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「これでもかと出てくる異常性」“おねだりモンスター”斎藤元彦知事を生み出した裏事情

週刊女性PRIME / 2024年9月10日 8時0分

9月6日、百条委員会に出席し、証言した斎藤元彦知事 写真/共同通信社

「記憶にないですね」

 兵庫県の斎藤元彦(もとひこ)知事に“パワハラ”“おねだり”そして“公金の不正使用”といった疑惑が噴出している。

発端は今年3月に、兵庫県の男性職員が、知事の不正を告発する文書を一部のマスコミに送付したことから始まります。県はこの文書の存在を把握すると、即座に犯人捜しを開始。その男性職員は聴取を受けるも、告発文書の作成を否定していました」(全国紙政治部記者、以下同)

 その際、聴取をした知事の側近・片山安孝(やすたか)前副知事の様子を次のように話す。

「片山前副知事は、男性職員による過去1年分のメールのやりとりを調査したうえで“ここに名前が出てきた者は在職しているということだけ忘れんとってくれよな”などと、男性の協力者であった県職員にも処分が及ぶことをほのめかしたのです」

アンケートで明らかになった“異常性”

 男性職員は、3月末で退職の予定だったが、県は退職を認めず、5月7日に停職3か月の懲戒処分をくだす。7月、男性は自ら命を絶つ。だが、職員の自死は2人目だった。

「告発文書には、パワハラ疑惑など7項目にわたって斎藤知事の不正が記されているのですが、その中にプロ野球チームの阪神・オリックスの優勝パレードに使用する資金を、信用金庫に還流させた疑惑も記されていました。斎藤知事は、パレードの資金を企業からの協賛金などで賄おうとしていたのですが、思うように集まらなかった。そこで信用金庫への補助金を多めに支払ったうえで“還流”させたというのです。その調整役を担っていた男性職員も4月に自死していたのです

 こうした事態を受けて、県議会は不祥事を調査する百条委員会を設置。8月30日と9月6日に開かれた百条委員会で参考人として出席した斎藤知事は、パワハラ疑惑の追及を受け、冒頭のように完全否定を続けている。

「斎藤知事が証人尋問される前、百条委員会が県庁の全職員を対象にアンケート調査を行ったのですが、中間報告の結果に衝撃を受けました。回答には、職員たちが恨みを晴らすように、知事の異常性がこれでもかと記されていたのです

「俺は知事だぞ!」

 県ホームページで公開されているアンケート結果の回答例を一部、挙げてみる。

《手土産(カニ?)を3人分準備されていたのに、知事が全部持って帰った》

《40万円相当の革ジャンを試着して「これはいい。もらえないか」とおねだり》

《喫茶店に営業終了後に行って、店員から「営業時間外です」と告げられると「知事です」と返答し、地位を利用して開店させようとした》

《机をたたきながら「僕は知事なんだぞ。知事の言う事が聞けないのか」と叱責》

《「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と大声で怒鳴りつけた》

《時間外(夜・土日祝)にかかわらず連絡がある。2時間以上叱責されることもある》

《机の配置が気に入らない、ペンのインクが出にくい、そんな些細なことで部長等幹部を睨み恫喝、叱責していた》

《事業の背景を説明する際、できない理由、やらない理由は聞きたくないと遮られ、知事の意に沿わない提案は耳を傾けない姿勢であった》

 などなど……。中間報告以降に集計されたアンケートの回答には、予約制の店で食事をしたいと希望したが、断られると「俺は知事だぞ!」と激怒したことがあったとも。

「告発文書にも、博物館に公用車で訪れたところ、車止めにより進入ができず20mほど施設まで歩かされただけで激怒したことや、視察した自治体では名産品のゴルフクラブを“おねだり”したうえ交換までさせたということも記されています。一方、“尾ひれ”がついている回答もあるように感じます」

 とはいえ、職員たちからここまで悪い評判が出るトップも、そうはいない。“モンスター”とも思える振る舞いの斎藤知事だが、職を辞する気配は一向にない。なぜ知事にしがみつくのか。

 厚生労働相や前東京都知事を歴任した、国際政治学者の舛添要一氏に話を聞いた。

「なぜ辞めないのか、私にはわかりません。ただ、今回の騒動で違和感を覚えることが多々あります」

「よくこれで県政が回っていたな」

 例えば、どういう点か。

“おねだり”と問題視されていますが、知事が視察に行くと、その場で特産品を食べさせてくれるほか、必ずお土産を持たせてくれるんです。知事の活動にはマスコミがついてきますから、その場で食べると宣伝になる。帰ってから“これ、おいしいですね”とは言いません。視察先で試食したり、興味を示したりすることが宣伝なんです。私のときはこっちが断りたいぐらい持ってきてくださるのが普通でしたから。おねだりしないと、もらえない状況があったことに驚いています」(舛添氏、以下同)

 パワハラ疑惑についても、知事を支援する官僚の仕事が不十分だった可能性があると続ける。

決して斎藤知事を擁護するわけではないですが、私は兵庫県の官僚組織がおかしいと感じます。知事を怒鳴らせないよう仕事をさせるのが、官僚の仕事のはず。私が厚労相をやったときに年金に関する大問題が発覚しましたけど、誰が悪いんだ!とやっている暇はなかったですよ。一つひとつ怒っていたら、仕事が回りませんから。正直、よくこれで県政が回っていたなと不思議なくらいです」

 斎藤知事は、勤務時間外に行った職員への連絡について「報告、連絡、相談をしっかりやってほしかった」と弁明している。

「告発者捜しを行ったのも副知事以下の幹部ですが、みんなすでに退職しています。百条委員会には、片山前副知事しか出ていません。残って答弁しているだけ、斎藤知事がマシなような気もします。疑惑は法と真実によって判断されるべきだと考えます」

 舛添氏も、政治資金問題で批判を浴びたが、なかなか辞職をしなかった。なぜか。

私もいろいろ報道されましたが、半分ほどはでっちあげ。そんなことで都知事を辞める気はありませんでした。ただ、参院選が間近に迫っており、私の影響で自民党の票を減らすのは悪いと思ったから辞めたのです。“まだ辞めないのか”という言い方もおかしい。それなら何千万円と裏金をもらっていたのに辞めていない自民党の議員を、なぜ追及しないのか。私にしてみれば、それが疑問でなりません」

 周囲がモンスターをつくり出してしまったのか─。

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