【独自】横浜強盗殺人事件に“闇バイト”で加担した容疑者の祖父が心痛告白「じいじ、お金貸してと」
週刊女性PRIME / 2024年10月24日 16時30分
10月15日ごろ、横浜市青葉区の民家に複数人が押し入り、住人の無職・後藤寛治さん(75)の手足を縛って暴行を加え殺害し、現金20万円などを奪った事件。金銭目的のうえに、鈍器のようなもので殴った可能性があるといい、命まで奪った。神奈川県警によると、死因は全身打撲による失血死。逮捕された宝田真月(まづき)容疑者(22)は、面識のない実行役3人で犯行におよんだ旨を供述している。
「警察の取り調べに対し、宝田容疑者は所有するワゴン車でほかの実行役2人を拾い、現場宅近くまで運転したと話しています。税金を滞納し、本業以外で手っ取り早く稼ごうとSNS上の“ホワイト案件”バイトに応募。指示役に身分証などの個人情報をつかまれたようです。秘匿性の高い通信アプリで指示されて、途中で犯罪行為である“闇バイト”だと気づいたものの、抜けると仕返しされたり、家族に危害がおよぶかもしれないと考えて“断れなかった”といいます」(全国紙社会部記者)
なぜ、危ない求人に応じて凶行に手を染めたのか。宝田容疑者と同居する祖父(72)は、
「自分たちが被害に遭ったほうが、どれほどよかったかわかりません。なんで、闇バイトなんかに。お金に困っているようなそぶりもなかったのですが……」
と、苦悩の表情で振り返る。
「じいじ、ばあば」と呼ぶやさしい子
「警察に押収されたワゴン車は、昨年ローンを組んで中古で購入したもの。事故に備えて、任意保険に加入しなきゃダメだよと話すと“わかってる、そこそこ稼いでいるから大丈夫だよ”と言っていました。毎朝5時半すぎには仕事に出かけて、帰宅はだいたい午後6時すぎ。作業着はいつもペンキだらけで、毎日おばあちゃんが洗濯していました」(宝田容疑者の祖父、以下同)
高校を2年で中退後、県内の建築関係の会社で働き始め、実家を出てアパートでひとり暮らしをした。その後、両親は離婚。現在は実家に戻って祖父母と父親と暮らし、「じいじ、ばあば」と呼ぶ、家族にはやさしい子だという。
「両親が離婚後、しばらくは母親の自宅にも行っていたようですが、今は所在がわからなくなっています。真月は実家が恋しくなったのか、3~4年前から私どもと再び暮らすようになりました。おじいちゃんっ子なんです。子どものころからケンカをしたことがないし、口ごたえもしない。軽犯罪を含めて警察のご厄介になったことはありません。いまさら、犯罪をするような子じゃなかったと言っても、しょうがないんですが」
容疑者の本業は塗装業。取り調べに「個人事業主」と自称しているが、祖父は塗装会社に雇用されているものと思い込んでいた。
「そんなにベラベラしゃべる性格ではないし、私も詳しく聞きませんでした。仕事の愚痴は聞いたことがありません。夕食の時間は合わないし、真月は朝食を食べません。一緒に食卓を囲むことはめったになかった。おばあちゃんのつくったカレーライスが好きでしたね。働いているんだから家に食費ぐらい入れろと言ったら、毎月1万円ずつ払うようになって。でも、いつの間にか支払いは途絶えてしまいました。あえて催促はしませんでしたが」
恋人の気配もなく、散財の心当たりもない
塗装業など、建築関係の道を志した様子はなく、高校中退の理由も言わなかった。イジメなどには遭っていないはずだという。
「中学で入部した卓球部も1年でいつの間にか退部していました。勉強はできるほうだったので、大学に進学するつもりだったんです。高校を中退するとき、担任教師からとめられたのですが、辞める意思は変わりませんでした」
容疑者は部屋に、趣味のアニメのポスターを貼り、漫画の単行本『ONE PIECE』や『呪術廻戦』を数冊並べていた。『プレステ』などのゲーム機もあり、週1日の休日は部屋で寝ているか、ゲームをしたり、YouTubeを見て過ごしていた。食事に出かけるような友人は数人。酒はたしなむ程度で、祖父が「一緒に飲むか」と誘うと「いいや」と断った。祖父は孫が酔うほど飲んだ姿は見たことがない。恋人がいる気配もなく、散財する心当たりはないという。
「頼みごとは嫌がらずに手伝ってくれました。休日に電動草刈り機で雑草の刈り取りを頼むと“ああ、いいよ”と言って。トイレが1年以上前から傷んでいて、真月は“じいじ、トイレにペンキ塗るからね”と白色のペンキを購入して、それはいまだに準備したままになっています。私も“いつ塗るんだ”と言ったりしていました」
金銭感覚は、だらしないとまでは言いがたい。健康保険料の約5万円は毎月払っていた。幼少期から物欲に乏しく、オモチャを買ってとねだることは一度もなかった。「じいじ、ちょっとお金貸して」と、何に使うか言わずに1万円借りたことが5回くらいあり、まだ2万円しか返してもらっていない。税金を払う目的であれば、そう打ち明け、なぜ家族を頼らなかったのか。
遺体が発見される前、シャワーを浴びていた
犯行前日とみられる10月14日と翌15日は、自宅に帰ってこなかった。外泊は珍しく、被害者の遺体が発見された16日の朝に帰ってきて、シャワーを浴びていた。ほかは普段と変わらない様子だった。
10月19日の逮捕当日。自宅の前にいた祖父は、見慣れない15、16人が訪ねてきたことに驚き「何かあったの?」と聞くと「神奈川県警です。詳しいことはお話しできません」とだけ言い、真月容疑者を囲むように連行して行ったという。
「おばあちゃんは心労で参っています。父親は口数が少ないので、冷静に見えるが心の中はどうか。つらくなるので事件について家族で話すことはありません。闇バイトだと気づいた時点で相談してくれたら、なんとかできたと思うんです。悔いが残りますよね。被害者の方は、私とほぼ同世代です。どういう形で償えるか、とにかく償うしかありません。被害者のご家族にも申し訳ない気持ちでいっぱいです」
祖父の告白は120分におよんだ。淡々と話して涙を見せなかったが、最後に堪えきれなくなって下を向き、
「眠っているときは何も考えずに済みますが、起きているときは、やっぱり真月のことを考えてしまって……。すいません、こうならないようにしていたんですが……」
と声を詰まらせ、顔をあげようとしなかった。
宝田真月容疑者は逮捕後、事件に加担したことを後悔し、家族に「会いたい」と話しているという。
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