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「#俺たちの轟」トラつば好演の戸塚純貴「“ちょうどいい役者”になりたい」

週刊女性PRIME / 2024年8月22日 6時0分

戸塚純貴 撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/中島康平(UNVICIOUS) スタイリング/鬼塚美代子(アンジュ)

 “今、俺がお付き合いをしているお方だ!”

 朝ドラ『虎に翼』屈指の人気キャラ、轟太一。演じているのは戸塚純貴(32)だ。

 寅子(伊藤沙莉)とは名律大学法学部で出会う。バンカラで、熱くて、いさぎがいい。“漢”という言葉がぴったりな轟のまっすぐな愛らしさに、SNSでは“#俺たちの轟”というハッシュタグまで誕生。大反響を呼んでいる。

SNSはあまり見る習慣がなくて。沙莉や(よね役の)土居(志央梨)ちゃんやプロデューサーさんから“すごいことになっている”と教えてもらって。朝ドラを見ている人たちはイラストを描いてくれたり、熱量が本当にすごい。

 “朝ドラってこんなことになるの!?”って思いましたし、それだけ作品を楽しんでいただけていることがすごくうれしいし、“ちゃんとしないといけないな”と身の引き締まる思いです

 やや意外だが、朝ドラへの出演は初めて。オファーを受けたときは、

もちろん朝ドラという作品はひとつの目標というか、“いつかは必ず出たいな”と思っていましたが、意外と驚かなかったというか。“来たか!”みたいな(笑)

 喜び&ワクワク感のほうが強かったと振り返る。

熱量やセクシュアリティーがすごく腑に落ちた

 戦地から戻ると、親友・花岡(岩田剛典)の餓死を知る。街角で酔いつぶれる轟を再起させたのは、よね。共に法律事務所を開く。さらによねから、花岡への特別な思いを指摘され、フタをし続けていた自らの気持ちに気づく。

詳しいゴールは明確でなかったけど、最終的にはそういう心の変化があるキャラクターだということは、事前にプロデューサーさんから聞いていました。そして『魁!!男塾』っぽい、劇画のような男らしさが欲しいとも。

 そして、中身としては三島由紀夫さん。人に対しての熱量やセクシュアリティーの部分で、すごく腑に落ちました

 戦地から復員した轟は、トレードマークだった髭を剃り、高下駄も履かなくなった。

どっちも轟にとって、自分が男らしくあるという鎧であり、仮面だったと思います。やっぱりよねに指摘されて、変わっていった部分は大きいと思っていて。その流れはすごく自然だったと思います

 冒頭のセリフは、8月16日放送のもの。轟がパートナーの遠藤(和田正人)を寅子に高らかに紹介した。

寅子が新潟に行っている間に、轟にどんな変化があったのかが描かれます。こんなこと言っちゃダメだけど、すごくセリフ量が多くて(笑)

 星航一(岡田将生)と再婚する“意味”を考え続ける寅子に、轟&遠藤は気づきを与える。

当初、さらっと描くのかなと思ったんですよね。でも、すごくしっかりと轟が心情の変化を語るので、すごいなと思いました。作品の中に込められたメッセージに、ちょっと心打たれました

 男性同士のカップルが朝ドラで描かれることは、おそらく初。

見た人がどんなふうに思ってくれるのか。朝ドラは挑戦的で、新しいこともしている。作品と監督を信じて、轟の人生を演じ切りたい。たぶん、ここからがまた轟にとって新たなるスタートだと思うんですよね

挫折を経て「ちょうどいい役者になりたい」

 芸能界入りのきっかけは『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』('10年)。その後、『仮面ライダーウィザード』('12年)に出演。

もう、登竜門ですよね。でもその後、いただいたお仕事に根拠のない不安を感じたりしました

 “ジュノンボーイ”で“仮面ライダー”。そのブランドを持つ人へのオファーであって、戸塚純貴へのオファーではないという違和感。何のために役者をやっているのか葛藤が続いた。

若かったから“僕を見ろ!”という気持ちもあって。すると、どんどんオーディションも受からなくなっていって。5年くらいかな?挫折ばかりでした。

 いただいた役でも、必要のない小手先のコミカルさを加えたり。でも、コミカルさってやっぱり技術や本人が持つ面白さが合わさって初めて成立するものだと気づいて。演出家の福田雄一さんとの出会いは大きかったと思います

 演じられるありがたみや幸せ、責任感を知ったという。昨年はドラマだけで11本、今年もすでに7本出演している。

今は“ちょうどいい役者”になりたい。作品にとって“いてくれたらいいな”みたいな。たとえ、わずかなシーンであっても、存在感を出せるような。そんなシーンでちゃんと戦える俳優さんはすごいと思うので、自分もそんな人になりたいです

 当たり役の轟は“俳優人生の通過点”だと豪快に笑う。きっとこれからも、求め続けられるー。

轟と似ている&似ていない

 演じる轟と似ているところを尋ねると、

「感情的になるところはちょっと似ているかもしれないです。熱い部分とか。納得いかないことに対しては、ちょっと頑固なところもあるかもしれない」

 では逆に、似ていないところは?

「僕は轟のようにすぐ人に手を上げたりはしないです(笑)。パンチも頭突きもしませんからね!」

『虎に翼』毎週月〜土曜、朝8時〜(NHK総合)ほか放送中

 

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