「女性の皇位継承を認めないのは女性差別」国連の指摘は“内政干渉”か、専門家は「皇室崩壊」を危惧
週刊女性PRIME / 2024年11月2日 21時0分
10月29日、国連女性差別撤廃委員会は日本に対し、皇室典範の改正を勧告した。
「国連は女性皇族の皇位継承を認めていない皇室典範を“『女子差別撤廃条約』の理念に反する”と指摘しました。現在の皇室典範では、皇位継承について《皇統に属する男系の男子が継承する》と定められています。日本政府はこの皇室制度について“国連が取り上げることではない”と強く反発。しかし、国連の“最終見解”として、男女平等を保証するよう皇室典範の改正を求められました」(皇室ジャーナリスト、以下同)
翌日、林芳正官房長官が記者会見を開いた。
「同委員会に強く抗議したとともに“(改正の勧告を)削除するように申し入れをした”と話しました。国連の勧告に拘束力はないのですが、そもそも皇室典範に意見すること自体がお門違いな気がします」
国連の申し立てに対し、ネット上では、
《国連が恐ろしいほどの内政干渉をしている 皇室典範にまで言及するとは》
《皇室典範の改正は日本国内で決めるべき条項で、国連が文句を言う事ではない》
《内政干渉というよりも、もはや日本そのものを冒涜している、最大の侮辱だと思う》
など、疑問を呈する声が上がっている。
“内政干渉”と反発するのは賢明ではない
ネット上で散見される“内政干渉”という指摘について、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授によると、
「天皇の地位は、日本国憲法第一条には《皇位は主権の存する日本国民の総意に基づく》とあるので、国民が決めることであって、国連の勧告はあくまで参考意見として考慮すればいいと思います。もっとも男系男子推進派にとっては、国内世論だけでなく、国際世論も考慮しなくてはならず、危機感は強まっていることでしょう。しかし、不都合な勧告を“内政干渉”と反発するのは賢明な対応とは思えません」
日本政府はどのような対応を取ればよいのだろうか。
すでに男系男子継承の危機がある
「皇室の大きな役割のひとつは国際親善です。国際的な場に立つ存在が、国際世論を否定することは得策ではありません。感情的な反発ではなく、より理性的な説得を国際世論に訴えることが肝要でしょう。
いちばん気がかりなのは、国連の勧告の有無に限らず、将来的に男系男子の継承が保証されているのかどうかです。国連勧告に反発するよりも、国内問題として、すでに男系男子継承の危機があることを認識し、そのための堅実な対応が求められている時期なのではないでしょうか」(前出・小田部教授、以下同)
今回の勧告を前向きに捉えることもできるという。
「皇位継承については、一歩誤れば、皇室への国民の信頼や敬愛の念も低下し、皇室そのものが崩壊する危険性もはらんでいます。皇位継承者の不在により、もし皇室がなくなってしまうことがあれば、憲法そのものの全面改正という大変革になってしまいます。今回の国連の勧告は、冷静な対応をとるための試金石として、大切に受け止めるべきだと思います」
今後、皇室典範が改正される可能性はあるのか。日本だけではなく、国際的にも注目が集まっている。
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