韓国版『花より男子』でブレイクのキム・ヒョンジュンに聞いた、“心”を癒してくれるもの
週刊女性PRIME / 2024年11月13日 22時0分
韓国版の『花より男子』(『花より男子Boys Over Flowers』'09年)で花沢類に当たるユン・ジフ役を演じて大ブレイクしたキム・ヒョンジュン。11月6日より放送が始まった日韓合作ドラマ『彼女のいない時間』に主演している。
キム・ヒョンジュン演じるウンテ
「オファーをいただいたときは正直、プレッシャーもありました。もともと、自分はうまくできないことはしないタイプ。この作品では、やはり日本語のセリフがある。僕の日本語のセリフがぎこちなく聞こえることへの懸念はありました」
日本人の最愛の妻を亡くしたウンテ(キム・ヒョンジュン)は、失望のあまり妻に関する記憶と生きる気力を失っていた。妻との思い出を捜す最後の旅に出たところ、不思議な女子高生(天翔天音)と出会い……。
「撮影に入る前、たまたまYouTubeで日本人の妻&韓国人の夫の映像が流れてきて。それを見ると、お互いに日本語と韓国語を使うけど、急ぐときや複雑な話になると母国語が出る。
ずっと一緒に住んでいても、相手の国の言葉はやっぱり完璧まではいかない。でも、気持ちでわかりあっている。“あぁ、こういうものだな”とすごく思いました。たとえ、たどたどしくても、表情や演技によってちゃんと気持ちは伝わる。そう思いました」
ウンテの流暢すぎない日本語は、とてもリアル。実際、ヒョンジュンは日本語の聞き取りはほぼできるが、話すのはあまり得意ではないという。
「ウンテにはずいぶん共感します。僕も38歳になり、若すぎることもなければ、年を取りすぎてもいない。俳優としては今まで本当にいろんな感情を積み重ねてきたので、演技をするにもいい年齢になってきたんじゃないかなと思っています」
俳優デビューして15年の歳月が流れている。
「15年前の『花より男子』のときは、言ってみれば本当にピュアで初々しさもあったと思います。何をしても、たとえ怒ったとしても“可愛い”。どこか守ってあげたくなるキャラクターでしたから。
一方、現在の年齢では、視聴者をちゃんと納得させられる演技が求められていると思います。きっと見てくれる人も“キム・ヒョンジュン目的”というより、いかにその人物になりきれているかを見るはずです。そのために必要なスキルも学んできたと思っています」
若かりしころと現在。変わったことを尋ねてみると、
「若かったころは、現場に行くだけでみなさんに可愛がってもらっていました。今は、現場の全体に気を配れるようになった。そういった面では成長できているのかなと思います」と、微笑む。本作で伝えられたらいいなという思いは、
「きっとみなさんにも愛する人がいると思うんです。そして、その愛する人がそばにいてくれることを当然のように思ってしまうことも。人は何かひとつを手にすると、他のものを手に入れたくなったりもします。でも、大切な人やものを決して“慣れ”の中に埋もれさせずに、ちゃんと愛し、守ってほしいなと思います」
自分を奮い立たせてくれるもの
日韓を問わず、連ドラへの出演は『時間が止まるその時』('18年)以来6年ぶり。
「演技をしていると、終わったときに少し心が空しくなることがあります。撮影中は、自分ではない他人として生きているので。ずっとそこにハマっていたのに、また抜け出さなくてはいけない。そんなときは“もう何もしたくないな”“休みたいな”と思うこともあります。 それぐらい、ひとつのキャラクターにハマり込んで、その人物を生きることは大変なことなんです」
そんな疲弊した心を、癒してくれるものとは?
「世界中に僕を待ってくれているファンの方がいる。一緒に仕事をしてくれる仲間たちや、僕の帰りを待ってくれている家族も。そんな人たちのリーダーとして“戻らないといけない”という思いが、自分自身を奮い立たせてくれる。だからまた演技もできるし、ステージにも立てる。そして、それを喜んでもらえることが、自分の癒しになっています。それがまるで車輪のように、ずっと僕の人生を回し続けてくれているのかなと思います」
最後に、日本のファンに向けてメッセージを。
「今後、日本と韓国合作のこういったドラマや音楽、ミュージカルがどんどん増えていくんじゃないかなと思います。以前ほど日本に来られていませんが、活動範囲は広がっています。キム・ヒョンジュンという僕をつくってくださったみなさんに、本当に感謝しています。僕はこの先、さらにスペシャルなものを見せていきたいと思っているので、ご期待ください!」
キム・ヒョンジュンと天翔天音、スペシャル先行試写会
9/13・有楽町朝日ホール。キム・ヒョンジュンと天翔天音が登壇すると、会場を埋め尽くしたファンは大歓声。約60分のスペシャル映像の上映に加え、直筆サイン入りポスターの抽選会も。イベント後、ふたりに話を聞くことができた。
先行試写会の感想は?
ヒョンジュン「観客の中には泣いている方もいらっしゃった。『彼女のいない時間』を通して、感情の共有ができたと思っています」
天翔「たくさんのお客様が、楽しみにしてくださってる雰囲気がすごく伝わってきました!」
お互いの印象は?
ヒョンジュン「天音さんは役に溶け込むのがすごく早かった。僕は少し時間をかけないとダメなほう。瞬時に集中する彼女を見て、うらやましいなと思いました(笑)」
天翔「ヒョンジュンさんは初めて会ったときから役に入り込まれていて、すごいと思いました。ウンテは陰もありつつ、愛情のある雰囲気。でも、あまり笑うシーンがないんです。だから最初は“普段から笑わない方なのかな?”と思いました。でも撮影が進む中で、本当は朗らかで、すごく優しい笑顔を見せてくれる方だとわかり、ホッとしました(笑)」
韓国&名古屋での撮影で感じたことや思い出は?
天翔「撮影に向かう途中、韓国の山奥の高速道路で車がパンクしてしまって。でも、すぐに凛々しい警察官の方が来てくれて。パトカーの助手席に乗せてもらって、撮影場所に行きました(笑)」
ヒョンジュン「近い国とはいえ、日差しや湿度などはやっぱり違うなと感じました。前半は韓国、後半は名古屋でのシーンが多くて。(韓国の)チョンソンでは空気の澄んだ明るい感じが撮れたし、エンディングの名古屋では夕陽の感じがすごくいい。両国の映像美も楽しんでください」
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