いまだに職務質問されるのは「小沢仁志のせい」“Vシネネオ四天王”山口祥行の素顔
週刊女性PRIME / 2024年11月10日 17時0分
任侠作品をけん引し続ける俳優・山口祥行(53)。最新トリプル主演作『ぴっぱらん!!』が間もなく公開を迎える。JACの門を叩いた理由、衰え知らずのアクション、いまだにされる職務質問、盟友たちとの絆。“Vシネネオ四天王”のひとりに数えられるその素顔は、ギャップ萌えの嵐だった……!
「あいつが、任侠映画の監督をやりたかったんじゃないですかね(笑)」
と、冗談まじりに話すのは、山口祥行。ヤクザ、チンピラ、極道……など、任侠映画に欠かせない“泣く子も黙る”どころか、“さらにギャン泣き”の名優だ。
山口祥行の朋友・崔哲浩が構想に3年をかけた映画
あいつと呼んだ朋友・崔哲浩が構想に3年をかけ、監督・脚本を務めた『ぴっぱらん!!』が11月1日に公開される。トリプル主演は山口、崔、福士誠治だ。
裏社会の抗争の中、百鬼三兄弟の絆と家族愛を描いたバイオレンス・ヒューマンドラマ。山口は百鬼三兄弟の長男・峻を演じている。韓国語で“ぴっ”は“血と雨”、“ぱらん”は“風”の意。
「今はSNS社会で、面と向かって人と人とが本音を言い合えない中で、人間同士のつながりを泥くさく描いた作品です。崔監督らしいと言えばらしいんだけど(笑)」
百鬼組の組長である父親が何者かに暗殺され、散りぢりになった三兄弟。25年を経て、その誇りのもと、ひとつになって父親の復讐を誓う─。
「俺自身も兄弟がいるんですけど、最近ほとんど会えていないんです。でも、元気で健康でいてほしい。離れていても相手のことを思う兄弟の絆には共感しますね」
スタントなしで大勢の敵を次々とぶちのめしていくシーンが圧巻だったと伝えると、豪快に笑って裏話を。
「アクション監督の二家本辰己さんから、前の晩に“人の上に乗っかって、階段から滑り落ちてほしいんだけど”と電話があって。“わかりました”って答えて、次の日現場に行ってみたら、二家本さんはいなくて(笑)」
イメージ先行のむちゃぶりながら、アクションは大迫力。男たちのプライドが詰まったガチンコアクション映画を、か弱き週刊女性読者はどう楽しめばいい?
「三男役の福士誠治が二枚目なんで、そこを見ていただければ(笑)。あとは中年&初老のオヤジ俳優たちがたくさん出ているので、自分の推しを見つけてもらうのもいいんじゃないかな(笑)」
養成所に入所したのは13歳
実は山口はJAC(ジャパンアクションクラブ)出身。養成所に入所したのは13歳のとき。
「『宇宙刑事ギャバン』('82年)を見て、あの“中の人”になりたいと思ったんですよね」
母親に相談したところ、JACの存在を教えてもらったという。当時のJACといえば、千葉真一さん、真田広之、志穂美悦子……錚々たるメンバーが在籍していたのだが、なんと山口少年は、
「恥ずかしながら誰も知らなかったですね。唯一知っていたのは、ギャバン役をやっていた大葉健二さん! “わー、ギャバンがいる!”って大興奮しました(笑)」
それでもしっかり合格し、15歳のときに養成所のすすめでオーディションを受け、“顔出し”の俳優に。デビュー作は、映画『クレイジーボーイズ』('88年)という少年院を舞台にした青春ストーリー。そこで“顔面凶器”の異名を持つ俳優・小沢仁志と出会う。
「初日からバチバチにシバかれて怖かったー!(笑)その後、ドラマ『十五少年漂流記』('86年)で主演をやらせてもらって。撮影は『クレイジーボーイズ』の後だったんだけど、アクションだけじゃなく、演じる楽しさを徐々に知っていきました」
養成所時代から数えると、今年で40年。今や本宮泰風、的場浩司、中野英雄とともに“Vシネネオ四天王”と呼ばれている。
