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「広告塔にされるリスク」佳子さま着用の品が“売上50倍”、御用達ステータスに隠れた罠

週刊女性PRIME / 2024年11月13日 7時0分

10月18日、岐阜県で開催された『国際陶磁器フェス』にて、テープカットをされた佳子さま

「秒刻みで注文をいただいて、売り上げは50倍ほどになりました」(岐阜県で美濃焼のアクセサリーを販売する『MIKELO』運営の宮野祐介さん)

佳子さま売れにうれしい悲鳴

 拡大する“佳子さま売れ”に販売元からはうれしい悲鳴が上がっている。

「佳子さまは今秋、地方での公務にいそしまれ、そのたびに“ある心遣い”が話題となりました。

 岐阜県を訪問された際は美濃焼のイヤリング、石川県では輪島塗のバレッタ、佐賀県では有田焼のイヤリングなど、訪問先の伝統工芸品を身に着けられたのです。どれも市販の商品で、中には2000円台のアクセサリーも。ほとんどがお手頃な価格帯ということもあり、佳子さまが身に着けられた商品は爆発的に売れている状況です」(皇室ジャーナリスト)

 佳子さまが着用されたアクセサリーの販売元に反響を聞いた。

 前出の美濃焼のアクセサリーを販売する『MIKELO』の宮野さんによると、“佳子さま売れ”は今も続いているという。

「ご着用いただいてから1か月近くたちましたが、今なお佳子さまが身に着けられたイヤリングを含め、さまざまな商品の注文をいただいています。宮内庁から注文があったわけではなかったので、ご着用いただいたことは、後から知りました。うれしかったのと同時に、すごく驚きましたね」

 石川県で輪島塗製品を販売する『八井浄漆器本店』の従業員も、佳子さまの心遣いに喜びを語る。

「佳子さまが身に着けてくださったことは、テレビを見て知りました。年始に能登半島地震が起きて、大変なことが続いている最中のことでしたから、佳子さまが輪島に光をくださったような気がして、感激いたしました。たくさんの反響があって、ご着用いただいた商品はすでに完売しています」

 佐賀県で有田焼の食器やアクセサリーを販売する『器とデザイン』の宮崎雄太さんも、佳子さまが自社製品を着用されたことは青天の霹靂だったと振り返る。

「ECサイトで爆発的に商品が売れた日があって、不思議に思って調べてみると、佳子さまがうちの商品を身に着けてくださって、それがSNS上で話題になっていることを知りました。ご着用いただいて以降、注文が殺到して、在庫は完売しました。今は予約生産を行っている状況です。皇室の方々は、高級なものをお召しになるイメージでしたから、うちのような価格帯の商品をご着用いただいたことは、かなり意外でした」

佳子さまの心遣い

 宮内庁OBで、皇室解説者の山下晋司さんは、地方公務での佳子さまの心遣いを、次のように分析する。

「佳子内親王殿下は日本工芸会の総裁ですから、工芸品制作者への思いが強いのでしょう。今回、訪問先の代表的な工芸品を身に着けておられたのは“制作者を励ましたい”というお気持ちからだと思います。

 皇后陛下や上皇后陛下も、外国訪問の際はお召し物にその国の国旗の色を入れたり、国花をあしらった服飾品をお着けになるなどされて、相手国への敬意を表してこられました。佳子内親王殿下も、皇族としてそうした姿勢を踏襲しておられるのでしょう」

 伝統工芸の普及に大きく貢献されている佳子さま。一方、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授はこうした状況に警鐘を鳴らす。

「佳子さまが市販製品を着用されることで、特定の商品やメーカーだけが得をするような構図は、皇族の行為として好ましいとはいえないでしょう。公務での装いには、国民の象徴としての配慮が必要です。たびたび市販製品が話題になることは、皇室の品位を落とすことにもなりかねません」

 また、“佳子さま売れ”には隠されたリスクもあるそう。

「昨今、“佳子さまが身に着けられた商品は売れる”という認識が広がりつつあります。そんな中、今後も公務の場で市販製品を身に着ける路線を継続された場合、各社は佳子さまを広告塔として利用することも考えるようになるかもしれません」(小田部名誉教授)

“皇室御用達”を悪用した事件

 実際に“皇室御用達”というステータスを悪用した事件も起こっている。

「昨年、70代の男が“皇室に献上する”と語り、偽造の献上依頼書を提示して、農家から桃4箱を詐取していたことが判明しました。同様の手口で、別の農家からもしいたけやトマトをだまし取っており、男には今年、有罪判決が下されました。生産者にとって、皇室の方々に召し上がっていただくということは、何より光栄なことといえるでしょう。そうした感情を利用したトラブルは、近年も変わらず起きているのです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 浮上した“佳子さまが広告塔として利用されるリスク”について、宮内庁はどのように考えているか、問い合わせたところ、

《宮内庁として特にコメントすることはありません》

 との回答があった。

 懸念される“皇室利用”を予防すべく、30年間皇后を務められた美智子さまは“ある対策”を講じておられたようだ。

「美智子さまも佳子さまと同様、公務で地方へ赴かれる際は、訪問先に関連するものを身に着けておられました。ただ、佳子さまとは大きな違いがあります。例えば、'14年に当時天皇、皇后両陛下だった上皇ご夫妻が沖縄県を訪問された際、美智子さまは沖縄の伝統織物である『芭蕉布』で作られた帽子とスーツをお召しになっておられました。

 これは沖縄県訪問に際して、美智子さまのために作られた一点ものです。特定のメーカーの広告塔になることなく、それでいて地元の工芸品に敬意を表す方法を、美智子さまは考え抜かれたのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)

 佳子さまも美智子さまのように、皇室利用の罠から逃れる策を見つけられるのだろうか─。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている

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