『エミー賞』18冠の真田広之に「もう日本に戻ってこい」親友俳優が明かした“アメリカ断念”の真実
週刊女性PRIME / 2024年9月17日 16時30分
メジャーリーグ史上初の「50-50」に向けて、ドジャース・大谷翔平が連日の活躍を見せ続けているロサンゼルスで、アメリカの地で奮闘し続けた日本人俳優が歴史的快挙を成し遂げた。
9月15日(日本時間16日)にロサンゼルスで行われた『第76回エミー賞』で、真田広之が主演・プロデューサーを務めたドラマ『SHOGUN 将軍』が作品賞や監督賞など主要部門を独占。真田も日本人として初の主演男優賞を受賞するなど、エミー賞最多となる18冠を達成したのだ。
壇上でトロフィーを手にした真田は、喜びの声を英語で伝えた後に「日本語でスピーチさせてください」と申し入れ、
「これまで時代劇を継承して、支えてきてくださった、全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼を申し上げます。あなたがたから受け継いだ情熱と夢は、海を渡り、国境を越えました!」
日本の時代劇を作り続けてきた“先人”へのリスペクトを示した。
この日本人俳優の快挙に、ともに演劇界を担ってきた中井貴一ら俳優仲間からもメッセージが送られている。
真田の“海外活動”を懸念した友人
「真田さんがこだわり続けたのは、正しい日本文化を諸外国に伝えること。この受賞は日本の時代劇にとっても日本の文化にとっても大きな1歩。でも、勝負はまだまだここから。戦い続けましょう」
ハリウッド映画『ラスト・サムライ』(2003年)で海外進出を果たして以降、アメリカを拠点にして数々の海外作品に出演してきた真田。その積み重ねが『SHOGUN 将軍』として、テレビ界のアカデミー賞に認められたわけだが、彼の“チャレンジ”に懸念を抱いていた友人も。
2024年で64歳になる、真田とは同い年の俳優・佐藤浩市だ。
1986年の映画『犬死にせしもの』で初共演、数々のドラマや映画で顔を合わせてきた真田と佐藤。プライベートでも交友を深める“親友”同士だが、若い頃より浮き名を流した者同士だけに“因縁”もある。
「真田さんが結婚(1990年)した女優の手塚理美さんは、その3年前には既婚者(後に離婚)だった浩市さんとの“不倫愛”も報じられた女性。その真田さんも結婚から5年、映画『写楽』で共演した“魔性の女”こと葉月里緒奈さんとの“泥沼”不倫で世間を騒がせることに。
もちろん、真田さんと浩市さんとの間に“わだかまり”はありませんが、そんな“古傷”を持つもの同士、俳優、友人として何でも言い合える関係になっているそうですよ」(ベテラン芸能リポーター)
それだけに、ハリウッドで思うような演技ができていない親友にもどかしさを感じていたのだろう。たびたび佐藤が口にしてきたのが、真田に面向かって「日本に戻って来い」と呼びかけたエピソード。
「戻ってきて、こっちでやった方がいいよ」
2019年9月放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)でも、三谷幸喜と中井とのトークで思いをぶつけている。この頃の真田といえば人気映画『アベンジャーズ』に出演するも、ヒーローの1人に切られて命を落とす“日本のヤクザ”が役どころだった。
そんな彼に対して佐藤はーー、
「ストイックって言っちゃえば簡単なんだけどさ。それでは言い表せないよね。“もう、(アメリカは)いいじゃないか。ここらで(日本に)戻ってきて、こっちでやった方がいいよ”って言っても、(真田は)“いや、俺やっぱ楽しいんだよね”って言ってくるわけですよ」
佐藤によると、真田が苦労しているのが英語によるセリフ。最近でも小栗旬をはじめ、海外進出を図ろうとする日本人俳優の多くが苦心する部分でもある。セリフでNGを出す真田だが、
「で、監督がOKを出して。すると録音部のマイクをつけにくるお姉ちゃんから、”今の広之、よかったよ”って言われる。(真田は)それが嬉しいって言うんだよね。
自分たちが(俳優を)始めたころに、同じように若いスタッフから“今のよかったよ、浩市。よかったよ、貴一”って言われると、なんかどこかで安心する。嬉しさって言うのがあって、それに支えられて次の日も頑張れるみたいなさ。
(真田と)どこまで同じ話とは言えないんだけど、そこでまたコイツは新しいことで(チャレンジしながら)、実は“自分の立脚点のところに、今もまだいるんだな。またいるんだな”って。それが偉いな。僕にはそんな研鑽は積めないな。そんな凄さがアイツにはあるんだと思います」
全編の7割が日本語で演じられる
63歳になっても、俳優を志した頃と同じ気持ちでチャレンジをする、それを楽しむことができる。真田がアメリカで俳優を続けていられる理由とするのだった。
非英語作品として初の『エミー賞』受賞作だけに、全編の7割が日本語によって物語が進められる『SHOGUN 将軍』。日本人が不得意とする部分を逆手にとった、あえての日本語によるチャレンジが功を奏した格好だ。
「本作は東洋と西洋が出会う夢のような、そしてとても難しいプロジェクトでしたが、私たちは一致団結してミラクルを起こすことができました。私たちはより良い未来を作ることができます。私を信じてくれて本当にありがとう」
授賞式では、英語スピーチで「ミラクル」と語った真田だが、あきらめずに無骨にチャレンジし続けた、サムライ精神が「国境を越えた」作品を作り上げたのだろう。
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