方がないとは、絶対に言わない。“108歳まで舞台に立つ”と言ってますが本気なんですよ。加トちゃんが若く見えるのは、強いマインドにあると思います。新しいことを取り入れるのも好きですし。そのマインドをふくめ、健康を維持できるように支えていきたいです」
とはいえ、やはり80歳を超え、今までにない変化が出てきたと綾菜さん。
「食欲も落ちますし、パワーダウンしますよね。しかも夏は暑さもこたえます。体重や体力を落とさないために、食にしろ住環境にしろ、いろんな工夫をしています」
そんな茶さんと綾菜さんが実践している、夏の健康法をご紹介する。
補足や解説をしてくださるのは高齢者を中心にした診療を行っている、函館稜北病院総合診療科の舛森悠医師(『総合診療科の僕が患者さんから教わった70歳からの老いない生き方(KADOKAWA)』を上梓じょうし)だ。
加トちゃん健康法(1)「夏でも温活」
夏は足湯で深部体温を上げる
加藤家の入浴法にはこだわりがある。
以前は熱いお湯につかるのが大好きだった茶さんだが、熱いお湯は末梢の血管が収縮し血流が悪くなるうえ、腎臓病を患ったこともあって、むくみやすくなり、心臓にも負担がかかる。これではいけないと改善することに。
「38度くらいのぬるいお湯に、両手を外に出して40分くらいつかる半身浴法を取り入れました。そしたら、血圧が安定し、むくみも解消。じんわり芯から温まる感じで、湯冷めもしないと。私も体調がすごくよくなり、しっかり眠れるし、アトピーが改善しました」
自身の体験から、メディア等で半身浴健康法を推奨すると、70、80代の人から感謝の声が寄せられた。腰痛、肩こりはもちろん、長年ブロック注射を続けていた人は、痛みがなくなったという報告も。
「夏の間は、これを足湯に変更しています。半身浴は体力を使うし、深部体温が上がって身体が火照ってしまうから、お風呂から上がるとぐったりしちゃう。
足湯は、冷房で冷え切って血液循環が悪くなっている身体を優しく温めてくれるから、加トちゃんにはちょうどいいんです」
エアコンの設定温度は24℃と“冷えた状態”が好みの茶さん。しかも家の壁がタイルなので、体感的にはもっと寒いそうだ。
「もうずっとこれが彼のスタイルで、高めの設定にしても下げちゃうんです。だから、私は加トちゃんの手や足を頻繁にさわって、マッサージをしたり、“今日はお風呂につかるのがめんどくさい”と言われたら足湯をすすめたり、身体が冷えすぎないようケアしています」
寝るときは60度のお湯を入れたペットボトルを足元に置いたり、寝起きには必ず白湯(さゆ)を飲む、朝食には温かいおかゆを食べるなど、身体の内部から温めることも忘れない。
キンキンに冷えたビールのチェイサーは白湯
飲み物は常温を意識するものの、こんなに外気温が高いと冷たいものを我慢するというのは、つらいと語る。
「夏はキンキンに冷えたビールが美味しい季節ですが、夫婦で白湯をチェイサーにして飲んでます。私はアイスコーヒーも大好きで、一日に何杯も飲むんですが、その合間にも白湯を飲む。内臓が冷えなくて調子いいんですよ」
我慢しすぎず、いかに茶さんの日常にスムーズに取り入れられるかがポイントだ。
「加トちゃんがあまり水を飲む習慣がなくて。以前、脱水になることが心配で水を飲んでねって、口うるさく言ってしまったんです。そしたら、あまりにしつこかったのか『もう放っといてくれよ!』と怒られてしまって(笑)」
それ以降、頭脳戦に切り替えた綾菜さん。
「今はとにかく加トちゃんの目につくところ、手の届くところにペットボトルの水を置いて、その気になったらすぐ飲めるように。部屋が冷えすぎだよと注意するのではなく、冷えた身体をケアする習慣をつけてもらったりと、試行錯誤しています」
Doctor's comment
「高齢者は体温調節機能が低下しているため、エアコンの室温調整は注意が必要です。24℃は少し低すぎるかもしれませんね。28℃程度に設定し、同時に扇風機を使うなどの工夫をおすすめします。室温と外気温の差は5℃以内が理想です。
温活は体温を上げて身体の新陳代謝を促す効果が期待できます。朝に白湯を飲むのは身体を温め血行促進効果がありますし、寝る前と寝ているときの足元温めも血行促進と疲労回復効果があり、良い習慣です」(舛森先生)
加藤家の夏の温活
●朝起きたら白湯
●朝ごはんはおかゆ
●飲み物は常温
●入浴が面倒なら足湯
●寝るときは足元は温かく
加トちゃん健康法(2)「夏はとにかく食べたいものを優先する」
減塩も夏の間は緩めて食欲優先
綾菜さんは“減塩の達人”。
「加トちゃんが75歳になったくらいのとき、人間ドックで、腎機能が低下していることがわかって、減塩するようにという指示が出たんです。目安は1日6gで、これを守るために塩分計を用意して、減塩食を作りました。でも“おいしくない”って……」
ラーメンを食べるときに減塩計で塩分を調べ、汁を飲むのにお湯を入れ……、すると、茶さんの食欲は落ちていった。
「ごはんがおいしくないのですごくやせてしまって……。私は塩分を減らすことばっかり考えていましたから。それでおいしい減塩食の作り方を習いにいったんです。今では減塩に慣れて、外食だとしょっぱすぎると言ったりします」
綾菜さんの努力のかいあって、時間をかけて、減塩食に慣れていった茶さん。ただ、夏は汗をかくので、塩分補給も必要だといわれるが、どうしているのだろう。
「あまり動かないし汗をかくことがないから、あえてとる必要はないんです。ただ、食が落ちているので、スイカに良質な塩を振ったりして、食べてもらうことを優先しています。ミネラル補給にもなりますしね」
80歳を超えたあたりから、少し食欲が落ちてきて、夏になってからは一日1食の日もあるそうだ。
