そもそも優等生のイメージもないし…広末涼子、“恋愛に奔放ではない”発言への強烈な違和感
週刊女性PRIME / 2024年9月12日 20時0分
第104回 広末涼子
不倫騒動からはや一年。女優・広末涼子(以下、ヒロスエ)が事務所独立、公式インスタグラムとファンクラブの設立と芸能活動を本格化させています。ファン待望の活動再開でしょうが、今のヒロスエを見ていると、事務所というか彼女を客観的に見てサポートしてくれる人の重要性を感じるのです。
インスタグラムでは、いつものキョトン顔や、お手製のアイスクリームなどの投稿に「いい週末をお過ごしください」、暑さや台風などの自然災害の際は「みなさま、どうかお気をつけて」など、フォロワーを気遣う言葉が添えられています。往年のファンは、こういう透明感や常に他人を気遣う女神感がたまらないのでしょうが、いろいろ気を付けなきゃいけないのはアナタだし、もうこういう“涼やかウリ”は通用しないのではないかと思うのです。
2024年9月号『文藝春秋』の企画「有働由美子のマイフェアパーソン」に登場したヒロスエ。対談はいきなり、彼女の謝罪で始まります。ヒロスエ本人は謝罪会見をしたかったそうです。しかし、「私個人の問題だけではなくて、広末涼子という商品を扱う人がたくさんいる中で、いろいろなご意見があり、できませんでした」と内情を明かしています。芸能人が不祥事を起こしたら会見を開くことが標準化しつつある中、何のコメントもしなかったことは雲隠れした印象を与えて、よろしくなかったのかもしれません。
正直なところ、私は謝罪ではなく、今ヒロスエが考えていることを明らかにするという意味の会見はしたほうがいいと思っていました。けれど、対談記事を読んで、これは周囲のオトナの判断が正しかった、やらないほうがいいだろうなと思うようになりました。あんまり自分が見えていない感じがしますし、そこから、これまでは事務所の人など周りが必死に守っていたであろうことも推測されたのでした。
交際相手への“のめりこみ”度合いが激しい
ヒロスエは10代のアイドル時代を振り返って「若い頃は優等生のイメージが出来上がってしまって……。もちろん悪い子でもなかったと思いますけど(笑) 作り上げられていくイメージに押しつぶされてしまわないように、なるべく自然体でいられるように心がけてきました」と振り返っています。
あれっ、ヒロスエって優等生のイメージでしたっけ……。援助交際など、未成年の性ビジネスがたけなわだった平成中期、黒髪のショートカット、透明感を持った美少女としてデビューしたヒロスエですが、写真週刊誌『FOCUS』に、モデルのMITUU(村田充)のアパートで8時間過ごしていたことを報じられ、『FRIDAY』には、モデル・伊勢谷友介とのバイク二人乗りデートを撮られています。アイドルに彼氏がいたからといって批難される時代ではありませんでしたが、ヒロスエは交際相手と肉体的にも精神的にも密着度が高いというか、のめりこみ度合いが激しい印象があり、品行方正なアイドルではなかったように思います。
交際報道が多数あったヒロスエですが、早稲田大学の自己推薦入試に合格します。しかし、両立は難しかったようで退学。メディアも異常に騒いでいましたから、とても学校にいけるような状態ではなかったのかもしれませんが、この時も交際報道があったため「オトコと遊ぶ暇はあるのに、学校には行けないのか」とだらしない印象を持った人もいたようです。その後も、早朝にクラブからドラマの撮影現場である千葉の白浜に移動するも、財布を持っていなかったために近所の食堂の老夫婦からお金を借りるなどの“奇行”が報じられるようになります。
オトコがいないとダメな肉食女子
この頃のヒロスエは、精神的に相当追い詰められていたようです。2017年10月4日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演したヒロスエは、20才ごろに日本の芸能界に嫌気がさし、“人を傷つけずに引退するためには、仕事が無くなればいい。そのためには太ろうと15キロ増量した”ことを明かしていました。つまり、ヒロスエにとっては計画的な行動だったわけですが、こちらにはそんな事情はわかりません。メンタルが不安定な人で体重の増減を繰り返す人はいるので、上述した奇行もあいまって、ヒロスエ不安定説は定着していったように思います。ヒロスエが国民的アイドルであったことは間違いありませんが、特にファンでない人にとっては、メンタルが不安定でオトコがいないとダメな肉食女子というイメージも強かったのではないでしょうか。
