【独自】「大きいサイズがない」梅宮アンナに聞く、乳がん術後の下着事情と“上がらない”右腕
週刊女性PRIME / 2024年11月27日 9時0分
ステージ3Aの「浸潤性小葉がん」を公表した梅宮アンナさん。11月7日に右胸の全摘手術を受け、現在は自宅での療養とリハビリに取り組む。「手術した痕がもう痛くて痛くて……。手も上がりにくくなってメイクの時間もこれまでの2倍」など現況を率直に語ってくれた。
やっと手術できる喜びで手術室で涙
右胸の全摘手術を終え、無事退院した梅宮アンナさん。乳がんがわかってから何度も涙は流してきたが、手術直前に湧き上がってきたのは、喜びの涙だったという。
「オペ室の前に着いたら、涙が出てきたんです。うれしくてね。やっと、ここまでたどり着いたって。中に入ると手術台が思っていたより小さくてびっくりしたけど、上がって寝てみたら背中にヒーターがついていて、『あったかいなあ』ってほっこり。手術の準備中にも看護師さんに『いつも記事を読んでいます。標準治療の大切さも発信してくれて、私たちも勇気づけられていますよ』と耳元で伝えてくださって、また涙、涙でした」
手術の所要時間は3時間19分。術後の経過は順調で予定どおり1週間後に退院できた。
「病院では何人もの患者さんに『インスタ見てますよ』とか『私も乳がんで今日退院なんです』と、声をかけられました。そんな言葉を聞くと、私だけじゃない、発信してよかったなあと思えます」
自宅に戻って一段落かと思いきや、続く傷の痛みと、思うように動かせない右腕に、気持ちは複雑だった。
「退院して、『おめでとう!』と言われるのだけれど、抗がん剤治療や放射線治療を控えている私には、これからだという気持ちが強くて、周りと温度差がありました。そして何より、鎮痛剤を服用しても傷が痛いんですよ。経験者の方からは『痛くないから大丈夫』という話ばかり聞いていて。この話をすると『手術を怖がらせないためでしょ』と言う人もいますが、私は『自分がおかしいの? 弱虫なのかな?』と落ち込んでしまったんです」
実際には、アンナさんのインスタグラムやネット記事には、「私も痛かった」というコメントを寄せる体験者は多い。
「実は痛くてもガマンしている人もいっぱいいるんじゃないかな。私だって『痛い、痛い』とは言いたくないですよ。それに、私の言葉で手術を怖がってしまう人がいるかもしれない。でも、現実をオブラートに包むより、本当のところを知ってもらったほうがいいと思うんです。もちろん、あくまでも“私の場合”であって、たくさんあるケースのうちの一例なので」
左胸を支える“ブラジャー問題”に直面
自宅での日常生活が始まると、入院中には気づかなかった違和感も実感することに。
「右脇のリンパ節も取ったので、手術痕は脇の下まであり、今は痛みで右腕が肩より上に上がりません。右利きなので、とっさに右腕を動かすと痛いし、つかんだものをよく落としてしまう。メイクもたいへんだし、なんだか頭で思うことと身体がバラバラで、今まで味わったことのない違和感が続いています」
入院中から、右腕のリハビリのためのエクササイズも指導されているが……。
「肩回しとか、右腕を上がるところまで上げてキープするとか、病院でリハビリの指導を受けました。でも、胸は引きつるし、痛むし、すぐやめちゃう。『もう前のように右手を上げられないのでは?』と考えて涙が出たり。せめてものリハビリにとハンドグリップを握ったりしていますが、鬼軍曹のようなコーチがいたらいいのにと思ってます(笑)」
身体が思うように動かないもどかしさに加え、アンナさんを悩ませているのが下着だ。
「乳がんの術後用のブラを用意していたのですが、実際に使ってみると、切った傷やドレーンの管を抜いた痕に当たって痛い。もしかしたら手術直後に使えるわけじゃなかったのかも。今日は左胸だけカップに入れ、右側はパッドをせず肩にかけています」
若いころからバストケアの一環でブラ選びにはこだわりもあった。術後用ブラについても事前に調べていたそう。
「種類はあっても全体にサイズが小さくて。こんなことを言うと、羨ましいなんて声もありますが、胸があるのも真剣な悩みなんですよ。ノーブラでは外に出られない。なのに左だけ残ったおっぱいを、自然な形で支えてもらえるタイプがなかなかない。今まで当たり前に身に着けていたからこそ、ブラのことを考えると、外出もついついおっくうになってしまうんです」
病理検査の結果で今後の治療計画が決まる
術後、さまざまな困りごとを抱えてきたアンナさん。それでも、「日常生活こそリハビリ」と心がけている。
「傷の痛みや右腕の不自由さも、ずっと続くわけではないとわかっています。病院でも重いものを持たないようにと注意されたけど、ペットボトルを開けたり、服を着替えたり、そんな日常動作もリハビリだと思って、身体を動かすようにしています」
現在は、摘出したがん細胞をより詳しく調べる病理検査が行われており、その結果によって、今後の治療計画が確定するという。
「今の短期目標としては、来春くらいまでに、抗がん剤治療と放射線治療を終えることかな。それまでは病院通いが続きますが、やはり家にこもるより、こんなふうにインタビューを受けたり、外に出て人に会うのは、いいものですね。娘もウォーキングに誘ってくれるし、冬は好きな季節なので歩くのもいいかな」
アンナさんが病院に持参したモノ
マイ枕
「以前、枕で首を痛めたこともあるので、肺炎で入院したときもMY枕を持ち込みました。枕カバーもお気に入りのもの」(アンナさん、以下同)
ナイトキャップ
就寝中、髪の絡まりを防ぐといわれているナイトキャップ。抗がん剤の副作用による脱毛もあるため、アンナさんも愛用している
愛犬の絵
「やっぱり病室だと緊張してしまうので、ペキニーズの愛犬スーちゃんとバブルス君の絵を眺めて気分転換」
取材・文/志賀桂子 撮影/吉岡竜紀
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