茶さんは仕事のない日は、午前7時就寝、午後12時起床、13時ごろに朝食、ほぼ一日中、夜中もテレビや映画を見て過ごすという。動かないから、お腹もすかないのだろうと綾菜さんは心配する。
「テレビを見ながらでも食べやすいように、小さめに握ったおにぎりや、カステラ、フルーツ、アイスクリームなどを常時用意しています。夏やせしないように、が夏のミッションかな」
夏のスタミナに大好きな肉料理
夏の食欲アップのため、気の合った人との外食にも度々出かけるという。
「昔から加トちゃんの友達とは本当によく食事に出かけていました。今は多くの友人が鬼籍に入ってしまい、寂しくなってしまったのですが……。
今は加トちゃんの友達のお孫さんとも食事に行ったりします。にぎやかに食事をすると、つられて食べてくれます。いくら仲の良い夫婦でも、いつも2人だけでは刺激になりませんよね。妻以外の誰かの存在って大事だと思います」
昔から肉が大好きな茶さん。毎日でも食べたいというのを、バランスを考えて、魚料理も出しているけれど、夏は肉の連チャンもアリ。
「井上順さんがよく焼き肉に誘ってくれて“どんどん食べなよ”とお皿に肉を入れてくれるの。“そんなに食えないよ”と言いながら、いつもよりよく食べます。ありがたいなぁっていつも思っています」
Doctor's comment
「塩に含まれるナトリウムは身体の中に水分を保っておく重要な役割があり、制限のしすぎも注意。加藤さんは担当医と相談しているそうですから、心配ありませんね。スイカに塩を振る工夫はミネラル補給に効果的です。
また、食欲不振で体重は減っていませんか?1か月間で1kg以上の体重減少は注意が必要。小分けにして軽い食事を頻繁にとりましょう。
友人との会食は食欲増進に効果的なので、綾菜さんのように積極的に取り入れるといいかもしれません。肉類などタンパク質の摂取は体力・筋力保持に大切ですよ」(舛森先生)
加トちゃん健康法(3)「室内で身体を動かす」
ながら体操でフレイル予防
この暑さで加藤家もできるだけ外出は避けているそう。足の筋肉を落とさないように始めたウォーキング、ジムやピラティスにも週1回のペースで通っていたが、今はピラティスだけにして、一緒に通っている。
「歩くのは家から3分のところにある美容室だけ。髪を洗ってもらっているので週に4回通っています。
あまりにも動かないので心配していたのですが、私が書いた本で紹介しているフレイルを予防する運動『上体おこし』や『いすスクワット』を最近始めました。“これくらいの運動なら続けられるなぁ”って、テレビを見ながらやっています」
週に1度のピラティスには夫婦で通うことが多い。
「1人でやるよりも、誰かと一緒にやるほうが続きますよね。ちょっとめんどくさいなぁと思っても、声をかけ合って行っています」
・上体おこし
膝を立てて横になり、おへそを見るように頭をゆっくり持ち上げていく。息は自然な呼吸で、10回×3セット程度行おう。
・いすスクワット
フレイル予防に脚力を鍛えることは重要。いすの背に手を添えて、スクワットを行おう。転倒しないように、ゆっくり行うこと。お尻を下げるほど負荷が大きくなる。一日10回程度から始めて30回を目指してみよう。
Doctor's comment
「フレイル対策には、室内でできる軽い運動を取り入れましょう。例えばラジオ体操や軽い筋トレ、有酸素運動、ストレッチなどあらゆる動きを取り入れることが有効です。
テレビを見ながら両足を持ち上げたり、また歯を磨きながらかかと上げを行ったり「ながら」運動は生活に取り入れやすいですね。長続きさせることが重要なので、無理しすぎず、楽しくできることがポイントです」(舛森先生)
綾菜流長く続くサポートの秘密
ゆっくりと進んで小さな効果を重ねる
「加トちゃんの夢を叶えることが自分の生き方」と心に決めたという綾菜さん。
「そのメインは病気との闘い、健康管理だったけれど、一緒に歩いているという充実感があるんです。加トちゃんのために苦労することは私の喜びだし、やりがいでもある。大事な人を守っていきたいって、誰だって思いますよね」
早く元気にしてあげたいという気持ちが強く、口うるさくなったこともある。でもそれはプレッシャーになるだけで、茶さんのためにはならないと気がついた。
「それからは私のやり方を押しつけず、私も一緒に同じことをやりながら、加トちゃんの様子を見て、臨機応変にゆっくりゆっくり進めることに決めたんです」
また舛森先生も「サポート側が頑張るあまりに、相手にばかり強要するのではなく、家族で一緒に健康的な活動をすることで、自然と良い習慣が身につく。またステップバイステップで、小さな習慣から始め、徐々に健康的な習慣を築いていくことが重要です」と語る。
まさに綾菜さんがやっているのがこれだ。
「加トちゃんのためだけでなく、私の身体のためでもある。私が元気でいないと、何もできませんからね。夏は食欲も落ちるし運動もしにくい、高齢者には難儀な季節。楽しく前向きに乗り越えていきたいです」
加藤綾菜●1988年生まれ、広島県出身。2011年に45歳差の加藤茶さんと結婚。結婚当初はバッシングもあったが、大病を患った加藤さんを支え、健康体に復活させて、「献身的な良妻」として評価は一変。著書に『加藤茶・綾菜の夫婦日記「加トちゃんといっしょ」』(双葉社)、『加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集』(アスコム)など。
取材・文/水口陽子
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