もう一つ、ヒロスエ、自分が見えていないと言わざるを得ないのは、奔放であると言われることに抵抗があること。対談では有働さんにフランスの女優のように「恋は常に5つくらいしています。それが何か?」といった具合にどんどん恋愛をすることを進められています。しかし、当のヒロスエは「あ~、ちょっとそこまで振り切るには……」と抵抗がある、もしくはそういうタイプではないことをほのめかしています。
しかし、前夫キャンドル・ジュン氏が、不倫報道があった後にヒロスエと当時の所属事務所に内緒で開いた記者会見を開いてしまった以上、「そういうオンナではない」と否定するには無理があるのではないでしょうか。ジュン氏によると、ジュン氏と出会ったときのヒロスエも不安定で、手紙や連絡をたくさんもらったそうですし、それは結婚しても変わらず「過度なプレッシャーがかかったりだとか、不条理なことに出くわしてしまったりとか、そうなると、濃い化粧をして派手な格好をして、眠ることができず、常に何かを書いていなければ心が収まらず、誰かに連絡をしたり、豹変してしまうんです」と話しています。ジュン氏は昨夏に報じられた不倫相手の鳥羽周作氏以外にもヒロスエに不貞があったことを明かし、「(不倫相手との)LINEを確認して彼女に分からないように相手のところに行き、決着をつけた」「示談にした」と、ヒロスエが“初犯”ではないことも明かしています。ジュン氏の発言を信じるかどうかは聞き手の判断にまかせられますが、夫という近しい人から、メンタルの不安定さと複数の不貞行為を暴露されたヒロスエのくらったダメージは大と言えるのではないでしょうか。
きれいさっぱり忘れてる?
ジュン氏の発言を信じるのならヒロスエは不倫常習犯で、ただ、それは恋愛というより現実逃避、もしくは安定剤のようなものかもしれません。安定剤は時間が経てば、体内から抜けます。それと同じように、ヒロスエも自分が男性を“服用”したことも、事務所や元夫がそれをもみ消すために奔走したことも、きれいさっぱり忘れてしまうのではないでしょうか。もしそうなら、ヒロスエ自身は“恋多き女キャラ”と言われるのは心外だし、むしろ、私は事務所のために仕事をして、家事育児にこんなに我慢ばっかりさせられている、かわいそうな私とうっすら被害者意識を持っているのかもしれません。
自分が思う自分と、他人が思う自分にへだたりがあるのは当たり前のことです。ましてや、芸能人の場合、大衆を相手にするのですから、そのギャップをいいイメージに変えるために客観的な視点を持ったブレーンが必要だと思うのです。不倫後にヒロスエは所属事務所を独立し、個人事務所を立ち上げましたが、今のヒロスエに、そういう人がいるのでしょうか? 対談でヒロスエは「子どもに守ってもらっている」「いい子たちに育ってくれた」とお子さんの話をよくしています。これは事実だと思いますが、不倫を“家族の絆”で乗り切ったという言い方には無理がありますし(親の不倫後のメンタルケアをするのは、子どもの役目ではないはずです)、男性依存の人が子ども(特に息子)依存になることはよくある話で、一抹の怖さがないこともない。
今のヒロスエは、残念ながら、いいお母さんウリや透明感あふれる女神ウリはできません。けれども、オンナの性(サガ)を見せる女優になれると思うのです。不祥事を起こした女性芸能人が、肌をさらしたり、激しい濡れ場のある作品に出演すると、ハダカになることが贖罪なのかと怒る人もいるでしょうが、そういう意味ではありません。結婚していても母になっても不安定で、男性もしくはセックスを求めてやまない人というのは一般人でもたくさんいます。そうでなければ、どうして不倫のドラマや小説があるのでしょうか。ただ、みっともないから、「オトコが欲しい」と言わないだけ。ヒロスエの場合、不幸にも芸能人なので見つかって、さらされてしまっただけ。巷間、ピンチはチャンスと言いますが、勇気を出してここでガラッと芸風を変えてほしいところです。きっと、ヒロスエ性を秘めた物言わぬ多数のプチヒロスエが応援してくれるはずです。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」
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