「俺がネオ四天王? 笑っちゃうよね。自分としては、やっていたらそう呼ばれるようになった、という感じで。でもすごくありがたいし、うれしいです」
と照れ笑い。53歳になった現在もアクションはノースタント。Tシャツの上からでもわかる隆起した筋肉に、目は釘付けになってしまう。
「日課ではないけど、仕事が1、2週間空いたときは週5くらいでジムに行きます。撮影に入ると現場で動くので、ジムに行く気力が湧かないんですよね。若いころは行ってたんですけど。食事制限はまったくしてないです。酒は外でしか飲まない。でも飲みに行く回数も減ったし、早く帰りたい(笑)」
年を重ねても、キレのあるアクションがまったく衰えない理由を尋ねると、
「いやいや。若いころとは勝手が違ってきた部分はありますよ。頭の中では“こんな感じね”って思っているのに、40歳ぐらいからワンテンポ遅れている気がしてきて。あと本番後に“もう1回!”って言われると、すごく疲れる。“もういいだろう?”って思う(笑)」
愛犬が隣にいないと寝つきが悪い
山口の代表作といえば、やはり『日本統一』シリーズだろう。山口と本宮泰風のW主演で、本宮はプロデューサーも務める。'13年のスタート以来、シリーズ累計80作超え(!)。元不良少年の氷室蓮司(本宮)と田村悠人(山口)が日本極道界の頂点を目指す物語で、ふたりの息の合った掛け合いとコンビネーションはさすが! それもそのはず。ふたりは高校時代からの親友で、実に40年近い付き合いなのだ。
「制作会社が変わるなど紆余曲折はあったんですが、今も一緒にずっとやっていられることがありがたいです。だから、劇中で僕の役が死んだとしても続けてほしい。本宮には100本までプロデューサーをやってほしいなぁ。俳優とプロデューサーの兼務で100本やったヤツって、日本にいないと思うんです。そうしたら、あいつの名が一生残るじゃないですか」
自分よりも親友を思うおとこ気にキュンとしたところで、さらに輪をかけてギャップ萌えなのが、
「40歳ごろから犬を飼い始めて、今は3匹。どの子もオスで、チワックスのダンベル(13歳)、ミニチュアダックスフントのエル(3歳)、ピットブルのスミス(2歳)です」
わんちゃんの話になると、目じりが下がったパパさんの顔をのぞかせる愛犬家。
「いちばん最初に飼った先住犬のとき、軍隊みたいに厳しくしつけたら、すごくいい子になってくれて。次に迎えたダンベルは、先住犬のまねをするから、やっぱりいい子に育って。でもスミスとエルは甘やかしてしまったので、やんちゃ(笑)。ま、そこがまた可愛いんだけど! 犬と過ごす時間がいちばんの癒し。だから泊まりのロケに行くと、犬たちが隣にいないから寝つきが悪くて(笑)」
失礼ながら、迫力ある役柄のイメージゆえに、いまだに職務質問を受けたりも?
「アハハハハ。俺ひとりのときはないですね! でも小沢仁志と一緒に歩いていると、ある(笑)。この間なんて、ふたりでペットショップを出た瞬間ですよ!? だから小沢仁志のせいだと思いますね、俺じゃなくて!」
写真撮影でのクールな表情に“素敵です”とはたから声をかけると、すぐに照れてしまう。さらに“素敵って言われたこと、小沢(仁志)に自慢しなきゃ”とも。素顔は少年のように愛らしい山口に今後の展望を尋ねると、
「生まれ変わったら、もう役者はいいかなぁ(笑)。こういう作品に出たいというよりも、求められる俳優でありたい。あとは、小沢仁志を殺すシーン、竹内力をしばくシーン、哀川翔を引きずるシーン、白竜をどつきまわすシーンなど、普段はできないことを作品の中でやりたいね(笑)」
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