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「私じゃなきゃいけない仕事はない」中山エミリがたどり着いた「人から愛される」教え

週刊女性PRIME / 2024年10月1日 7時0分

中山エミリ

「どんな世界か、一度、経験してみよう。そんな軽い気持ちで芸能界入りをしたんです」

 東京・渋谷の路上でスカウトされて、15歳で芸能界デビュー。'95年には清涼飲料水『ポカリスエット』のCMでブレイクした中山エミリ。あれから約30年という時間が過ぎた。

「今でも“あのCMを覚えているよ”と声をかけてくださる人もいて、うれしく思っています」

過酷なアフリカ撮影の思い出

『ポカリスエット』のCMは、森高千里宮沢りえなど、多くの美少女を輩出してきた“人気女優への登竜門”だ。中山は、未経験に挑戦をする3部作に出演。その中でも、ダチョウ乗りの挑戦は、過酷を極めたロケだったという。

「3シリーズの撮影はすべて“ガチンコ”で、ダチョウ編は南アフリカまで行きました。ダチョウの脳はスプーン1杯ぐらいの大きさらしくて、触れ合っても私のことは全然覚えてくれなくって……。毎回“初めまして”“誰だコイツは”みたいな感じから始まるので、なかなか乗れなくて苦労しました

 痛い思いをしたことも。

「日本の未舗装の地面って、アスファルトに比べると軟らかいじゃないですか。でも、南アフリカの地面って硬いんです。アスファルトよりも硬いんじゃないかってぐらい。ダチョウから落ちると痛いというか、一瞬、ウッと息ができなくなるんです。けれど、大変だったと思う一方で、今では経験できない貴重な時間でした。私の宝物です」

 CM出演を機にブレイクした中山は、人気ドラマのほか、バラエティー番組にも多数出演するように。バラエティーの女王と呼ばれたことも。

 そんな中山は、'10年に結婚し、'15年に出産。今は8歳の娘を持つママとなった。

「当然、感情的になることはあります(笑)」

「私じゃなきゃいけない仕事って何もない」

 優しそうなイメージの中山も、育児ではまた違う顔に。

「ケガをしてからじゃ取り返しのつかないことってあるじゃないですか。1回目、2回目は優しく注意をしますが、3回目には“同じことを何度も言わさないでもらっていいかな”と、怒ることも……。そこにパパが入ってきて“感情的になるのはよくない”と言うのですが、ちょっと待って、ここに至るまでの段階があるんだよって気持ちになるなど、菩薩のような心での子育ては全然できていません

 悪戦苦闘の日々だが、今は娘の成長に伴って少しずつ手が離れるようになってきた。自分の時間ができたら、これから挑戦したいことは?

才能があったり、いろんな経験をしている人がたくさんいる中で、私じゃなきゃいけない仕事って何もないと思っています。だからこそ、お仕事でご一緒させていただいたご縁など、いろいろなつながりを大切にしたい。そういったご縁が、今後の人生にもつながって、気がついたら60年たっていたとなればいいなと感じています。だから特にこれがやりたいって具体的なことはないんですよ」

 そつなく仕事をこなしてきた中山から語られる内容は、謙虚な言葉ばかり。

 そんな彼女は、娘に大切にしてほしいことがあると続ける。

「どんな場所でも、どんなときでも、周りの人に愛される存在になってほしいと思っています。もし困ったことが起きても、かわいがられる存在なら、助けてくれる人が現れて、人生なんとかなりそうじゃないですか。だからこそ、感謝の気持ちを伝えることや、挨拶がきちんとできることは大切なんだよと話しています

 もし娘が“芸能界入り”を望んだら?

「私もこの仕事のおかげでいろんな経験ができたため、反対できる立場にないのですが、学生のときしか体験できないことがもっとあったように感じることはあるんです。なので、芸能界入りは大人になってからでもいいんじゃない? とは伝えると思います

 いろんな挑戦をしてほしい。そんな母心が垣間見えた─。

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