「危険人物が容易に近づける」愛子さまの訪問先に凶刃迫る、令和皇室の“国民と共に歩む”姿勢の落とし穴
週刊女性PRIME / 2024年10月23日 6時0分
10月11日から1泊2日で佐賀県を訪問され、初の単独地方公務をまっとうされた愛子さま。現地は終始、歓迎ムードに包まれた。
愛子さまのお姿を見ようと多くの人が集まる
「愛子さまは両日、同県で開催された『国民スポーツ大会』を視察し、陸上や柔道などの競技を観戦されました。さらに、観戦の合間を縫って、佐賀の伝統工芸『名尾手すき和紙』の工房や、日本赤十字社の関連施設などをご訪問。行く先々で愛子さまのお姿を見ようと、多くの人が奉迎に集まりました」(皇室担当記者)
2日目に訪問された佐賀県赤十字血液センターでは、'19年と'21年に発生した豪雨災害や、'23年の土石流災害の被害状況や防災対策についての説明を受けられた。案内を担当した山田健一郎さんは、次のように振り返る。
「愛子さまからは、“平時の活動が有事に生きたことはありますか”といった、かなり具体的な質問を頂戴しました。それから、県やNPOなどが連携して取り組んでいる被災者支援について、“素晴らしい活動ですね”とのお言葉を頂きました」
はじめての単独地方公務に、緊張しつつも、真剣に臨まれたことがうかがえる。『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんも、愛子さまのまじめさが垣間見えたシーンが印象に残っているという。
「和紙の工房をご視察中に、愛子さまは工房の方に教わりながら、実際に紙すきに挑戦しておられました。専用の枠の中で和紙を均等にならす際、かなり時間をかけて慎重に作業に取り組まれていて。愛子さまらしいまじめさと、できるだけいいものを作ろうというお気持ちが垣間見え、印象的でした」
滞りなく進んだように見えた今回の訪問だが、愛子さまの身の安全を揺るがす緊急事態も発生していた。
「初日に訪問された『佐賀城本丸歴史館』の敷地内で、刃渡り8・5センチの折り畳みナイフを所持していた80歳の男が逮捕されたのです。刃物を持ち込んだ理由などは明らかになっていませんが、これは愛子さまが同館を訪問される30分前の出来事でしたから、現場は一時騒然となりました」(前出・皇室担当記者)
過去に起きた皇族を狙う事件
皇族を狙う事件は過去にもしばしば起きている。
「'75年、当時天皇、皇后両陛下だった上皇ご夫妻は、初めて沖縄県を訪問されました。看護要員として戦場に動員され、亡くなった『ひめゆり学徒隊』を慰霊する『ひめゆりの塔』に献花をされた際、過激派から火炎瓶を投げられる事件が起こったのです。また、上皇ご夫妻を巡っては、'92年、山形県の国民体育大会で、男が発煙筒を投げつけるという事件もありました」(皇室ジャーナリスト、以下同)
また、秋篠宮家の長男・悠仁さまの身に起こった事件も記憶に新しい。
「'19年、当時お茶の水女子大学附属中学校に通われていた悠仁さまの机に、刃物が置かれる事件が発生。事件後、当時57歳の男が逮捕され、有罪判決が下っています。
いずれの事件も、ケガなどの大事には至らなかったものの、皇室と国民との距離感が縮まっている近年、予期せぬ襲撃によるリスクは高まっているのです」
皇室と国民との距離感の変化について、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう解説する。
「平成になって天皇の在り方は大きく変わりました。象徴的な出来事が、
'91年に雲仙普賢岳の噴火に伴うお見舞いで長崎県を訪問されたときにありました。天皇は体育館の床に膝をついて被災者とお話しされたのですが、これが大きな話題になりました。上皇陛下は“行動あってこその象徴”とのお考えでしたから、国民と共に歩む姿勢を具現化されたものといえます。このお考えは今上陛下も同じだと思います」
前出のつげさんは、令和に入り、皇室と国民の距離感はさらに近づいたと話す。
「陛下は'85年、イギリス留学から帰国された際の記者会見で“これからは国民の中に入っていく皇室が必要”とお話しされたのです。令和に入り、陛下は雅子さまと共にそのお言葉を実行なさろうとしている様子がうかがえます。
例えば、今年の夏、那須で静養された際も、那須塩原駅で出迎えた人々に自ら歩み寄って声をかけておられました。平成は、“国民に寄り添うスタイル”でしたが、令和はそこから一歩進んで“国民の輪の中に入っていくスタイル”へ変化したようにお見受けします」(つげさん)
両陛下の姿勢を踏襲される愛子さま
愛子さまも、“国民の中に入っていく”両陛下の姿勢を踏襲されているようだ。
「今年3月、愛子さまは伊勢神宮参拝のため、三重県を訪問されました。参拝が終わり、県内の博物館へ赴かれると、歓迎のため、地元の小学生たちが集まったのです。それに気がついた愛子さまは小学生のもとに歩み寄り、気さくに言葉を交わされていました。
また、今回の訪問でも地元の幼稚園児らが佐賀県庁に集まりました。愛子さまは、日本国旗や手を振る園児らに近づき、膝を曲げて目線を合わせながら“何歳ですか?”などと笑顔で交流されたのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
上皇ご夫妻から始まった“国民と共に歩む皇室”の精神は、令和に入り、進化しつつも、そこには思わぬ“落とし穴”が。
「皇室の方々と間近でお会いしたり、お声をかけていただくことは、皇室への敬愛の思いにつながるでしょう。
反面、距離が近い分、悪意を持つ危険な人物が近づくことも容易となります。だからといって、厳戒な警備体制を敷いてしまえば、国民の中に入っていくことは難しくなります。非常に難しいのですが、安全性は担保しつつ、重圧を意識させないバランスの取れた警備体制を模索することが課題として挙げられるでしょう」(つげさん)
身近に迫る“凶刃”からプリンセスを守る策はあるのか─。
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